鶏ガラで作る水炊きスープの作り方|下ゆでしてから強火で煮立て、白く濁らせる。煮る時間と鶏肉の入れどき

鶏ガラで作る水炊きスープの作り方のイメージ画像 料理・食材保存

水炊きのスープを鶏ガラから作るときのポイントは2つです。下ゆでで血とアクを抜いておくこと、そしてふたをせず強火で2〜3時間煮立て続けること。骨や皮から溶け出したゼラチン質と脂が細かく混ざり合い、博多風の白く濁ったコクのあるスープになります。火を弱めて静かに煮れば、澄んだあっさりしたスープにもできます。この記事では、鶏ガラで作る水炊きスープの作り方を、材料の目安、下処理、煮出し方、うまくいかないときの直し方、鶏肉と具を入れる順番、残ったスープの保存の順に紹介します。

水炊きのスープは、鶏ガラを強火で煮出した白いスープが主役

白く濁ったスープと、澄んだ金色のスープを入れた2つの小鉢

水炊きは、鶏肉をスープで煮て、ポン酢などのたれで食べる鍋料理です。辞典では「もと博多の名物料理」とされ、骨と皮のついた鶏のぶつ切りを煮るのが博多風の特徴と説明されています。由来は中国から伝わったともいわれますが、はっきりしません(コトバンク「水炊き」)。博多風の鍋を満たしているのは、鶏ガラや鶏肉からとった白く濁った濃いスープです。家で作るときも、味の大半はこのスープで決まります。

白く濁るか澄むかは、火加減で決まる

強火でぐらぐら煮立て続けると、骨や皮から溶け出したゼラチン質と脂が細かく混ざり合い、牛乳を薄めたような白いスープになります。弱火で静かに煮ると、脂は混ざらずに浮いたままで、透き通った金色のスープになります。

比べるところ 白く濁ったスープ 澄んだスープ
火加減 ふたをせず、強火でぐらぐら煮立て続ける 表面が小さく揺れる程度の弱火で静かに煮る
見た目 牛乳を薄めたように白く、向こうが見えない 透き通った薄い金色
味わい 鶏のコクが濃く、口に含むととろりとする すっきりしていて、雑味が少ない

この記事では博多風の白いスープを基本にします。途中で火を弱めれば澄んだスープにもできます。

材料の目安(4人分)

材料 分量の目安 メモ
鶏ガラ 2羽分 置いていない店もあるので、精肉店で聞くと確実。冷凍品でもよい
手羽先 4〜6本(なくてもよい) 皮と骨が多く、コクととろみを足せる
水 3L前後 湯を足しながら煮て、1.5Lほど残す
長ねぎの青い部分、しょうがの薄切り 1本分、2〜3枚 においが気になるときに。入れなくても作れる
骨付き鶏もも肉(ぶつ切り) 600〜800g 「水炊き用」として売られているもの。骨なしのもも肉でもよい
塩 少々 スープを味わうときに

具の野菜や豆腐は後半で紹介します。こすためのざるとキッチンペーパーも用意しておきます。

鶏ガラの下処理と、白く濁らせる煮出し方

ふたを外した寸胴鍋で、白く濁ったスープが強火で煮立っている様子

下処理:血と内臓の残りを取り、一度ゆでこぼす

くさみの元になるのは、骨のくぼみに残った血の塊や内臓のかけらです。残したまま煮ると、スープが灰色がかって、においも残ります。

  1. 鶏ガラに流水を当てながら洗い、背骨の内側のくぼみにある赤黒い塊(腎臓など内臓の残り)や血の塊を、指や竹串でかき出す
  2. 黄色い脂のかたまりが大きくついていれば、キッチンばさみで切り取る。脂は白く濁らせるのに必要なので、全部は取らない
  3. 背骨を包丁の背やキッチンばさみで数か所割る。割った断面からうまみが出やすくなる
  4. たっぷりの湯を沸かして鶏ガラを入れ、再び沸いて表面が白っぽく変わったら(2〜3分が目安)ざるにあげる
  5. 流水で、表面に残ったアクや血をもう一度洗い流す

