豚しゃぶ 固くならない 茹で方 温度|沸騰させない湯で、色が変わるまで火を通す

豚しゃぶ 固くならない 茹で方 温度のイメージ画像 料理・食材保存

豚しゃぶ 固くならない 茹で方 温度を調べている人の多くは、煮立った鍋に肉を入れて、縮んで灰色になった経験があるはずです。豚肉が固くなる原因は「火を通しすぎたから」ではなく、たいていは湯の温度が高すぎることにあります。沸騰した湯に入れると表面のたんぱく質が一気に縮み、水分とうま味が押し出されてしまうからです。反対に、いったん沸かした湯の火を止め、湯面が静かになってから1〜2枚ずつ泳がせると、同じ肉とは思えないほどしっとり仕上がります。ただし、柔らかさと引き換えに火の通りを甘くするのはNGです。豚肉は中心までしっかり加熱するのが大前提。この記事では、その両立のさせ方を手順で説明します。

豚しゃぶ 固くならない 茹で方 温度の結論|沸騰させない湯で、肉の色が変わるまで

先に結論だけまとめます。豚しゃぶ 固くならない 茹で方 温度で押さえることは、次の3つだけです。

  • ぐらぐら煮立った湯では茹でない:湯を沸かしたら火を止めるか、ごく弱火にして湯面が静かになるのを待ちます。70〜80℃くらいが目安です
  • 1〜2枚ずつ入れて泳がせる:一度にたくさん入れると湯の温度が急に下がり、柔らかさどころか火の通りまで怪しくなります
  • 肉の色が全体に変わるまで加熱する:赤みやピンクが残っているうちは引き上げません。柔らかさより火の通りが優先です

この3つは順番に効いてきます。湯温を下げても一度に大量に入れれば温度は落ちすぎますし、丁寧に泳がせても色の確認を省けば意味がありません。

静かな湯の鍋で薄切りの豚肉を箸で泳がせている手元

沸騰した湯の中で豚肉に起きていること

肉が縮むのは、たんぱく質が熱で変性して繊維がぎゅっと締まるからです。この収縮は温度が高いほど急激で、100℃の湯に薄切り肉を入れると表面から一瞬で縮み始めます。縮んだ繊維の間から水分がうま味ごと押し出され、残るのはパサついた繊維の束です。同じ「火が通った状態」でも、じわりと温度が上がった肉と一気に煮立てた肉では、噛んだときの水分量がまったく違います。

湯の温度を70〜80℃に落とすと、この収縮がゆるやかになります。しゃぶしゃぶ用の薄切り肉は厚みが1mm前後しかないので、この温度帯でも中心まで熱はきちんと届きます。「温度を下げる」といっても加熱をやめるわけではない、という点が大事なところです。

温度を下げるのは、生っぽく仕上げるためではない

ここだけは誤解しないでください。豚しゃぶ 固くならない 茹で方 温度の話は、あくまで100℃のぐらぐらを避けるという意味であって、半生で食べてよいという意味ではありません。豚肉はE型肝炎ウイルスや寄生虫のリスクがあり、生食を避けるべき食材です。飲食店では2015年から豚の食肉・内臓を生食用として提供することが禁止されており、家庭でも考え方は同じです。

加熱の目安として厚生労働省が示しているのは「中心部を75℃で1分間以上、またはこれと同等以上」です。家庭の鍋で中心温度を測るのは現実的ではないので、目で見て判断します。赤みやピンクが完全に消え、全体が白っぽい灰褐色に変わっていること。少しでも赤い部分が残っていたら鍋に戻してください。小さな子ども、高齢者、妊娠中の方、体調を崩している方が食卓にいるときは、とくに余裕をもって火を通します。

なお、専用の機器で豚肉を低温調理する方法もありますが、あれは温度と時間を厳密に管理する前提の別の技術です。鍋の火加減でその真似をしないでください。ここで扱うのは「沸騰させないだけで、火はしっかり通す」やり方です。

