ほうじ茶は、沸かしたての熱湯を急須に注ぎ、30秒ほど待ってから最後の一滴まで注ぎ切るのが基本です。煎茶と違って湯を冷ます必要はなく、高い温度で一気に香ばしさを引き出します。量の目安は、1人分で茶葉3gほど、湯130mlほどです。待つ時間が長すぎると苦みが出て色も濃くなり、湯がぬるいと香りが立ちません。この記事では、ほうじ茶のおいしい淹れ方を、量と温度・時間の目安、二煎目と失敗したときの直し方、水出しとほうじ茶ラテ、よくある質問の順に紹介します。
ほうじ茶のおいしい淹れ方。基本は熱湯で30秒
ほうじ茶は、煎茶や番茶、茎茶などの緑茶を強い火で焙じて(炒って)作るお茶です。焙じることで茶葉が茶色くなり、香ばしい香りが生まれます。うまみを引き出すために湯を70〜90℃に冷ましてから淹れる煎茶とは違い、ほうじ茶は湯ざましをせず、熱湯で香りを一気に立たせます。
量・温度・時間の目安
| 項目 | 目安 | ポイント |
|---|---|---|
| 茶葉の量 | 1人分3gほど(5人分で15g) | 煎茶より多め。かさがあるので、大さじなら5人分で多めに2〜3杯 |
| 湯の量 | 1人分130mlほど | 湯のみ1杯分 |
| 湯の温度 | 熱湯 | 沸かしたてを使い、湯ざましはしない |
| 待つ時間 | 30秒ほど | 長く置くと苦みが出て、色も濃くなる |
| 二煎目 | 熱湯を注いですぐ | 三煎目は飲まず、新しい茶葉に替える |
茶どころの県がまとめているお茶の淹れ方の資料でも、ほうじ茶は「5人分で茶葉15gほど、熱湯を注いで30秒ほど」でおおむねそろっています。茶葉の焙じ具合や細かさによって出方は変わるので、パッケージに淹れ方が書いてあれば、そちらを優先してください。
たとえば、茎を焙じたほうじ茶(棒ほうじ茶)は、茶葉10gに熱湯210mlほど、待つ時間は20〜30秒とする茶舗もあります。茶葉が細かいものや、粉が多く混じっているものも早く出るので、初めて買った茶葉は20秒ほどで一度味を見て、物足りなければ次から少しずつ延ばすと、自分の好みの時間が見つかります。
手順(2人分)
- やかんで湯を沸かし、少しだけ急須と湯のみに注いで器を温める。温まったら湯は捨てる
- 急須に茶葉を6gほど入れる。大さじなら多めに1杯が目安
- やかんの湯をもう一度沸騰させ、260mlほどを一気に注いで、ふたをして30秒ほど待つ
- 2つの湯のみに少しずつ交互に注ぎ分ける(廻し注ぎ)。最初に出るお茶は薄く、あとになるほど濃くなるので、こうすると濃さがそろう
- 急須を立てるように傾けて、最後の一滴まで注ぎ切る
器を温めておくのは、冷たい急須や湯のみに注ぐと、そこで湯の温度が下がってしまうからです。最後の一滴まで注ぎ切るのは、急須にお茶が残ると茶葉から成分が出続け、二煎目が苦くなるのを防ぐためです。

電気ポットのお湯で淹れるとき
電気ポットの保温の湯でも淹れられます。保温温度を選べるポットなら、いちばん高い設定にしておきましょう。それでも香りが物足りないときは、待つ時間を少し延ばすか、やかんで沸かし直した湯を使います。香ばしさがいちばん出るのは、沸かしたての熱湯です。
二煎目の淹れ方と、薄い・苦いときの見直し方
二煎目は熱湯を注いですぐ注ぎ分ける
一煎目で茶葉が開いているので、二煎目は熱湯を注いだら、ひと呼吸おく程度ですぐ湯のみに注ぎます。待つ時間は一煎目の3分の1ほど、10秒前後が目安です。一煎目と同じように30秒待つと、出すぎて苦くなります。
茶葉の成分は二煎目でほぼ出きります。三煎目まで淹れると、色はついても香りが抜けた水っぽい味になりやすいので、そこで新しい茶葉に替えたほうがおいしく飲めます。
味がおかしいときの原因と直し方
| 症状 | 考えられる原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 香りが弱い・水っぽい | 湯がぬるい、茶葉が少ない | 沸かしたての熱湯を使い、茶葉を1人分3gほどに増やす |
| 苦い・色が濃すぎる | 待つ時間が長い、茶葉が多すぎる | 30秒で注ぎ切る。茶葉を少し減らす |
| 二煎目だけ苦い | 一煎目のお茶が急須に残っていた | 一煎目を最後の一滴まで注ぎ切る |
| 湯のみごとに濃さが違う | 1杯ずつ順に注いだ | 少しずつ交互に注ぎ分ける |
| 香ばしさが無く、湿ったにおい | 開封後の茶葉が湿気を吸った | よくある質問の「炒り直し」を試す |
水道水のカルキのにおいが気になるときは、やかんのふたを外して数分沸騰を続けると和らぎます。浄水器の水を使ってもかまいません。

