雨戸の動きが悪いときのレール掃除と注油|砂を取ってからシリコンスプレー、機械油を使わない理由と戸車の見極め

雨戸の動きが悪いときのレール掃除と注油のイメージ画像 トラブル解決

雨戸の動きが悪いときは、いきなり油を差すのではなく、まずレールの溝にたまった砂やほこり、落ち葉を取り除くのが先です。雨戸やサッシのメーカーも、開け閉めが重いときの最初の対処としてレールの掃除を挙げています。掃除をしてもまだ重いときに、すべりを良くするためシリコンスプレーを少しだけ使います。機械油やグリースはほこりを吸い寄せ、かえって動きを悪くするので向きません。この記事では、原因の見分け方、掃除と注油の手順、使ってよいもの・避けたいもの、戸車の交換を業者や販売店に任せる目安を順に紹介します。

雨戸が重くなる原因と、まず確かめたいこと

雨戸は窓の外側にあり、ふだんは戸袋にしまわれていることも多いため、下のレールの溝には風で運ばれた砂や土ぼこり、落ち葉、虫の死骸などがたまりがちです。YKK APの雨戸の取扱説明書では、スムーズに開け閉めできないときや、開け閉めで音がするときの原因として「下枠レールにゴミなどがついている」ことを挙げ、清掃するよう案内しています。

ただ、原因はレールの汚れだけとは限りません。重さのほかに次のような様子がないかを見ておくと、自分で直せる範囲かどうかの見当がつきます。

気づいた様子 考えられる原因 自分でできること
溝に砂が見える、動かすとじゃりじゃりと音がする レールにたまった砂やごみ レールの掃除(次の章の手順)
掃除しても同じ場所で引っかかる、ゴトゴトと音がする 戸車にごみが絡んでいる、戸車の傷やすり減り 戸車のごみ取り。傷みがあれば交換を相談
閉めたときのすき間が上下や左右で違う、錠がかかりにくい 雨戸の傾き(戸車の高さのずれ) 調整ネジのある機種なら、戸車の高さを微調整
枠そのものがゆがんでいる、上の枠が下がっている 枠や建物側の問題 自分では直さず、業者や販売店へ

動きを左右する「戸車」

雨戸の下の端には戸車と呼ばれる小さな車輪が付いていて、これがレールの上を転がることで戸が動きます。レールに砂がかんでいると戸車がうまく回らず、引っかかったり、ゴロゴロと音がしたりします。三協アルミも、レールや下枠は砂やほこりがたまりやすいところだとして、戸車の摩擦を防いで軽く開け閉めできるよう、定期的な掃除をすすめています。

砂や落ち葉がたまった、アルミのレールの溝

レールの掃除から注油まで、5つの手順

作業は、晴れてレールが乾いている日に行います。濡れた砂は泥のようになって溝の角に広がるので、乾いた状態でかき出すほうがはかどります。

用意するもの

  • 掃除機(すき間用の細いノズル)、刷毛や柔らかいブラシ、古い歯ブラシ
  • 割り箸と古布、雑巾2枚、台所用の中性洗剤、軍手
  • シリコンスプレー(掃除をしても重さが残るときだけ)
  1. 雨戸を寄せて、レールを出す:雨戸を戸袋にしまうか一方へ寄せて、見えている部分のレールを掃除します。雨戸の下に隠れていた部分は、あとで雨戸を動かしてから掃除します。
  2. 砂やほこりを吸い取る:溝にたまった砂やほこりを、掃除機の細いノズルで吸い取ります。ノズルが入らない角は、刷毛や柔らかいブラシで手前にかき出してから吸います。
  3. 溝の汚れを拭き取る:割り箸の先に布を巻き付け、溝に沿って拭きます。こびりついた汚れは、水で薄めた台所用の中性洗剤を布に含ませて拭き、そのあと水拭きをして、最後に乾いた布で水気を取ります。
  4. 雨戸を何度か往復させて確かめる:レールがきれいになったら、雨戸を端から端まで動かします。ここで軽くなれば、注油はいりません。
  5. 重さが残るときだけ、シリコンスプレーを少量吹く:レールの溝に薄く吹き付け、雨戸を何度か往復させてなじませます。溝の外にはみ出した分やたまった分は、乾いた布で拭き取ります。

この掃除のやり方は、LIXILが雨戸の開け閉めがしにくいときの対処として紹介しているものに沿っています。力を入れすぎて、レールや部品を傷めないようにしてください。

ベランダの床に並べた、掃除機のすき間ノズル・刷毛・古い歯ブラシ・布を巻いた割り箸・雑巾

レールの掃除で避けたいこと

  • 砂が残ったまま、雑巾で強くこする(砂でレールの表面に傷がつきやすくなります)
  • ワイヤーブラシや紙やすりでこする
  • シンナーやベンジン、アルコールなどの溶剤や、トイレ・タイル用の酸性やアルカリ性の洗剤を使う(三協アルミは、表面を侵し腐食の原因になるとして使わないよう案内しています)
  • 釘やヘアピンなど鉄製の小物をレールに置きっぱなしにする(アルミと鉄が水気のある状態で触れていると、異種金属接触腐食という腐食が起きることがあります)

2階の雨戸と、雨戸の取り外しは無理をしない

雨戸のレールは窓の外側にあるので、2階では身を乗り出しがちです。LIXILは窓用シャッターのお手入れについて、転落やけがのおそれがあるとして、足場を確保し窓枠から乗り出さないよう注意しています。手が届く範囲だけにとどめましょう。

