土鍋 使い始め 目止め やり方|おかゆで行う5ステップと割らない扱い方

土鍋 使い始め 目止め やり方のイメージ画像 トラブル解決

土鍋 使い始め 目止め やり方を調べているということは、買ったばかりの一台を箱から出したところか、去年しまい込んだ土鍋をそろそろ出そうとしているところだと思います。鍋の季節にはまだ少し早い時期ですが、目止めは炊いてから冷まして乾かすまでに丸一日かかる作業なので、寒くなって慌ててやるより今のうちに済ませておくほうが気楽です。この記事では、土鍋が水を吸う器だという仕組みから、おかゆで行う5ステップ、片栗粉や小麦粉を使う場合の違い、そして目止めをしても割ってしまう扱い方までをまとめます。

土鍋 使い始め 目止め やり方の前に|土鍋が水を吸う器だという話

金属の鍋と土鍋の一番の違いは、土鍋が水を吸うことです。土鍋は陶土を焼いて作りますが、焼き上がったあとも生地の中には細かい隙間が残ります。この隙間の多い状態を多孔質と呼び、水を張っておくと少しずつ生地の中へ吸い込まれていきます。

吸い込まれた水は、火にかけると生地の内側で熱せられ、体積を増やそうとします。土の側もふくらみますが、両者の変化は同じ速さでは進みません。この差が積み重なると内側から押される形になり、ひび、水のしみ出し、においの染みつきといった形で表に出てきます。買った翌日にいきなり割れるという話ではなく、使ううちに差が出てくる性質のものです。

そこで最初にやるのが目止めです。おかゆを炊いて、米から出たでんぷんの糊を隙間に入り込ませ、乾かして目を塞ぐ。土鍋 使い始め 目止め やり方の中身は、煎じ詰めればこれだけです。糊の膜ができると水が生地に入りにくくなり、水漏れやにおい移り、煮汁の染み込みが起きにくくなります。

ただし、目止めは割れを防ぐコーティングではありません。空焚きすれば目止め済みの鍋でも割れます。効くのは、あとの章で触れる日々の扱い方とセットにしたときです。

目止めが要る土鍋と、要らない土鍋がある

土鍋には、伊賀焼や萬古焼のように熱に強いとされる土を使ったものが多くありますが、内側の仕上げは製品ごとにかなり違います。内側までしっかり釉薬がかかっていて水をほとんど吸わないもの、あらかじめ目止め処理がされていて「不要」と明記されているものもあります。逆に、素焼きに近い風合いのものは吸い込みが早く、目止めの効果がはっきり出ます。

最初にやることは、湯を沸かすことではなく取扱説明書を開くことです。目止めが必要かどうか、必要ならおかゆと片栗粉のどちらをすすめているか。ここはメーカーによって案内が分かれるところで、一般論より手元の説明書のほうが確実です。箱を捨ててしまったなら、鍋の底や外箱に入っている窯元名と型番でメーカーのサイトを探すと、説明書のPDFが公開されていることがあります。

収納から出したばかりの土鍋とふた

土鍋 使い始め 目止め やり方|おかゆで行う5ステップ

土鍋 使い始め 目止め やり方の本番はここからです。用意するのは、冷やごはん茶碗1杯分(または米大さじ2〜3)と水だけ。実際に手を動かすのは30分ほどですが、冷ます時間と乾かす時間を足すと丸一日みておくと安心です。使いたい日の前日に始めてください。

おかゆで行う5ステップ

  1. 洗って、完全に乾かす。新品なら水かぬるま湯でさっと洗い、製造時のほこりを流します。洗剤は使いません。拭いたあと、釉薬がかかっていない底の輪(糸底)まで乾いているか確かめます。ここが濡れたまま火にかけると割れの原因になります
  2. 水を7〜8分目まで入れ、ごはんか米を加える。冷やごはんなら茶碗1杯を軽くほぐして入れます。入れすぎると噴きこぼれます
  3. ふたをせず、弱火から中火でゆっくり沸かす。いきなり強火にしない。ふたをすると噴きやすいので、開けたまま様子を見ます
  4. 弱火で20〜30分炊く。とろみがついて全体がぽってりしてくれば十分です。噴きこぼれそうなら火を弱め、木べらで底から一度混ぜます
  5. 火を止め、鍋に入れたまま完全に冷ます。熱いうちに中身を出したり水をかけたりしないこと。冷めたらおかゆを取り出し、水洗いして(洗剤は使わない)布で拭き、風通しのよい場所で一日近く乾かします

