自転車のチェーンが外れたときの直し方|ギア付きとチェーンケース付きの戻し方、指を挟まない注意点

自転車のチェーンが外れたときの直し方のイメージ画像 トラブル解決

自転車のチェーンが外れても、多くの場合は工具を使わずに戻せます。安全な場所に止めて手袋をはめ、先に後ろのギアへ、最後に前のギアの歯へ数コマだけ掛けてから、ペダルを手でゆっくり回すのが基本の流れです。ただし、変速ギアがむき出しの自転車と、チェーンケースで覆われたシティサイクルでは、手の届く場所も気をつける点も違います。この記事では、種類ごとの戻し方と、ギアとチェーンの間に指を挟まないための注意、何度も外れるときやケースの分解が要るときに自転車店へ任せる目安をまとめます。

外れたらまず安全な場所に止めて、自転車の種類と外れた位置を見る

走っている途中でペダルが急に軽くなって空回りしたら、チェーンが外れているサインです。こぎ続けたり、走りながら変速を繰り返して戻そうとしたりせず、まず自転車を降りましょう。車道や人通りの多い歩道の真ん中で作業するのは危ないので、押して歩き、車も人も通らない平らな場所まで移動します。

触る前に、次の3つを確かめます。

  • 車輪とペダルが完全に止まっているか:回っている途中のチェーンやギアには手を出さない。止まってから触ります
  • 手を守るものがあるか:チェーンは油で黒く汚れているうえ、ギアの歯は薄くて硬く、指を切ることもあります。使い捨てのゴム手袋がなければ、レジ袋などのビニール袋を手にかぶせるだけでもかなり違います。布の軍手は糸が歯に引っかかりやすいので、手にぴったり合う手袋のほうが扱いやすいです
  • 電動アシスト自転車なら電源を切ったか:ペダルを動かす前に、必ず電源を切っておきます

次に、自転車の種類を見分けます。

種類 見分け方 自分で戻しやすいか
ギア付き(外装変速) 後輪の横に歯車が何枚も重なり、その下に変速機がぶら下がっている チェーンがむき出しなので戻しやすい
シティサイクル(ハーフケース) チェーンの上側だけがカバーで覆われている 下側から手が届くので、戻せることが多い
シティサイクル(フルケース) チェーン全体がケースに包まれていて見えない ケースを分解しないと届かないことが多い

あわせて、どこで外れているかも見ておきます。前のギアの内側(フレーム側)に落ちたのか、外側か、それとも後ろの歯車から外れているのか。チェーンがフレームとギアの間にきつく挟まって動かないときは、力まかせに引っぱるとチェーンやフレームを傷めます。無理に抜こうとせず、自転車店に持ち込みましょう。

平らな場所でスタンドを立てた、チェーンケース付きのシティサイクル

前のギアに数コマ掛けて、ペダルを手で回して戻す

どの自転車でも、基本の考え方は同じです。先に後ろのギアにチェーンを掛け、最後に前のギアの歯に数コマだけ噛ませてから、ペダルを手でゆっくり回して残りを乗せていきます。前のギアに一周ぐるりと掛けようとすると、チェーンが張ってしまって届きません。

いちばん大事なのは、チェーンを掛ける手と、ペダルを回す手を同時に動かさないことです。チェーンを押さえたままペダルを回すと、チェーンが歯に入り込んでいく部分に指が引き込まれます。掛けたらチェーンから手を離し、ペダル本体だけを持って回してください。うまく乗らなければ、いったん止めて掛け直します。

ギア付き(外装変速)の自転車

  1. 後ろの変速機(後輪の下にぶら下がっている部品)を、指で前のほうへ軽く押す。チェーンがゆるんで動かしやすくなります
  2. 後ろの歯車の外側に外れているときは、ゆるめたまま、いちばん小さい歯車に先に掛ける。前だけ外れたなら、この手順は飛ばします
  3. 前のギアの上側の歯に、チェーンを数コマ掛ける。ギアが2〜3枚ある場合は、前の変速機(ギアの上でチェーンを挟んでいる部品)の真下にあるギアに掛けます
  4. チェーンから手を離し、サドルを持ち上げるなどして後輪を浮かせ、ペダルを手で前向きにゆっくり回す。掛けたコマが歯に乗り、残りが自然に引き込まれていきます

後ろのいちばん大きい歯車と車輪のスポークの間に落ち込んでいるときは、引っぱるとスポークを傷めることがあります。軽く引いても抜けなければ、そのまま自転車店へ持っていきましょう。

外装変速機付き自転車の駆動部(前のギア・チェーン・後ろの歯車と変速機)

チェーンケース付きのシティサイクル

変速なし、または後輪の中に変速機が入っている内装変速のシティサイクルは、前も後ろもギアが1枚ずつなので、手順はシンプルです。

  1. スタンドを立てる。後輪の両側を支える形のスタンドなら、後輪が地面から浮きます
  2. ケースのすき間(ハーフケースなら下側)から、チェーンが後ろのギアに掛かっているかを見る。外れていれば、先に後ろへ掛けます
  3. 前のギアの、手の届く側の歯にチェーンを数コマ掛ける(ハーフケースなら下側)
  4. チェーンから手を離し、ペダルを手でゆっくり回す。下側に掛けたなら後ろ向き、上側に掛けたなら前向き(後輪を浮かせて)に回すと、掛けた部分がギアの前側を回って巻き込まれていきます

