車 フロントガラス 凍結 溶かす作業で最初に知っておきたいのは、やってはいけない方法のほうです。急いでいる朝ほど、やかんのお湯をかけたくなりますが、これはガラスが割れるおそれのある危険な行為で、修理代のほうが高くつきます。正しい手順は、エンジンをかけてデフロスターで内側から温めながら、外側は解氷スプレーとスクレーパーで落とすという分担です。この記事では、寒い朝に迷わず動ける手順と、氷を厚くしないための前夜の準備、凍りついたワイパーの扱い方、そして内側が白く曇るときの対処までまとめます。
車 フロントガラス 凍結 溶かす|朝いちばんにやる正しい順番
冷え込んだ夜に屋外へ停めておいた車のガラスが白くなるのは、放射冷却でガラス面の温度が気温より下がるためです。晴れて風のない夜ほど熱が空へ逃げやすく、気温が0度を上回っていてもガラスだけは凍ることがあります。天気予報の最低気温だけを見て「今日は大丈夫だろう」と油断すると、出発時刻に立ち往生します。
車 フロントガラス 凍結 溶かす作業は、内側からと外側から同時に進めるのが最短です。手順にすると次のようになります。
- ワイパーのスイッチが切れていることを確認してからエンジンをかける。オートや作動位置のままだと、始動と同時に凍ったブレードが動いて傷みます
- デフロスター(フロントガラスに向かって送風するマーク)をオンにし、外気導入・A/Cオンにする。エンジンが冷えているうちは温風が出ないので、まずは風量だけ確保して待ちます
- 待っている間に外側へ解氷スプレーをかける。上端から下へ流すようにかけると、溶けた液が下側の氷にも回ります
- ゆるんだ氷をスクレーパーで落とす。手前に引くより、寝かせて押し出すほうが力が要りません
- ワイパーがガラスから離れたことを確認してから動かす。ウォッシャー液は車内が温まってから使います
忘れがちなのがフロントガラス以外です。ドアミラー、リアガラス、ヘッドライトとテールランプ、ナンバープレートまで見えるようにしておかないと、後続車から自分の車の動きが読めません。
もうひとつ。外側の氷を落としたのに視界が白いままなら、それはガラスの内側が曇っているか凍っています。外からいくらこすっても取れないので、デフロスターの送風を続けて内側から乾かしてください。
道具は「溶かすもの」と「落とすもの」を分けて考える
- 解氷スプレー:氷を溶かす役。厚い氷でも短時間でゆるむ。減りが早いので予備を積んでおくと安心
- スクレーパー:溶かすのではなく、ゆるんだ氷を落とす役。必ずプラスチック製を選ぶ
- デフロスター:内側の曇りと霜を取る役。外側の氷も内側からじわじわゆるめてくれる
- 凍結防止カバー:そもそも凍らせない役。かける手間はあるが、朝の作業がほぼゼロになる

車 フロントガラス 凍結 溶かすときにやってはいけない5つのこと
ここが本題です。車 フロントガラス 凍結 溶かす場面での失敗は、たいてい「急いでいたから」起きます。時間がないときほど、次の5つだけは避けてください。
1. 熱いお湯をかける
いちばん多くて、いちばん高くつく失敗です。冷え切ったガラスに熱湯をかけると、温まった部分と冷たいままの部分で膨らみ方が変わり、その差でガラスにヒビが入ることがあります。いわゆる熱割れです。フロントガラスは合わせガラスなので破片が飛び散ることはまずありませんが、一度入ったヒビは走行中の振動で伸びていき、最終的には交換になります。飛び石の小さな傷がすでにある車はとくに危険で、その傷を起点に一気に走ります。
さらに厄介なのは、かけたお湯のその後です。流れ落ちた水はワイパーの根元やドアの隙間、鍵穴で冷やされて再び凍り、ワイパーが動かない、ドアが開かないという二次被害になります。お湯は問題を片づけるどころか増やすと覚えておいてください。
2. 凍ったままワイパーを動かす
ブレードのゴムがガラスに張り付いた状態で無理に動かすと、ゴムが裂けたり、ブレードがガラスから剥がれたりします。動かないものを動かそうとするのでモーターやリンク機構にも負担がかかり、ヒューズが飛ぶこともあります。前の晩にワイパースイッチを切っておくだけで防げるので、習慣にしてしまうのが早道です。
3. 金属やカードで氷を削る
手近にあるからと、金属ヘラ、鍵、カード類でこすると、ガラスに細かい傷が残ります。この傷は昼間は気になりませんが、夜に対向車のライトを浴びると乱反射して視界を白くします。撥水処理をしている場合はその皮膜も削れます。使うならプラスチック製のスクレーパーで、氷がゆるんでから当ててください。
4. 視界の一部だけ開けて走り出す
運転席の前だけ丸く溶かして、そこから覗いて走るのは危険です。凍った部分は死角そのもので、横断歩道の歩行者や左右から出てくる自転車が見えません。半端に溶けた水が走行風で冷やされて再凍結し、走り出してから視界がさらに悪くなることもあります。ガラス全面が見えてから発進するのが原則です。
5. 夏用のウォッシャー液で流そうとする
水で薄めた夏用のウォッシャー液は、寒い朝にはタンクやノズルの中で凍っていることがあります。凍った状態でスイッチを押すとポンプに負担がかかりますし、運よく出たとしても冷たい液が冷えたガラスの上で再び凍り、視界がかえって悪くなります。寒い時期に入る前に、不凍タイプへ入れ替えておきましょう。
雪が積もった日にはもうひとつ注意があります。マフラーの出口が雪でふさがれたままアイドリングを続けると、排気ガスが車内に入り込むおそれがあります。エンジンをかけて温まるのを待つ前に、車の後ろまわりの雪をどかしてください。暖機中に鍵を差したまま家へ戻るのも、盗難の面で避けたほうが安全です。