生の鶏ガラは、生の鶏肉と同じように扱います。厚生労働省は、食肉を扱ったあとは十分に手を洗ってから他の食品に触れること、食肉に触れた調理器具は使用後に洗浄・殺菌することを呼びかけています(カンピロバクター食中毒予防について(Q&A))。鶏ガラを洗ったシンクのまわりに、生で使う野菜や薬味を置かないようにしましょう。

煮出し方:ふたをせず、強火で煮立て続ける

  1. 下ゆでした鶏ガラ(あれば手羽先も)と水3Lを鍋に入れ、強火にかける
  2. 沸いてくると灰色のアクが浮くので、最初の10分ほどのあいだにお玉ですくい取る
  3. アクが落ち着いたら、長ねぎの青い部分としょうがを入れる
  4. ふたをせず、表面全体がぐらぐらと大きく泡立つ火加減を保つ。鍋やコンロによって、強火か強めの中火かは変わる
  5. 骨が湯から出てきたら、そのつど湯を足す。ときどき鍋底から混ぜて、焦げつかないようにする
  6. 2〜3時間ほど煮て、牛乳を薄めたように白くなり、少し冷まして口に含んだときにとろみを感じたら火を止める
  7. ざるでこし、骨のかけらが気になるときは、キッチンペーパーを敷いたざるでもう一度こす

白く濁らせたいなら、最初のアク取りのあとは浮いてくる脂をすくいすぎないことです。白さは脂とゼラチン質が混ざってできるので、脂を取るほど色も味も薄くなります。澄んだスープにしたいときは、アクを取ったら弱火に落とし、ふたを少しずらして静かに煮ます。時間は鶏ガラの量や火の強さで前後するので、色とコクを見て決めてください。

うまくいかないときの直し方

起きたこと 考えられる原因 直し方
いつまでも白く濁らない 火が弱い、ふたをしている、鶏ガラが少ない ふたを外して強火に戻し、表面がぐらぐら泡立つ状態でさらに煮る。手羽先を足すのも手
灰色っぽく、くさみがある 血や内臓の残りが多かった、下ゆでを省いた 長ねぎとしょうがを足して煮る。次に作るときは下処理をていねいに
鍋底が焦げついた 水が減った、混ぜていなかった 焦げをこそげ落とさず、上のスープだけを別の鍋に移して続きを煮る

鶏肉の入れどきと、具材・薬味の合わせ方

大皿に盛った、白菜・長ねぎ・春菊・しいたけ・えのき・豆腐

骨付きの鶏肉は、こしたスープで先に煮る

スープを土鍋に移し、骨付きの鶏もも肉を入れて中火にかけます。ここで煮立て続けると肉が締まってかたくなるので、沸いたら表面がふつふつする程度に火を弱めます。骨付きのぶつ切りなら20〜30分、骨なしのもも肉を一口大に切ったものなら10分ほどが目安です。

鶏肉は、中心までしっかり火を通すことが欠かせません。厚生労働省は、食肉は中心部を75℃以上で1分間以上加熱するよう示しています(カンピロバクター食中毒予防について(Q&A))。いちばん大きい一切れを取り出して骨に沿って切り、中まで白く、ピンク色の部分や赤い肉汁が残っていないかを確かめてください。生っぽければ鍋に戻して、さらに数分煮ます。

鶏団子を加えるなら、生地の作り方は「鶏団子をふわふわにするつなぎと作り方|豆腐と片栗粉の分量、かたくならない混ぜ方と煮方」で紹介しています。団子は、骨付きの鶏肉にある程度火が通ってから落とし入れます。

食べはじめは、スープだけを味わう

辞典でも紹介されているのが、まずスープだけを味わい、次に鶏肉を煮て食べ、そのあとほかの具を入れるという順番です。湯のみにスープをとって、塩をひとつまみと刻みねぎを入れて飲むと、出来がよく分かります。何時間も煮た手間がいちばん報われる一杯です。

