メダカは寒さに比較的強い魚で、水が底まで凍らなければ、屋外の鉢や睡蓮鉢でも冬を越せることが多いものです。押さえたい点は3つあります。餌は水温が下がるにつれて減らし、冷え込む時期は与えない。水換えは冷え込む前に済ませ、冬は減った分の足し水だけにする。そして、深さのある容器と置き場所、ふたの工夫で凍結を防ぐことです。この記事では、メダカを屋外で冬越しさせるときの餌と水換えの目安を、水温ごとの考え方や凍った朝の対処、室内に移したほうがよい地域の見分け方まで順に紹介します。
寒くなる前に整えたい、鉢の深さと置き場所
冬のメダカは、水温が下がるにつれて動きが鈍くなり、やがて水底の近くでじっと過ごすようになります。冬眠に近い状態で、ほとんど泳がず、餌もあまり食べません。この時期を乗り切れるかどうかは、秋のうちの準備に左右されます。
準備の最初に、鉢へ水温計を1本入れておくと、この先の餌や水換えを判断しやすくなります。見るのは気温ではなく水温です。晴れた昼でも水は気温ほど温まらず、朝晩の冷え込みも少し遅れて伝わります。
屋外で越せるかは、地域と容器で決まる
水面に薄い氷が張る程度の地域なら、屋外のまま冬を越せることが多いとされています。一方、北海道や東北の内陸、山間部のように水が厚く凍る地域や、これまでに底まで凍ったことがある容器では、屋外での冬越しは難しくなります。
その場合は、玄関や廊下など、暖房の入らない明るい場所へ容器ごと移すのが安全です。暖房の効いた部屋に入れると水温が上がってメダカが動き出し、餌も水換えも必要な普段の飼い方に戻ってしまいます。大きな鉢は重いので、メダカを鉢の水ごと小さめの容器に移して運び、水温を急に変えないようにします。
容器は深く、水の量は多めに
水の量が多く、深さのある容器ほど水温の変化がゆるやかで、底まで凍りにくくなります。水深は20〜30cmほどあると安心、と言われることが多く、浅く広いプラ舟や小さな鉢は、そのぶん冷えやすいと考えておきます。
- 睡蓮鉢・陶器の鉢:厚みがあり、水温が急に変わりにくい。冬越しに使いやすい
- 発泡スチロールの箱:保温性が高い。見た目より冬越しを優先するなら有力な選択肢
- 浅いプラ舟・小さな鉢:冷えやすく凍りやすい。冬だけ深い容器に移すか、周りを断熱材で囲う
容器の外側をプチプチ(気泡緩衝材)で巻く、ひと回り大きな発泡スチロールの箱に鉢ごと入れる、といった工夫でも冷え込みをやわらげられます。
置き場所は日当たりと風よけで選ぶ
- 冬でも日が当たる南向きの場所に置き、昼のうちに少しでも水を温める
- 北風が直接当たらない壁際や軒下を選ぶ。軒下なら雨や雪が入りすぎるのも防げる
- コンクリートの床に直に置かず、板やすのこを1枚敷いて底冷えを避ける
- 暖房運転中のエアコン室外機の前は、冷たい風が吹き出すので避ける

水草は残し、枯れた葉は片付ける
アナカリスのような寒さに比較的強い水草を残しておくと、メダカが潜り込める隠れ家になります。落ち葉を少し沈めておく方法もありますが、入れすぎると傷んで水を汚すので、ひとつかみ程度にとどめます。反対に、寒さで枯れてきたホテイアオイや睡蓮の枯れた葉は、水の中で腐る前に取り除いておきます。
秋に生まれたばかりの小さな稚魚や弱っている個体は、屋外の冬を越す体力が足りないことがあります。心配なものだけ室内に移すのも一つの方法です。庭のほかの鉢もまとめて片付けるなら、「庭の冬支度で植木鉢を片付ける手順|霜の前に済ませる5ステップ、古い土と空き鉢の始末まで」も参考にしてください。
冬の餌は水温を見て減らし、冷え込んだら与えない
水温が下がると、メダカは消化も遅くなります。食べ残しは底に沈んで腐り、水を汚します。冬は水換えがしにくい時期なので、あげなさすぎよりあげすぎのほうが困りやすい、と考えておくと判断を誤りにくくなります。
水温ごとの目安は次のとおりです。飼育書や専門店の案内でよく見かける幅で、品種や体の大きさ、地域によっても変わるので、メダカの食べ方を見ながら加減してください。
| 水温の目安 | 餌の与え方 | メダカの様子 |
|---|---|---|
| 20℃前後〜15℃(秋) | 普段どおり、数分で食べきれる量を与える | 冬に向けて体力をつけたい時期 |
| 15℃前後を下回るころ | 量と回数を減らし、1日1回少なめに | 食いつきが落ちてくる |
| 10℃前後 | ほぼ控える。暖かい日の昼に少しだけ | 底にいる時間が長くなる |
| 5℃前後より下 | 与えない | 底でじっとして、ほとんど動かない |
秋のうちにしっかり食べさせる
冬のあいだは、秋までに蓄えた体力で過ごします。水温が20℃前後から15℃くらいの時期は、食べ残しが出ない範囲で普段どおりに与えて、体力をつけておきます。まだ食べる時期に早々と餌を減らすと、冬を越す体力が足りなくなるおそれがあります。
冬に暖かい日があったら
冬でも、よく晴れて風のない日の昼には水温が少し上がり、メダカが水面の近くに上がってくることがあります。そうしたときは、すぐに食べきれるごく少量だけ与えます。食べ残しが浮いていたら、網やスポイトで取り除いておきます。上がってこない日や口をつけない日は、無理に与えなくてかまいません。
餌は普段のものを指先で細かく砕き、ひとつまみより少ない量で十分です。消化のよい冬向けの餌も市販されていますが、冷え込んだ時期に与えないのは同じです。