前の晩のひと手間で、翌朝の氷を薄くする
毎朝スプレーを使うより、そもそも凍らせないほうが早くて安く済みます。車 フロントガラス 凍結 溶かす手間そのものを減らす方法をまとめます。
停める場所を変えるだけでも違う
放射冷却は、空に向かって開けている面ほど強く働きます。カーポートや屋根の下、建物の壁際に寄せて停めるだけでも、露天の真ん中に停めるより霜は軽くなります。朝日が早く当たる東向きも有利です。ただし木の下は、樹液や鳥のフンで別の手間が増えるので考えものです。
フロントガラスカバーをかける
いちばん確実なのがこれです。市販の凍結防止カバーは、ガラスを覆ってから端をドアで挟み込む構造のものが多く、風で飛ばされにくくなっています。専用品がなければ厚手のレジャーシートや段ボールでも代用できます。新聞紙は濡れると貼り付いて剥がすのに苦労するので、あまりおすすめしません。朝はカバーごと霜を持ち上げるだけなので、作業時間はほぼゼロになります。
ワイパーを寝かせたままにしない
ワイパーを立てられる車種なら、駐車時にガラスから離しておくとゴムの凍結を防げます。構造上立てられない車種もあるので、取扱説明書を確認してください。立てられない場合は、ブレードとガラスのあいだにタオルや布を一枚はさむ方法があります。
車内に湿気を持ち込まない
ガラスの内側が凍るのは、車内の湿気が原因です。濡れた傘、雪のついた靴、湿ったフロアマットを積んだままにすると、夜のあいだに水蒸気がガラスの内側で霜になります。降りる前の数分だけエアコンを外気導入にして車内の空気を入れ替える、濡れたものは持ち帰る。これだけで内側の曇りはかなり減ります。
ガラスの状態を整えておく
油膜が残ったガラスは水滴がべったり広がって残り、そのまま凍ると氷が厚くなります。ときどきガラスクリーナーで油膜を落とし、撥水処理をしておくと、水が玉になって流れ落ちやすくなります。なお、水とアルコールを混ぜた自作スプレーを使う方法が知られていますが、濃度や成分によっては塗装やゴム、コーティングを傷めるおそれがあります。車のガラス用として売られている解氷スプレーを使うほうが無難です。
寒い朝は外の作業だけでなく、体のほうも荒れやすくなります。暖房を強くかけた車内と冷たい外気を行き来すると肌の水分が奪われやすいので、気になる人は「冬 肌 乾燥 かゆい 対策|しっとり潤う肌を守る秘訣」もあわせて読んでみてください。

よくある質問
Q. 熱湯がダメなのは分かりました。ぬるま湯なら大丈夫ですか?
常温に近い水やぬるま湯なら熱割れのリスクは下がりますが、おすすめはできません。問題は温度差より、そのあとです。かけた水は気温が氷点下なら短時間で再び凍り、ワイパーの根元やドアの隙間、鍵穴まで固めてしまいます。急いだつもりが、かえって時間を取られる展開になりがちです。車 フロントガラス 凍結 溶かすなら、水を使わない解氷スプレーとスクレーパーの組み合わせが結局いちばん早いです。
Q. 解氷スプレーが切れていました。家にあるもので代用できますか?
安全に代用できるのは「時間」です。エンジンをかけてデフロスターを回し続ければ、内側から温まって氷は必ずゆるみます。あとはプラスチックのスクレーパーで落とすだけです。時間がかかるのが難点なので、寒い時期は予備のスプレーを車に積んでおくか、前夜にカバーをかける習慣へ切り替えるほうが現実的です。台所の洗剤や食塩水を使う方法も見かけますが、塗装やゴム、金属部品への影響が読めないので避けてください。
Q. デフロスターは内気循環と外気導入、どちらが正解ですか?
曇りや霜を取る目的なら外気導入です。内気循環にすると、乗っている人の呼気などで車内の湿気が増え、ガラスの内側がかえって曇りやすくなります。あわせてA/C(エアコンのスイッチ)をオンにすると、空気中の水分が抜けて曇りの取れる速度が上がります。寒いのにA/Cを押すのは違和感があるかもしれませんが、これは冷やすためではなく除湿のための操作です。
Q. ワイパーがガラスに凍りついて剥がれません
力任せに引っ張らないでください。ゴムがちぎれるか、ブレードが変形します。デフロスターの温風をしばらく当てて内側からゆるめるか、解氷スプレーをブレードの根元とガラスの接地面に吹きかけて待ちます。指で軽く持ち上げて抵抗なく離れたら、そこで初めてワイパーを動かせます。

まとめ
車 フロントガラス 凍結 溶かす作業でいちばん大事なのは、速さより順番です。要点を並べておきます。
- 熱湯は絶対にかけない。熱割れでヒビが入るうえ、流れた水が再凍結して被害が広がる
- ワイパーはスイッチを切っておき、ガラスから離れたことを確認してから動かす
- エンジン始動 → デフロスターを外気導入・A/Cオンで作動 → 外側は解氷スプレー、の同時進行が最短
- 氷を落とすのはプラスチックのスクレーパー。金属やカードで削らない
- ミラー・リアガラス・灯火類・ナンバープレートまで見えるようにしてから発進する
- 雪の日は、アイドリングを始める前にマフラー出口の雪をどかす
- 前夜のカバーがけがいちばんの時短。停める場所と車内の湿気も見直す
今夜できることをひとつ選ぶなら、車を降りるときにワイパースイッチが切れているかだけ確かめてみてください。


