乾電池の液漏れを触ったときの対処と掃除方法|こすらず水で洗い流し、機器は湿らせた綿棒で拭く

乾電池の液漏れを触ったときの対処と掃除方法のイメージ画像 トラブル解決

乾電池から漏れた液や白い粉を素手で触ってしまったら、手をこすらずに、すぐ大量のきれいな水で洗い流してください。目に入ったときは、こすらずに水で充分に洗ってから医師の診察を受けます。アルカリ乾電池の液は強いアルカリ性で、皮膚に付いたまま放っておくと化学やけどのおそれがあるからです。掃除は、洗い終わってから手袋をつけて始めます。この記事では、乾電池の液漏れを触ったときの対処と掃除方法を、パナソニックや電池工業会など電池メーカー・業界団体の案内に沿って説明します。液漏れした電池の捨て方と、次に漏らさないための使い方もまとめました。

液や白い粉を触ったら、こすらずにすぐ水で洗い流す

電池から漏れた液は、乾いて白い粉や結晶になっていても油断できません。パナソニックは、アルカリ乾電池に付く白い粉について、中の電解液が空気中の二酸化炭素と反応して結晶になったもので、水に溶けると強いアルカリ性を示すと説明しています。皮膚に付いたまま放っておくと化学やけどのおそれがあり、目に入ると失明の危険もあるとしています。触ったら、ほかの物に触れる前に、次のように洗い流してください。

付いた場所 すぐにすること そのあと
手・皮膚 こすらず、大量のきれいな水で洗い流す 医師に相談する。赤みや痛みは遅れて出ることもある
目 こすらず、すぐに水道水などのきれいな水で充分に洗う 洗ったあと、ただちに医師の診察を受ける
口(なめた) きれいな水で充分にうがいをする 医師に相談する
服 肌に触れないように脱ぎ、液の付いた部分を大量の水で洗い流す そのあとは普通に洗濯できるが、素材によっては変色や劣化が起きることがある

表は、パナソニック、ソニー、三菱電機、東芝ライフスタイルと、一般社団法人 電池工業会の案内をまとめたものです。

手や皮膚に付いたとき

パナソニックは、液が目や皮膚に付いたら、こすらずにすぐ大量のきれいな水で洗い流し、できるだけ早く医師の診断を受けるよう案内しています。電池工業会も、もれた液が皮膚や衣服に付いたら、きれいな水で洗い流すよう呼びかけています。液の付いた手で顔や目を触らないよう、袖をまくってから流水を当てて流し落とします。

目に入ったとき

三菱電機はアルカリ乾電池の注意書きで、アルカリ液が目に入ると失明など障害のおそれがあるとして、こすらずにすぐ多量のきれいな水で充分に洗ったあと、医師の治療を受けるよう書いています。洗ったあとに痛みが引いても、そのまま様子を見ずに医師の診察を受けてください。

酢などで中和はしない

酢やレモン汁で中和するという話も見かけますが、今回確認したメーカー各社と電池工業会の案内はどれも「きれいな水で洗い流す」で、中和する方法は書かれていません。肌や目は、案内どおり水で洗い流してください。

洗面台の流水で、手を洗い流しているところ

アルカリ乾電池とマンガン乾電池で、液の性質が違う

家庭でよく使うアルカリ乾電池とマンガン乾電池は、中の電解液の性質が違います。

種類 電解液の主な成分と性質 型番の表し方(単3形の例)
アルカリ乾電池 水酸化カリウムが主成分の、強いアルカリ性の水溶液 「LR6」のように、LRで始まる
マンガン乾電池 塩化亜鉛が主成分の、弱い酸性の水溶液(塩化アンモニウムの水溶液を使う型もある) 「R6」のように、Rだけで始まる

成分と性質はパナソニックのよくある質問と電池工業会の説明によるものです。電池工業会は、アルカリ乾電池は強いアルカリ性の液体を使っているので、肌にふれると化学やけどをするおそれがあり大変危険だとしています。三菱電機の注意書きでも、アルカリ乾電池の液は「失明など障害のおそれ」「皮膚に障害を起こすおそれ」と、マンガン乾電池より強い言葉で書かれています。

ただし、マンガン乾電池なら触っても平気というわけではありません。パナソニックは、マンガン乾電池の液が目に入った場合も、こすらずにすぐ大量の水で洗い流し、医師の診断を受けるよう案内しています。付いたときにすることは同じです。

どちらの電池かを確かめる

電池の本体には、種類の表示と型番が書かれています。電池工業会の説明では、型番のLはアルカリ乾電池を表し、マンガン乾電池は形の記号(円筒形はR)だけで表します。液で表示が読めないときや、もう捨ててしまって分からないときは、より強い注意が要るアルカリ乾電池として扱ってください。

白い粉がこびりついた乾電池1本を、キッチンペーパーの上に置いたところ

液漏れした機器の端子と床の掃除方法

掃除は、手や目を洗い終えてから始めます。パナソニックは、ビニール手袋で白い粉が皮膚に付かないようにし、保護用の眼鏡で目に入らないようにするよう勧めています。眼鏡がなければ、顔を近づけすぎずに作業します。用意するものは次のとおりです。

  • ビニール手袋など、防水性の手袋
  • 保護用の眼鏡(あれば)
  • ティッシュペーパーやウエス(使い古しの布)
  • 綿棒と、少量の水
  • 口を閉じられるビニール袋