具材は、火の通りにくいものから

具材 入れどき メモ
白菜やキャベツの芯 鶏肉が煮えたら最初に そぎ切りにすると早く火が通る
しいたけ、えのき 芯と一緒に きのこのうまみもスープに移る
豆腐、長ねぎ 中ほどで 豆腐は煮すぎると、すが入ってかたくなる
白菜やキャベツの葉 後半に しんなりしたら食べごろ
春菊、水菜 食べる直前に さっとくぐらせる程度で引き上げる

一度に全部入れるとスープの温度が下がり、煮えむらが出ます。食べる分ずつ足していきましょう。ほかの鍋にも使える考え方は「鍋の具材を入れる順番と火の通り方|根菜とだしの出る具が先、葉物と薄切り肉は食べる直前に」にまとめています。

ポン酢と薬味は、取り皿で合わせる

スープにはほとんど味をつけていないので、取り分けてからポン酢で食べます。薬味は大根おろしや刻みねぎが定番で、ゆずこしょうを添えると辛みと香りが加わります。ポン酢を鍋に入れると締めの雑炊まで味が決まってしまうので、取り皿で合わせます。薬味のねぎは、生の鶏肉を切ったまな板や包丁とは別にして切りましょう。

よくある質問

浅い保存容器に小分けした、白く濁ったスープ

手羽先だけでもスープは作れますか?

作れます。手羽先は皮と骨が多く、煮るとゼラチン質がよく出るので、鶏ガラが手に入らないときの代わりになります。8〜10本ほどを、鶏ガラと同じように下ゆでしてから強火で煮立てると、だんだん白く濁ってきます。煮たあとの身は骨から外してスープに戻すか、ポン酢で食べれば無駄になりません。

顆粒の鶏ガラスープの素で代用できますか?

手早く作りたいときは代用できます。ただ、顆粒を湯で溶いたスープは澄んだ味になり、白く濁ったスープのとろみやコクは出ません。塩分も含むので、ポン酢をつけることを考えて表示より少なめに溶き、手羽元や手羽先を一緒に煮ると、鶏の味をいくらか補えます。

残ったスープは保存できますか?

できますが、冷まし方に気をつけます。厚生労働省の家庭でできる食中毒予防の6つのポイントでは、残った食品は早く冷えるように浅い容器に小分けして保存し、温め直すときも十分に加熱する(めやすは75℃以上)よう示されています。鍋のまま室温に一晩置かず、食べ終わったら小分けして冷蔵庫へ入れましょう。冷蔵したものは翌日のうちに使い切るつもりで、それより先に使うなら最初から冷凍に回すと安心です。冷えてぷるぷると固まるのは骨から出たゼラチン質のためで、温めれば元に戻ります。翌日の雑炊やうどんへの使い方は「鍋の残りスープを翌日にリメイクする方法|安全な冷まし方と雑炊・うどん・リゾットの作り分け」で紹介しています。

まとめ

湯のみに注いだ白いスープと、刻みねぎ・塩

鶏ガラで作る水炊きスープの作り方を、順に振り返ります。

  • 鶏ガラは血と内臓の残りを取り、熱湯で2〜3分下ゆでしてから洗う
  • 水3Lで強火にかけ、最初のアクを取ったら、ふたをせずにぐらぐら煮立て続ける。脂はすくいすぎない
  • 湯を足しながら2〜3時間を目安に煮て、白くとろみのあるスープにする。澄ませたいなら弱火で静かに煮る
  • 骨付きの鶏肉はこしたスープで20〜30分煮て、いちばん大きい一切れを切って中まで火が通ったかを確かめる
  • まずスープだけを味わい、具は火の通りにくいものから。残ったスープは小分けして早めに冷やす

はじめてなら、鶏ガラ2羽分に手羽先を数本足して、時間のとれる休日に2時間ほど強火で煮立ててみてください。

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