ここで一番手を抜きやすいのが、最後の乾燥です。表面が乾いて見えても、生地の中はまだ湿っています。伏せて置くと底に水が残るので、少し斜めに立てかけるか、割り箸を渡した上に置いて底にも風が通るようにすると、乾き方がまるで違います。

片栗粉・小麦粉を使う方法と、メーカーで案内が割れる話

おかゆの代わりに、水に片栗粉や小麦粉を溶いて弱火で煮る方法もあります。水1リットルに大さじ2ほどを溶かし、混ぜながら弱火で20分前後、そのまま冷ますという流れで、狙いはおかゆと同じでんぷんの糊です。米を炊くよりにおいが残りにくいと言われることもあります。

ただし、ここは製品ごとに案内が違います。米のでんぷんを指定するメーカーもあれば、片栗粉を挙げるメーカーもあり、小麦粉は避けるよう書いてあるものもあります。手元の説明書に方法が書いてあれば、それを最優先してください。どちらの記載もない場合は、扱いがやさしいおかゆから試すのが無難です。

米のとぎ汁で代用できるか

とぎ汁で済ませる方法も見かけますが、含まれるでんぷんの量はおかゆよりずっと少なく、膜としては薄くなります。手間はほとんど変わらないので、最初の一回はおかゆできちんと行い、二年目以降の軽い手入れにとぎ汁を使う、という分け方のほうが理屈に合います。

土鍋でおかゆを弱火で炊いているところ

去年の土鍋を出す前の点検と、目止めを台無しにする扱い方

土鍋 使い始め 目止め やり方をきちんと踏んでも、そのあとの扱いで割ってしまえば元も子もありません。しまい込んだ一台を今年も使うなら、火にかける前に見ておくところがあります。

収納から出したら、においと底を見る

乾ききらないうちにしまわれた土鍋は、生地に残った水分でかび臭くなることがあります。ふたを開けて内側のにおいを確かめ、黒い点が出ていないか、ふちや底に欠けやひびがないかを見てください。前のシーズンの煮汁が染みて、内側が黒ずんでいることもあります。

かび臭さが軽いうちなら、水を張って酢を大さじ1〜2ほど入れ、弱火で10分ほど煮てから捨て、よくすすいで完全に乾かすと引くことがあります。酸を避けるよう書かれた製品もあるので、説明書に酢や酸性の洗剤への注意があればこの方法は飛ばし、ぬるま湯で洗って乾かすだけにとどめます。においが残るようなら、おかゆで目止めをやり直すほうが結局早いです。

土鍋にやってはいけないこと

  • 空焚き(中身を入れずに火にかける) — 生地だけが一気に熱くなり、ひびや割れにつながる。目止め済みでも防げない
  • 外側や底が濡れたまま火にかける — 濡れた面と乾いた面で温まり方が違い、底から割れやすい。拭いてから火にかける
  • いきなり強火にする — 急に温度が上がって生地に無理がかかる。弱火から少しずつ上げる
  • 熱いうちに水をかける、濡れた台やぬれ布巾に置く — 片側だけ急に冷えて割れる。火から下ろしたら乾いた鍋敷きの上へ
  • 食洗機に入れる — 高温の湯と洗剤、強い水流で傷みやすい。手洗いが基本
  • 洗剤に長くつけおく — 多孔質の生地が洗剤を吸い、次に使ったときに味やにおいとして出る
  • 金属たわしやクレンザーでこする — 表面が削れて目止めの膜がはがれ、汚れが入りやすくなる
  • 濡れたまましまう — 生地に水分が残り、かびとにおいの原因になる。乾かしてから収納する