掃除の手順

  1. 手袋と眼鏡をつけて、電池を取り出す。取り出した電池は、すぐにビニール袋へ入れます。固くて外れないときは、ドライバーなどでこじらずに、機器メーカーや販売店に相談します。
  2. 白い粉を、飛び散らないように取り除く。ティッシュやウエスで包むようにして取ります。息を吹きかけたり、ブラシで払ったりはしません。
  3. 水で湿らせた綿棒で、端子とばねを拭く。綿棒の先を水で湿らせ、端子やばねに残った粉や液を拭き取ります。水が機器の中へ流れ込まないよう、湿らせるのは先だけにします。
  4. よく乾かす。電池ぶたを開けたまま、水気がすっかりなくなるまで置いておきます。
  5. 新しい電池で動作を確かめ、手を洗う。乾いたら新しい電池を入れて、動くかどうかを試します。終わったら手袋を外し、手を水で洗います。

手順はパナソニックの案内に沿っています。液漏れした電池は、拭いてきれいに見えても使わないでください。

床や家具に垂れたとき

パナソニックは、家具や床に付いた液はティッシュペーパーやウエットティッシュでよく拭き取り、そのあと水を多く含んだ雑巾や、湿らせたたくさんのティッシュで何度も拭くと取れる場合がある、としています。拭いている途中で手に付いたら、すぐに大量の水で洗い流します。畳など素材によっては、表面が変色することがあります。

掃除しても動かないとき

パナソニックは、機器の中に液が流れ込んでいる場合があるとして、機器メーカーや販売店への相談を勧めています。アルカリ液が機器の内部に入ってしまった場合は、清掃できないとも書いています。ねじを外して中を拭くような分解はせず、取扱説明書の問い合わせ先に連絡してください。パナソニックは自社の乾電池が液漏れしたときの相談窓口を案内していて、電池と機器の状況を確認したうえで対応するとしています。

液漏れした電池の捨て方

使い終わった乾電池は、プラスとマイナスの端子にセロハンテープやビニールテープを貼って絶縁してから捨てるのが基本です(電池工業会)。ただ、液漏れした電池はテープを貼りにくいため、パナソニックはビニール袋に入れて捨てるよう案内しています。袋に入れるときも、防水性の手袋を使います。

電池工業会によると、乾電池は一般廃棄物として市町村が処理し、不燃物、資源ごみ、有害物などの区分は市町村ごとに決めています。袋のまま出してよいか、どの日に出すかも含めて、お住まいの自治体の分別表やホームページで確かめてください。

掃除に使う手袋、綿棒、水を入れた小皿、ティッシュをテーブルに並べたところ

よくある質問

Q. 触ったけれど、痛くも赤くもありません。それでも医師に診てもらうべき?

A. 症状は遅れて出ることがあります。ソニーは、付いたときに異常がなくても、液の化学変化によって時間がたってから症状が出ることがあるとしています。パナソニックは、目や皮膚に付いたら洗い流したうえで、できるだけ早く医師の診断を受けるよう勧めています。迷ったら受診し、目に入ったときは痛みがなくても医師の診察を受けてください。

Q. 子どもが液をなめてしまったら?

A. 東芝ライフスタイルは、きれいな水でうがいを充分にするよう、三菱電機は、すぐにうがいをして医師に相談するよう案内しています。電池そのものを飲み込んだときは、すぐに医師に相談してください(電池工業会)。

Q. 端子のサビは、紙やすりや酢で落としてもいい?

A. 今回確認したメーカーと電池工業会の案内に載っているのは、ティッシュやウエスで粉を取り、水で湿らせた綿棒で拭く方法までです。削る、酢などで溶かすといった方法は書かれていません。拭いても落ちない、動かないときは、機器メーカーに相談してください。

Q. 次に液漏れさせないためには?

A. 電池工業会によると、乾電池のトラブルの原因は「過放電」が多くを占めます。機器が動かなくなったまま電池を入れっぱなしにして、放電が進みすぎた状態です。次の点を守ると防ぎやすくなります。

  • 使い切った電池は、早めに取り出して捨てる
  • 長く使わない機器からは、電池を抜いておく
  • 交換は全部まとめて行い、新しい電池と古い電池、種類や銘柄の違う電池を混ぜない
  • プラスとマイナスの向きを、機器の表示どおりに入れる
  • リモコンや時計などスイッチのない機器は、動きが鈍くなったら早めに替える(電池工業会はリモコンについて、半年に1回の点検と1年に1回の交換を勧めています)
  • 買い置きは直射日光と高温多湿を避け、鍵や硬貨などの金属と分けておく(パナソニックは保管温度を10〜25℃とし、結露でサビの原因になるため冷蔵庫には入れないよう案内しています)
引き出しの中に置いた、乾電池を入れる透明な保管ケース

まとめ

乾電池の液や白い粉を触ったら、こすらずに、すぐ大量のきれいな水で洗い流します。目に入ったときは洗ってから医師の診察を受け、皮膚に付いたときも早めに医師に相談します。

  • アルカリ乾電池の液は強いアルカリ性。マンガン乾電池の液も同じように洗い流す
  • 掃除は手袋と保護用の眼鏡をつけ、粉をティッシュで取り、水で湿らせた綿棒で拭いて、よく乾かす
  • 機器の中に液が入っていそうなら、分解せずにメーカーや販売店へ相談する
  • 液漏れした電池は使わず、ビニール袋に入れて、自治体の区分に従って捨てる
液漏れした乾電池を1本入れて、口を閉じた透明なビニール袋

家にあるリモコンや時計、懐中電灯の電池ぶたを開けて、使い切った電池が入りっぱなしになっていないか、今日のうちに確かめてみてください。

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