赤飯は炊飯器でも作れます。分量はもち米2合に乾燥ささげ30〜40gが目安で、ささげを固めにゆで、冷ましたゆで汁にもち米を1時間以上浸してから炊くのが基本の流れです。水加減は、内釜におこわの目盛りがあればその線まで、なければ白米の線より少し下にします。ゆで汁を捨てずに使うことが、ほんのり赤く仕上げるいちばんのポイントです。この記事では、炊飯器で炊く赤飯の作り方を、材料と手順、水加減と浸水時間、色が薄い・べちゃつくといった失敗の直し方の順に紹介します。
炊飯器で炊く赤飯の作り方:もち米2合の材料と流れ
先に材料と全体の流れをまとめます。ささげをゆでる、ゆで汁を冷ます、もち米を浸すという下準備があるため、炊き上がりまでは2時間半〜3時間ほどみておくと慌てずに済みます。
| 材料 | もち米2合 | もち米3合 |
|---|---|---|
| もち米 | 2合 | 3合 |
| 乾燥ささげ | 30〜40g | 45〜60g |
| ささげのゆで汁 | 300ml以上 | 450ml以上 |
| 塩(好みで) | 小さじ1/3〜1/2 | 小さじ1/2〜2/3 |
| ごま塩 | 適量 | 適量 |
ゆで汁の量は、水位を合わせるのに使う分の目安です。足りない分は水で補えますが、水が多いほど色は薄くなります。3合を炊くときは、おこわとして炊ける量の上限が白米より少ない炊飯器もあるので、取扱説明書で確かめておきましょう。
手順の流れ
- ささげを洗い、たっぷりの水で煮立てて一度ゆでこぼす(渋切り)
- 新しい水でささげを固めにゆで、豆とゆで汁に分けてゆで汁を冷ます
- もち米を洗ってざるに上げ、水気を切って内釜に入れる
- 冷めたゆで汁を注ぎ、おこわの目盛りまで合わせる(目盛りがなければ白米の線より少し下)
- そのまま1時間以上置いて、もち米にゆで汁を吸わせる
- 塩を入れる場合はここで加えて軽く混ぜ、ささげを米の上に広げる
- 混ぜずに「おこわ」コース(ない場合は白米のふつうのコース)で炊く
- 炊き上がったらすぐに底から大きく返し、器に盛ってごま塩をふる
ささげは固めで止め、ゆで汁は捨てない
ささげはさっと洗って鍋に入れ、水500mlほどを加えて強火にかけます。沸騰して2〜3分たったらざるにあけ、このゆで汁は捨ててください。渋切りと呼ばれる工程で、豆のアクや渋みを抜くために行います。
ささげを鍋に戻し、新しい水700mlほど(3合なら1.5倍)を加えて再び火にかけます。沸騰したら弱めの中火にし、ふたを少しずらして15〜20分を目安にゆでます。途中で豆が湯から顔を出しそうになったら、水を少し足してください。何粒か取り出して指でつまみ、つぶれるものの、まだ少し芯を感じるくらいなら火を止めます。このあと炊飯器でもう一度火が入るので、ここでやわらかくしすぎると、炊き上がりに皮が破れたり崩れたりしやすくなります。
ゆで上がったら、ボウルに重ねたざるにあけて、豆とゆで汁に分けます。このゆで汁が赤飯の色のもとです。熱いまま米に注ぐと表面だけがやわらかくなり、炊きムラにつながりやすいので、人肌より冷たくなるまで冷ましてから使います。冷ましている間に、お玉でゆで汁をすくって高い位置から落とす動きを何度か繰り返すと、空気に触れて色が濃くなると言われています。ゆでた豆は乾かないよう、ラップをかけておきましょう。

水加減と浸水時間は「おこわの目盛り」を基準にする
赤飯でいちばん迷いやすいのが水加減です。もち米はうるち米より少ない水で炊き上がるので、白米と同じ感覚で水を入れると、やわらかすぎる仕上がりになります。
内釜におこわの目盛りがある場合
内釜に「おこわ」の目盛りがある炊飯器なら、その線までゆで汁を注ぐのがいちばん確実です。炊飯コースも「おこわ」を選びます。おこわコースの時間に浸水の工程を含めている機種もあるため、どのくらい浸してから炊くかは、取扱説明書の案内もあわせて確認してください。
目盛りがない場合は、白米の線より少し下から試す
おこわの目盛りもコースもない場合は、白米のふつうのコースで炊けることが多いです。水位は、白米の同じ合数の線より少し下にします。水の量でいえば、白米を炊くときより1割ほど少なめを出発点にするとよいでしょう。一度炊いてみて、硬ければ次は少し増やし、やわらかければもう少し減らすと、自分の炊飯器に合う水位が見つかります。もち米の炊飯に対応していない機種もあるので、初めてのときは説明書を確認しておくと安心です。
もち米だけで炊くのが不安なら、うるち米を混ぜる方法もあります。粘りがほどよく抑えられ、水加減のずれも目立ちにくくなります。
| 米2合の組み合わせ | 仕上がり | 水位の目安 |
|---|---|---|
| もち米2合 | もっちりとした、昔ながらの赤飯 | おこわの目盛り(なければ白米の線より少し下) |
| もち米1.5合+うるち米0.5合 | 粘りがやや控えめで、冷めても食べやすい | 白米の線より少し下 |
| もち米1合+うるち米1合 | ふっくらとした赤いご飯に近い | 白米の線よりわずかに下 |
もち米を一部だけ混ぜて炊くときの考え方は、「生栗ともち米で作る栗ご飯の炊き方と水加減|米2合・3合の分量早見表と、べちゃつかせないコツ」でも紹介しています。
浸水は1時間以上。塩は炊く直前に入れる
もち米をゆで汁に浸すのは、米に水を含ませると同時に、色を移すためです。浸す時間が短いと色が薄く、芯も残りやすくなります。1時間以上、できれば2〜3時間を目安にしてください。暑い時期に長く置くなら、ボウルで浸して冷蔵庫に入れ、炊く直前に内釜へ移して水位を合わせ直します。
塩を入れた水では米が水を吸いにくくなると言われるので、塩は浸水が終わってから加えます。入れなくても、炊き上がりにごま塩をふれば味は決まります。早炊きのコースは吸水の時間が短く芯が残りやすいため、赤飯には向きません。