急な熱の変化でものが傷むのは土鍋にかぎった話ではありません。衣類でも同じことが起きるので、乾燥機のほうが気になる人は「乾燥機 服 縮む 防ぐ 方法|素材別の見極めと縮ませない5ステップ」もどうぞ。

IH・電子レンジ・オーブンは製品しだい

土鍋は基本的に直火用です。IH対応とうたっていない土鍋は、IHクッキングヒーターに乗せても発熱せず、機種によってはエラーが出ます。IH対応品は底に金属を組み込むなどの作りになっていて、そのぶん扱いの注意も別に書かれています。電子レンジやオーブンに入れてよいかどうかも製品によって分かれるので、対応の表示がないものは入れないでください。金属を含む部分があるものをレンジに入れると、火花が出ることがあります。

買い替えを考える目安

釉薬の表面に細かく走るひび模様は貫入と呼ばれ、多くの場合は不良ではありません。使ううちに増えることもあります。判断が要るのは、次のような場合です。

  • 水を張って置くと外側がじっとり濡れる、水位が目に見えて下がる
  • ひびが生地を貫通していて、明かりに透かすと線が見える
  • 大きく欠けている、破片が出た
  • 目止めをやり直しても漏れが止まらない

ここまで来た土鍋を火にかけると、加熱中に割れて熱い中身が一気に出るおそれがあります。愛着はあると思いますが、直火で使うのはやめて、火を使わない用途に回すか、買い替えを考えてください。

土鍋の底のひびや欠けを確かめる手元

よくある質問

土鍋 使い始め 目止め やり方について、よく出てくる疑問をまとめました。

目止めは使い始めの一度だけで大丈夫ですか?

新品に対しては基本的に一度で足ります。ただし膜は使ううちに落ちていくので、水の吸い込みが早くなった、煮汁のにおいが残るようになった、長く出番がなくしまい込んでいた、というときはやり直すと落ち着きます。鍋の季節に入る前に一度やる、と決めてしまうのも手です。

目止めに使ったおかゆは食べられますか?

洗った新品の鍋で炊いたものなので、食べて差し支えないことがほとんどです。ただ、土のにおいがうつって独特の味になることがあり、気になるなら無理に食べる必要はありません。食べるなら塩や梅干しを添える、卵を落とすなど味をつけたほうが食べやすいです。捨てるときは、流しにそのまま流すと詰まりの原因になるので、水気を切ってごみとして出します。

米がありません。片栗粉や小麦粉でも同じ効果がありますか?

でんぷんで目を塞ぐという点では同じ考え方です。ただし、どれをすすめるかはメーカーによって違い、小麦粉を避けるよう書いてある製品もあります。まず説明書を確認し、指定がなければおかゆか片栗粉で試してください。

目止めのあと、底に細かいひびが見えます。失敗ですか?

釉薬の表面だけに入る細かいひび模様なら貫入で、土鍋では珍しくないものです。水漏れがなく、明かりに透かして線が通っていなければそのまま使えます。見分けがつかないときは、鍋の型番を伝えてメーカーに問い合わせるのが確実です。

洗い終えて斜めに立てかけ乾かしている土鍋

まとめ

土鍋 使い始め 目止め やり方のポイントを、もう一度並べておきます。

  • 土鍋は水を吸う多孔質の器。でんぷんの糊で目を塞ぐのが目止め
  • 方法はおかゆが基本。片栗粉や小麦粉をすすめる製品もあるので、まず取扱説明書を見る
  • 水は7〜8分目、ふたをせず弱火で20〜30分炊き、鍋に入れたまま冷ます
  • 最後の乾燥に丸一日みる。ここを飛ばすとかびとにおいが残る
  • 空焚き、濡れたまま加熱、急冷、食洗機、洗剤のつけおきは避ける
  • 漏れが止まらない、ひびが貫通している土鍋は火にかけない

鍋の出番が来てから慌てないよう、今日のうちに棚から土鍋を出してにおいと底を確かめ、冷やごはんを茶碗1杯分よけておくところから始めてみてください。

食卓の中央で湯気を上げる土鍋の鍋料理

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