豚しゃぶ 固くならない 茹で方 温度を再現する手順|火を止めてから泳がせる

ここからは実際の手順です。特別な道具はいりません。豚しゃぶ 固くならない 茹で方 温度は、鍋の火加減をひとつ変えるだけで再現できます。

泡がほとんど立たない静かな湯の鍋と調理用温度計

湯の準備と下ごしらえ

鍋にたっぷりの湯を沸かします。肉200gに対して1.5〜2リットルが目安です。湯が少ないと肉を入れた瞬間に温度が落ちすぎるので、鍋は大きめのほうが失敗しません。

  • :湯1リットルに大さじ1〜2。豚肉特有のにおいがやわらぎます。開封して余っている白ワインを少量使っても構いません。使いかけのワインの扱いは「ワイン 開封後 保存 期間 料理|無駄なく美味しく使い切るコツ」も参考になります
  • :ひとつまみ。ごく薄い下味がつき、うま味が湯に逃げるのをいくらか抑えられます
  • 昆布・長ねぎの青い部分・しょうがの薄切り:どれかひとつ入れるだけで、湯そのものが軽いだしになります
  • 片栗粉:肉に薄くまぶして余分をはたくと、表面が膜になってしっとりします。つるんとした食感が好みなら試す価値があります。ただし湯が濁るので、しめに雑炊やうどんを作る日は控えめに

肉は冷蔵庫から出したてよりも、5分ほど置いて冷えすぎを取ったほうが湯温が落ちにくくなります。ただし夏場に長く常温放置するのは避けてください。

茹でる手順

  1. 鍋の湯を一度しっかり沸騰させる
  2. 火を止める、またはごく弱火にする。大きな泡が消えて湯面が静かになるまで30秒〜1分ほど待つ
  3. 肉を1〜2枚ずつ、広げながら湯に入れる。重ねて入れない
  4. 箸で軽く泳がせる。しゃぶしゃぶ用の薄切りなら10〜20秒が目安
  5. 1枚を持ち上げて広げ、赤みやピンクが残っていないか見る。残っていたら湯に戻す
  6. 2〜3回茹でて湯がぬるくなってきたら、いったん火をつけて沸き上がる直前まで戻し、また火を止める

最後の「戻す」工程を面倒がって、ぬるいまま茹で続けるのがいちばん危ない失敗です。柔らかい代わりに火の通りが不十分になります。温度を下げるのは沸騰を避けるためであって、ぬるま湯に浸すことが目的ではありません。

温度計がなくても分かる湯の見分け方

湯の様子 目安の温度 豚しゃぶへの向き
大きな泡が激しく立ち上がる 約100℃ 肉が縮む。この状態では入れない
細かい泡が鍋底から連なって上がり、湯面が揺れる 85〜90℃前後 まだ高い。もう少し待つ
泡はほとんど立たず、湯気が静かに上がる 70〜80℃前後 ちょうどよい。ここで泳がせる
湯気がほとんど見えなくなる 60℃台以下 低すぎる。火を入れ直す

数字はあくまで目安で、鍋の材質や湯の量、室温によって変わります。調理用の温度計があれば一度だけ実測しておくと、次からは見た目だけで判断できるようになります。

火が通ったかの確認は色で。ここだけは妥協しない

引き上げる前に、必ず1枚を箸で持ち上げて広げ、赤みやピンクが残っていないかを見ます。重なった部分や折れ込んだ部分は火が通りにくいので、広げて確認するのがポイントです。迷ったら戻す。湯が沸騰していなければ、10秒20秒足したところで急に固くはなりません。

それから、生肉をつかんだ箸でそのまま食べないこと。生肉用の菜箸と、食べる取り箸は必ず分けます。鍋料理での食中毒は、火の通り以上にこの「箸の使い回し」で起きています。生肉をのせていた皿も、そのまま茹で上がった肉の受け皿にしないでください。

肉の選び方・冷水で締める是非・固くなったときの立て直し

同じ茹で方でも、肉の厚みや部位で結果は変わります。冷しゃぶにするときの冷水の扱いも、ここで整理しておきます。

部位の違う薄切り豚肉を並べた皿

しゃぶしゃぶ用とこま切れは、同じ感覚で引き上げない

肉の種類 厚みの目安 扱い方
しゃぶしゃぶ用ロース 1mm前後 赤身と脂のバランスがよく定番。10〜20秒ほどで色が変わる
しゃぶしゃぶ用バラ 1mm前後 脂が多く柔らかく感じる。冷やすと脂が固まるので温かいうちに食べたい
もも・ヒレの薄切り 1〜2mm 脂が少なく固くなりやすい。湯温を落とす効果がいちばん出る部位
こま切れ・切り落とし 2〜3mm、厚みは不揃い くっついた塊のまま入れない。1枚ずつほぐし、厚い部分に合わせて長めに加熱する

こま切れは値段が手頃で豚しゃぶにも十分使えますが、厚みがそろっていないのが難点です。同じ鍋の中で薄い部分は火が通り、厚い部分はまだ、ということが普通に起きます。いちばん厚い一枚を基準に確認するのが安全側の判断です。

冷水で締める?締めない?