戸車に絡んだごみは、雨戸を外さないと取れないこともあります。LIXILは雨戸を外してつまようじやブラシで取り除く方法を紹介する一方で、転倒や破損、けがに十分注意するよう呼びかけています。外し方は機種で違うので、取扱説明書で確かめられる1階の雨戸で、2人で支えられるときだけにしてください。

注油に使うものと、掃除しても重いときの相談先

動きが悪いと油を差したくなりますが、機械油やグリースは雨戸のレールに向きません。LIXILは室内の引戸について、油やグリースはごみやほこりを吸着して動きが悪くなるので使わず、レールにはシリコンスプレーを使うよう案内しています。窓用の手動シャッターでも、シリコンスプレー以外は使わないよう注意書きがあります。屋外の雨戸のレールは砂ぼこりを浴び続けるので、なおさら油分を残さないほうが安心です。

使うもの 雨戸のレールに 理由・使い方
シリコンスプレー 使ってよい メーカーが引戸やシャッターに挙げている。少量を吹き、余分は拭き取る
ロウ(ろうそくなど) 使ってよい YKK APが引戸のレールの手入れで、塗って往復させたあと拭き取る方法を紹介している
機械油・ミシン油・自転車用オイル・油分の多い防錆スプレー 避ける 砂やほこりを吸い寄せて固まり、かえって動きが悪くなる
グリース 避ける 同じ理由に加え、べたつきが長く残る

シリコンスプレーを吹くときのコツ

  • 掃除を済ませてから吹く(砂が残ったまま吹くと、砂が溝に貼りついて取れにくくなります)
  • ノズルを溝に近づけて少量を薄く吹き、雨戸を何度か往復させてなじませる
  • 溝の外にはみ出した分やたまった分は、乾いた布で拭き取る
  • 床や窓ガラスに飛ぶと滑りやすくなったり跡が残ったりするので、下に古布を敷いておく
  • 使える素材や火気・換気の注意は製品によって違うので、缶の注意書きを確かめる
  • 鍵穴には吹かない(YKK APはドアの鍵穴について、油の含まれている潤滑剤はほこりが中に粘着して故障の原因になるとして、シリコンスプレーも使わないよう案内しています)
ラベルのないスプレー缶と、たたんだ白い布

掃除しても重いときは、戸車の調整か交換を相談する

レールをきれいにしても重さや引っかかりが直らないときは、戸車に原因があることが考えられます。LIXILは、掃除しても改善しない場合は戸車の交換を検討するよう案内しています。YKK APの取扱説明書にも、戸車に傷がついていたりすり減っていたりする場合は、工務店や販売店、メーカーの相談窓口に修理を依頼するよう書かれています。

雨戸が傾いてすき間が不ぞろいなときは、戸車の高さ調整ネジで直せる機種もあります。ただしLIXILによると、ネジの位置は設置した年代によって違い、ネジのないタイプもあります。取扱説明書で調整方法を確かめられなければ、手を出さないのが無難です。次のようなときも、自分で直そうとせずに相談しましょう。

  • 戸車が割れている、すり減っている、回らない
  • レールが曲がっている、枠がゆがんでいる、上の枠が下がっている
  • 雨戸を外す必要があるが、2階である、重くて支えられない

相談先は、取り付けた工務店や販売店、またはメーカーの修理窓口です。賃貸住宅なら、自分で業者を手配する前に管理会社や大家さんに連絡してください。

よくある質問

Q. 家にあるサラダ油やミシン油を差してもいいですか?

A. 避けたほうが無難です。上で書いたとおり、油はほこりや砂を吸い寄せて、かえって動きを悪くすることがあります。シリコンスプレーが手元になければ、まず掃除だけで様子を見て、それでも重ければろうそくのロウを薄く塗って往復させ、余分を拭き取る方法を試してください。

Q. 巻き上げ式のシャッター雨戸も同じ手入れでいいですか?

A. シャッターは左右のガイドレールの中を戸が上下する作りなので、手入れする場所が違います。LIXILは窓用の手動シャッターが重いとき、ガイドレールの内部や毛(モヘヤ)のごみ・ほこり・砂を拭き取り、隅は歯ブラシなどで掃除してから、モヘヤに市販のシリコンスプレーを吹く方法を紹介しています。電動のものや他社の製品は、取扱説明書で確かめてください。

Q. 戸車は自分で交換できますか?

A. 部品を取り寄せて交換できる場合もありますが、雨戸を外して戻す作業が要るうえ、戸車の形や寸法は機種や年代によって違います。2階の雨戸や重い雨戸、型番の分からない雨戸は、取り付けた業者や販売店、メーカーの修理窓口に頼むと安心です。

Q. 掃除はどのくらいの間隔ですればいいですか?

A. メーカーの案内は「こまめに」「定期的に」という書き方で、決まった回数は示されていません。ざらつく音がしたら掃除の合図と考え、台風や強風のあとにも一度レールをのぞいておくと、重くなる前に手を打てます。

ちり取りに集めた砂と落ち葉、手ぼうき

まとめ

雨戸の動きが悪いときのレール掃除と注油は、「まず掃除、注油は最後に少しだけ」が基本です。

  • 原因の多くはレールの砂やほこり。乾いた日に吸い取ってから、布を巻いた割り箸で拭く
  • 重さが残れば、シリコンスプレーを少量吹いて余分を拭き取る。機械油やグリースは使わない
  • 2階で身を乗り出す作業や、重い雨戸の取り外しはしない
  • 戸車の傷みや枠のゆがみは、工務店や販売店、メーカーの窓口に相談する

まずは次の晴れた日に雨戸を片側へ寄せ、レールの溝に砂や落ち葉がたまっていないかをのぞいてみましょう。

木の板の上に置いた、軍手とプラスドライバー

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