フルケースの場合、後ろの丸いカバーや前側の小窓など、手で外せる部分がある車種もあります。手で外せる範囲で作業し、ねじを外してケースを分解しないと届かないときは、自転車店に任せましょう。組み戻すときに位置がずれると、異音やまた外れる原因になります。

戻せたら、後輪を浮かせたままペダルを何周か回し、異音がないか、チェーンが歯からずれていないかを見ます。ギア付きは全部の段に変速できるか、どの自転車もブレーキがきちんと効くかを確かめてから、少し押して歩き、短い距離をゆっくり走ってみてください。

何度も外れるときの原因と、自転車店に任せる目安

一度戻しても、しばらくしてまた外れるなら、どこかに原因があります。家でできるのは原因の見当をつけるところまでで、調整や部品の交換は自転車店に任せるのが安全です。

考えられる原因 見え方・症状 対応
チェーンのたるみ 下側のチェーンが垂れ下がり、指で押すと大きく上下する 張りの調整(主にシティサイクル)
チェーンの伸び・摩耗 長く乗っている、サビている、ギアの歯の先がとがって見える 店で伸びを測ってもらい、必要ならチェーンやギアを交換
後輪のずれ 後輪が斜めに付いている、車軸のナットがゆるんでいる 店で取り付け直し
変速機の調整ずれ・曲がり 特定のギアでだけ外れる、倒したあとから外れるようになった 店で調整・点検
ギアの曲がり・歯の欠け 回すとギアが左右に振れる、歯が欠けている 部品の交換

チェーンの張りを直す作業は、概要だけ知っておく

変速なしや内装変速のシティサイクルで、たるみが原因のときは、後輪の車軸を留めているナットをゆるめ、車輪を少し後ろへ引いてチェーンを張り、車輪がまっすぐになるよう位置を合わせてから締め直す、という作業で直します。後輪の左右に「チェーン引き」という調整用の部品が付いていることが多く、これで少しずつ引きます。

ただ、この作業は工具が要るうえ、車輪が斜めに付いたままだったり、ナットの締め付けが足りなかったりすると、走行中のトラブルにつながります。ブレーキや変速のワイヤー、チェーンケースが関わる車種も多く、張りすぎてもペダルが重くなります。自信がなければ、自転車店に任せてください。

上側だけを覆うハーフケースのシティサイクルの駆動部(真横から)

よくある質問

チェーンが外れたまま押して帰っても大丈夫?

押して歩くぶんには、たいてい問題ありません。ペダルをこいでも進まないので、乗らずに押しましょう。垂れたチェーンが車輪やペダルに絡まないか、ときどき見ながらゆっくり進みます。下り坂ではブレーキを握りながら歩いてください。店が遠ければ、地域によっては出張修理を受けている自転車店もあります。

手についた黒い油汚れはどう落とす?

いきなり水で洗うより、先にティッシュやペーパーで油をできるだけ拭き取り、それから石けんやハンドソープをよく泡立てて洗うと落ちやすくなります。メイク落とし用のクレンジングオイルをなじませてから洗う方法もあります。爪の間に入った汚れはブラシでこすります。何度も洗うと手が荒れやすいので、洗ったあとは保湿を。乾燥する季節の手のケアは「秋に始まる手荒れの予防と保湿|ひび割れる前に整える洗い方と塗り方」も参考になります。

洗面台に置いた石けんと爪ブラシ、黒い油汚れを拭き取ったペーパー

チェーンに油を差せば外れにくくなる?

油はチェーンの動きをなめらかにして、サビや異音を防ぐためのものです。たるみや伸び、変速機のずれといった外れる原因そのものは直りません。ただ、サビて動きの悪いチェーンは、ギアにうまく乗らずに外れやすくなることもあります。差すなら自転車用のチェーンオイルを使い、余分はしっかり拭き取ります。ブレーキやタイヤ、車輪の縁に付くとブレーキが効きにくくなるので、かからないよう気をつけてください。

電動アシスト自転車でも同じやり方でいい?

考え方は同じですが、作業の前に必ず電源を切ってください。電動アシスト自転車はケースやモーターまわりのつくりが車種ごとに違い、ケースを外さないと届かないものも少なくないので、買った店か自転車店に相談するのが安心です。チェーンではなくベルトで動く車種は、この方法の対象外です。取扱説明書の案内も確認しましょう。

まとめ

チェーンが外れても、慌てて手を出さなければ、多くは自分で戻せます。自転車のチェーンが外れたときの直し方を、もう一度おさらいします。

  • 走りながら直そうとせず、安全な場所に止め、車輪とペダルが止まってから触る
  • ゴム手袋かビニール袋で手を守り、チェーンが歯に入り込む部分に指を近づけない
  • 後ろのギアに掛けてから前のギアの歯に数コマ噛ませ、手を離してペダルをゆっくり回す
  • フルケースの分解が要る、何度も外れる、チェーンが伸びている、という場合は自転車店へ
  • 後輪のナットをゆるめる張りの調整は工具が要るので、自信がなければ店に任せる

ライトの不調など、ほかの自転車のトラブルを確かめたいときは「自転車のオートライトがつかない原因|センサー・端子・配線を順に確かめる手順と、自転車店に任せる目安」も参考にしてください。

自転車のかごに入れた、使い捨てのゴム手袋とペーパーの入った袋

まずは自分の自転車が「ギア付き」「ハーフケース」「フルケース」のどれかを確かめ、使い捨てのゴム手袋を1組、かごやバッグに入れておきましょう。

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