冷しゃぶにするとき、茹でた肉を冷水に取るかどうかで意見が分かれます。どちらにも理由があります。

  • 締める派の理由:余熱で火が入り続けるのを止められる。色がきれいに残り、水っぽいにおいも流せる
  • 締めない派の理由:急冷すると脂が白く固まって口当たりがもったりする。身も締まって固く感じやすく、うま味も流れる

家庭で無難なのは折衷案です。氷水にさっとくぐらせて、すぐ引き上げる。そのあとキッチンペーパーで水気を拭き取ります。長く浸けるほど脂は固まり、味も抜けます。脂の多いバラ肉なら冷水を使わず、バットに広げてうちわで扇ぐか、そのまま自然に冷ますほうが口当たりよく仕上がります。

ひとつ注意点があります。冷水に取る工程は、火の通りの代わりにはなりません。冷やす前に色が完全に変わっているかを確認してください。冷えた肉は色の判断がつきにくくなり、赤みを見落としやすくなります。

固くなってしまった肉は、用途を変えたほうが早い

一度縮んでしまった肉は、茹で直しても柔らかくは戻りません。切り替えて別の料理に回すほうが早いです。

  • 細かく刻んでチャーハンや炒め物の具にする。すでに火が通っているので加熱は短時間で足ります
  • 豚汁やスープに入れて、汁気と一緒に食べる
  • 刻んで甘辛く炒め、そぼろにしてご飯にのせる

ご飯と合わせるなら、米そのものの状態も味に響きます。保存で悩んだときは「新米 保存 方法 虫 対策|袋のままはNG、密閉と野菜室で守る秋の一袋」もあわせてどうぞ。

よくある質問

茹で上がった豚しゃぶを野菜とともに盛り付けた冷しゃぶの皿

火を止めた湯で茹でたなら、少しピンクが残っていても大丈夫ですか?

大丈夫ではありません。牛肉のレアとは違い、豚肉は中心までしっかり火を通すのが基本です。ピンクが残っていたら鍋に戻し、色が完全に変わるまで加熱してください。湯が沸騰していなければ、10秒20秒追加したくらいで急に固くはなりません。「柔らかさのために火を弱める」のであって、「柔らかさのために生を許す」わけではないと覚えておくと迷いません。

温度計がありません。何分待てば70〜80℃になりますか?

鍋の大きさや湯の量で変わるため、時間で言い切ることはできません。目安としては、沸騰させた鍋の火を止めてから30秒〜1分ほどで大きな泡が消え、湯面が静かになります。その状態がおおよそ70〜80℃の目安です。上の表の見た目で判断し、迷ったら1枚だけ入れて様子を見てください。10秒ほどで色が変わり始めるなら適温、なかなか変わらないなら温度が下がりすぎています。

こま切れ肉でも豚しゃぶになりますか?

なります。ただし厚みが不揃いで、くっついた状態のまま入れると中まで火が通りません。冷蔵庫から出したら1枚ずつはがし、湯には少量ずつ入れて、いちばん厚い部分の色で判断してください。しゃぶしゃぶ用より長めに見るのが基本です。

茹でた豚しゃぶは作り置きできますか?

当日中に食べきるのが無難です。しっかり火を通したうえで粗熱を取り、清潔な保存容器に入れて冷蔵します。翌日に持ち越す場合は、においや粘り、変色がないかを確認してから使い、加熱してから食べると安心です。食材の日持ちの考え方は「卵 賞味期限切れ 何日 大丈夫|安心して使う保存のコツ」でも触れています。

まとめ|豚しゃぶ 固くならない 茹で方 温度は「沸騰させない・色で確認」の2点

豚しゃぶ 固くならない 茹で方 温度のポイントを、最後にもう一度整理します。

  • 湯は一度沸かしてから火を止め、泡が消えて静かになった70〜80℃を目安に使う
  • 1〜2枚ずつ広げて泳がせる。しゃぶしゃぶ用なら10〜20秒で色が変わる
  • 引き上げる前に広げて、赤みやピンクが残っていないか必ず確認する
  • 湯がぬるくなったら火を入れ直す。ぬるいまま茹で続けない
  • 冷水は使うなら「さっとくぐらせて拭く」。冷やす前に火の通りを確認する
  • 生肉用の菜箸と取り箸は分ける

食卓の鍋のそばに生肉用の菜箸と取り箸が別々に置かれている様子

今夜やることはひとつだけです。鍋が沸騰したら、肉を入れる前に火を止める。次に豚しゃぶを作るとき、まずここから試してみてください。

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