色が薄い・べちゃつく・芯が残るときの原因と直し方
主な原因と防ぎ方を、先に表でまとめます。
| 困りごと | 主な原因 | 次からの防ぎ方 |
|---|---|---|
| 色が薄い | ささげが少ない/ゆで汁を水で大きく薄めた/浸水が短い | ささげを目安の多めにする/浸水を2〜3時間に延ばす |
| べちゃつく | 白米の線まで水を入れた/炊き上がりを放置した | 水位を下げる/炊けたらすぐ底から返す |
| 芯が残る・硬い | 浸水が足りない/水が少なすぎた/早炊きで炊いた | 1時間以上浸す/水位を少し上げる/ふつうのコースで炊く |
| 豆が割れる・つぶれる | ささげをゆですぎた/米と混ぜてから炊いた | 少し芯が残る固さで止める/米の上にのせて炊く |
色が薄いときは、豆の量と浸す時間を見直す
炊き上がってから色を足すのは難しいので、次に炊くときの調整になります。色を濃くしたいなら、ささげを目安の多め(2合なら40g)にする、浸す時間を延ばす、ゆで汁をお玉ですくって空気に触れさせる、といった方法があります。水を足すほど色は薄まるので、ゆで汁は十分に残しておきましょう。
なお、ゆで汁だけで色をつける赤飯は、真っ赤ではなく、うっすらと赤紫がかった色に仕上がります。全体がほんのり色づいていれば、失敗ではありません。
べちゃつくときは、水位と炊き上がりの扱いを見直す
まず、白米の線まで水を入れていなかったかを振り返ってください。もち米にはその量では多すぎます。
炊き上がったら、すぐにふたを開けてしゃもじで底から大きく返し、余分な蒸気を逃がします。もち米は粘りが強いので、練るように混ぜると餅のようにまとまってしまいます。しゃもじを立てて切るように動かし、数回返せば十分です。
芯が残るときは、少し水を足して加熱し直す
米に芯が残ったときは、全体に水か酒を大さじ2〜3ほどふって軽く混ぜ、ふたをして加熱し直す方法がよく知られています。炊き上がったご飯にもう一度炊飯スイッチを入れてよいかは機種によるので、説明書を確認してください。少量なら、耐熱容器に移してふんわりラップをかけ、電子レンジで様子を見ながら温めても芯がやわらぎます。

よくある質問
ささげの代わりに小豆で作れますか?
作れます。手順も分量もほぼ同じです。ただ、小豆はささげより皮が破れやすく、煮ているうちに腹が割れてしまうことがあります。ゆで時間を短めにして、早めに固さを確かめてください。関東などでささげが好まれてきたのは、皮が割れにくく「切腹」を連想させないためと言われます。どちらを使うかは、地域や家庭によってさまざまです。
ささげは前の晩から水に浸しておく必要がありますか?
必要ありません。ささげや小豆は、大豆などと違って、浸水させずにそのままゆでるのが一般的です。水に長く浸すと、かえって皮が破れやすくなるとも言われます。前日に準備したいなら、ゆでるところまで済ませ、豆とゆで汁を別々の容器に入れて冷蔵庫に入れておく方法があります。
もち米がないときは、うるち米だけでも作れますか?
作れます。手順は同じで、水位は白米の線どおりで構いません。ただし、もちもちとした食感はなく、さらりとした赤いご飯に仕上がります。赤飯らしさを残したいなら、もち米を一部だけでも混ぜて炊きましょう。
作り置きや冷凍はできますか?
冷蔵庫に入れると、もち米は硬くなりやすいです。その日のうちに食べきれない分は、温かいうちに1食分ずつラップで平たく包み、冷めてから冷凍しておくと便利です。食べるときはラップのまま電子レンジで温めます。冷凍したものは1か月以内を目安に食べきりましょう。

まとめ
炊飯器で赤飯を作るときに押さえておきたいのは、次の5点です。
- ささげは渋切りのあと、少し芯が残る固さでゆで上げる
- ゆで汁は捨てずに冷まし、もち米を1時間以上浸して色を移す
- 水位はおこわの目盛り、なければ白米の線より少し下から試す
- 塩は浸水のあとに入れ、ささげは米の上にのせて混ぜずに炊く
- 炊けたらすぐ底から返し、色や硬さは次回の浸水時間と水位で調整する
もち米と乾燥ささげさえあれば、特別な道具がなくても家庭の炊飯器で炊けます。お祝いの日に重箱へ詰めるなら、炊き上がりに蒸気をしっかり逃がし、少し冷ましてからふたをすると、ふたの裏に水滴がつきにくくなります。

まずは手元の炊飯器の取扱説明書を開いて、おこわの目盛りとコースがあるかを確かめるところから始めてみてください。