冬の水換えは控えて足し水に、凍る夜はふたで守る
冷え込んだ時期の水換えは、メダカにとって負担になります。水温が急に変わるうえ、網ですくったり水をかき回したりすると、底でじっとしているメダカを驚かせて体力を使わせてしまいます。水換えは冷え込む前に済ませ、冬は足し水に切り替えます。
最後の水換えは冷え込む前に
本格的に寒くなる前、水温がまだ15℃前後あるうちに、冬前の手入れを済ませておきます。時期は地域によって違うので、カレンダーより水温計を目安にしてください。
- 底にたまった食べ残しやフンを、スポイトや細いホースで軽く吸い出す
- 水を3分の1ほど入れ替える。新しい水はカルキを抜き、鉢の水温に近づけてから入れる
- 枯れた水草や葉を取り除く
底の汚れを全部きれいにしないのは、水をきれいに保つ微生物まで減らさないためです。水がうっすら緑がかった「青水」になっている程度なら、無理に透明にしなくてかまいません。
冬は減った分だけ足し水する
冬は夏ほど蒸発しませんが、乾いた風で少しずつ水位が下がります。減った分は、カルキを抜いた水を静かに注いで足します。くみ置きの水を日なたに置き、鉢の水温に近づけておくと、急な温度差を避けられます。注ぐときは底に向けて勢いよく入れず、容器の内側の壁や水草に当てるようにします。
反対に、雨や雪で水があふれると、メダカが流れ出てしまうことがあります。水位は縁から数cm下げておき、雨の多い日は軒下に寄せるか、ふたをして水が入りすぎないようにします。
発泡スチロールのふたは、すき間を空けてのせる
強い冷え込みが予想される夜や寒波の日は、鉢の上に発泡スチロールの板をのせると、水面の冷えや凍結をやわらげられます。ぴったり閉じず、端に指が入るくらいのすき間を残して空気が通るようにします。晴れた昼間は外すかずらして、水に日を当てます。風で飛ばされないよう重しをのせるときは、鉢の中に落ちない位置に置きます。ふたは、鳥や猫からメダカを守る役にも立ちます。

よくある質問
冬にメダカが底で動かないけれど、大丈夫?
水温が低い時期は、水底でじっとしているのが普通の姿です。生きているか確かめたくて網ですくったり、鉢をたたいたりすると、かえって体力を使わせてしまいます。晴れた昼に少し向きを変える、ゆっくりひれを動かす、といった様子が見えれば十分です。
水面が凍ったら、割ったほうがいい?
割らずに、自然に溶けるのを待つのが基本です。水面が薄く凍っても、下の水が凍っていなければ、メダカは氷の下でじっと過ごしています。たたいた振動や割れた氷のかけらは、メダカを驚かせてしまいます。お湯を注いで溶かすのも、急な温度変化になるので避けます。毎朝のように厚く凍る、底まで凍りそうという場合は、ふたで冷え込みをやわらげるか、暖房のない室内へ移すことを考えます。

冬に水が汚れてきたら、どうすればいい?
においが強い、白く濁る、死んだメダカが見つかった、といったときは、そのままにしないほうが安心です。暖かい日の昼を選び、汚れや死んだ個体を取り除いたうえで、水温を合わせた水を少しだけ入れ替えます。一度に多く替えず、生きているメダカはできるだけすくわずに作業します。
春はいつから餌と水換えを再開する?
水温が上がり、メダカが水面の近くを泳ぐ日が増えてきたら、少量の餌から再開します。水温が10℃を超える日が続くころから少しずつ与え、15℃前後になったら普段の量に近づけていく、というのがひとつの目安です。食べ方を見ながら増やし、水換えも少量から始めます。
まとめ
- 屋外で越せるかは地域と容器で決まる。水が底まで凍るなら、暖房のない室内へ移す
- 容器は深く、水は多め。日当たりがよく北風の当たらない場所に、地面から浮かせて置く
- 餌は秋にしっかり与え、水温が下がるにつれて減らし、冷え込んだら与えない
- 水換えは冷え込む前に済ませ、冬は足し水だけ。雨であふれないよう水位を下げておく
- 寒い夜は発泡スチロールの板をすき間を空けてのせ、氷は割らずに溶けるのを待つ
メダカを屋外で冬越しさせるときの餌と水換えは、どちらも「減らす」「控える」が基本です。手をかけすぎず、水温計を見ながら静かに春を待つのが、いちばんの手助けになります。

まずは今の鉢の深さと置き場所を確かめ、水温計を入れて、冷え込む前に最後の水換えを済ませておきましょう。