水出しとほうじ茶ラテ。温度と時間を変えて楽しむ
水出しは冷蔵庫で一晩
水から時間をかけて出すと、渋みや苦みが出にくく、まろやかな味になります。夏の作り置きにも向いています。
- 水1Lに対して茶葉を8〜10g用意する。お茶パックに入れておくと、あとで取り出すのが楽
- ボトルに茶葉と水を入れ、ふたをして冷蔵庫に入れる
- 一晩置く。数時間でも色は出るので、好みの濃さになったら茶葉を取り出す
浸出は常温ではなく冷蔵庫の中で行い、1日ほどで飲み切るのが安心です。茶葉を入れたままにすると味が変わりやすいので、すぐに飲み切らないときは取り出しておきます。水道水を使うなら、一度沸かして冷ましたものか、浄水器を通したものにしましょう。
水出しのほうじ茶は、熱湯で淹れたものより香ばしさが穏やかで、すっきりした甘みが前に出ます。冷たくても香ばしさをしっかり感じたいときや、すぐに飲みたいときは、茶葉をいつもの倍ほどにして熱湯で濃いめに淹れ、氷をいっぱいに入れたグラスに注ぐ方法もあります。
ほうじ茶ラテは、少量の水で茶葉を開かせてから牛乳を加える
マグカップ1杯分の目安は、茶葉5〜6g(大さじ多めに1杯)、水50ml、牛乳150〜200mlです。
- 小鍋に水を入れて沸かし、茶葉を入れて弱火で1分ほど煮る。先に茶葉を開かせておくと、香りがよく出る
- 牛乳を加えて弱めの中火で温め、鍋の縁に小さな泡が出てきたら火を止める
- ふたをして2〜3分置き、茶こしでこしてカップに注ぐ。茶こしの茶葉はスプーンで軽く押して、汁気を絞る
- 甘みが欲しければ、砂糖を好みの量だけ加える
牛乳は沸騰させると吹きこぼれやすく、表面に膜も張りやすくなります。温めるのは沸騰の手前までにしておきましょう。

よくある質問
ほうじ茶はカフェインが少ないのですか?
苦みが少なく軽い味なので「カフェインが少ない」と思われがちですが、はっきり少ないとは言えません。日本食品標準成分表では、ほうじ茶の浸出液のカフェインは100gあたり0.02g(20mg)で、煎茶と同じ値です。焙じる工程で1割ほど減るという調査もありますが、ゼロにはなりません。茶葉の量や待つ時間によっても、お茶に出る量は変わります。コーヒーの浸出液は100mlあたり60mgほどなので、それよりは少ない、と覚えておくのが実態に近いでしょう。妊娠中や授乳中の人、子どもが飲む場合など、量が気になるときは飲む量を決めておき、心配ならかかりつけの医師に相談してください。
急須がないときは、どうやって淹れればいいですか?
マグカップに茶こしをのせて茶葉を入れ、熱湯を注いで小皿でふたをし、30秒ほど待ってから茶こしを引き上げます。ティーバッグなら、湯の量と時間は袋の表示に従うのが確実です。どちらも、長く浸けたままにすると苦くなるので、時間が来たら取り出します。
淹れたほうじ茶を水筒に入れて持ち歩いてもいいですか?
持ち歩けますが、茶葉は必ずこしてから入れます。茶葉が入ったままだと、時間とともにどんどん濃く、苦くなります。熱いまま保温すると香りは少しずつ抜けていくので、作り置きはその日のうちに飲み切る量にしておきましょう。
茶葉が古くなって香りが弱いときは?
乾いたフライパンに茶葉を入れ、弱火でゆすりながら1〜2分ほど炒ると、香ばしさが戻ることがあります。焦げやすいので火から目を離さず、香りが立ってきたらすぐに火から下ろします。開封した茶葉は袋の口をしっかり閉じるか密閉できる容器に移し、湿気とにおいの強いものを避けて保存します。

まとめ
- 基本は、茶葉1人分3gほど、湯1人分130mlほど、沸かしたての熱湯で30秒
- 急須と湯のみは先に温め、少しずつ交互に注ぎ分けて、最後の一滴まで注ぎ切る
- 二煎目は熱湯を注いですぐ。三煎目は飲まず、新しい茶葉に替える
- 苦いときは時間を短く、香りが弱いときは湯の温度と茶葉の量を見直す
- 水出しは水1Lに茶葉8〜10gで、冷蔵庫で一晩。1日ほどで飲み切る
- ほうじ茶ラテは、少量の水で茶葉を開かせてから牛乳を加え、沸騰の手前で火を止める
ほうじ茶のおいしい淹れ方は、特別な道具がなくても、湯の温度と待つ時間に気をつけるだけで変わります。

次にほうじ茶を淹れるときは、まず湯を沸かしたてにして、30秒で注ぎ切るところから試してみてください。

