冬に車のタイヤの空気圧が下がる目安|気温10℃で約7〜10kPa、点検の頻度と入れ方

冬に車のタイヤの空気圧が下がる目安のイメージ画像 トラブル解決

寒くなってくると、車のタイヤの空気圧は何もしなくても下がっていきます。タイヤの中の空気は冷えると縮むため、気温が10℃下がると約7〜10kPa低くなると言われています。さらに空気はゴムを通って少しずつ抜け、1か月でおよそ5%減るとされています。秋のはじめに合わせたきりだと、真冬には両方が重なって、指定の値をかなり下回っているかもしれません。この記事では、下がり方の目安、指定空気圧の確かめ方、冷えているうちに測る理由、スタンドでの入れ方、冬の点検の頻度を順に紹介します。

気温10℃で約7〜10kPa。寒くなると空気圧が下がるしくみ

冬にタイヤの空気圧が下がる理由は3つあります。中の空気が冷えて縮むこと、季節に関係なく少しずつ抜けていくこと、冬はバルブまわりから漏れやすくなることです。

空気は冷えると縮む

タイヤの中の空気は、温度が下がると縮み、そのぶん空気圧が下がります。JAF Mate Onlineの「冬のクルマ放置は危険? バッテリーとタイヤの守り方」(2026年2月)では、気温が10℃下がると空気圧は約7〜10kPa低下すると言われている、と紹介されています。TOYO TIRESの解説「タイヤの空気圧の確かめ方は?」でも、気温差20℃で約7%変化するとしています。

パンクしていなくても、寒くなっただけで数値は下がります。夏や秋のはじめに合わせた空気圧は、真冬の朝にはそのぶん低く出ます。

何もしなくても1か月で約5%抜ける

もうひとつは、自然に抜けていくぶんです。ダンロップの「タイヤの空気圧について」によると、タイヤの分子構造よりも空気の分子のほうが細かいため、空気はゴムを通って少しずつ抜けていきます。日本自動車タイヤ協会(JATMA)の調べでは、乗用車のタイヤで1か月に5%程度下がるとされ、ブリヂストンやTOYO TIRESの解説もこの数字を挙げています。

冬はバルブから漏れることもある

空気を入れる口(エアバルブ)も、冬は弱点になります。JAF Mate Onlineの同じ記事では、氷雪の影響でバルブの芯にあたる「バルブコア」から空気が漏れやすくなるとして、キャップが確実に閉まっているかも確かめるよう勧めています。ブリヂストン タイヤオンラインストアのコラムも、気温が下がるとエアバルブが緩んで空気圧が下がりやすくなるため、スタッドレスタイヤを履いている期間は点検の回数を増やすよう案内しています。

指定空気圧230kPaの車に当てはめると

たとえば指定空気圧が230kPaの車に、上の目安をそのまま当てはめると次のようになります。あくまで単純な計算で、実際の下がり方はタイヤの種類や使い方によって変わります。

きっかけ 下がる目安 230kPaの車なら
気温が10℃下がる 約7〜10kPa 約220〜223kPa
気温が20℃下がる 約7% 約214kPa
1か月そのままにする 約5% 約219kPa

気温による低下と自然に抜けるぶんは足し合わさります。夏の終わりに合わせたきり点検していなければ、冬の朝には指定の値をかなり下回っていてもおかしくありません。

霜が降りた朝の駐車場に止めた車のタイヤ

指定空気圧の確かめ方と、冷えているうちに測る理由

合わせる値は運転席ドアの開口部に書いてある

空気圧を合わせる基準は、車ごとに決められた「車両指定空気圧」です。多くの車では、運転席のドアを開けたところ(ドアの開口部)に貼られたラベルに書かれています。TOYO TIRESの解説では、見つからなければ給油口の蓋や取扱説明書で確かめるよう案内しています。前輪と後輪で値が違う車もあるので、4本とも同じ数字だと決めつけず、前後それぞれの値を見てください。

走ったあとのタイヤは高めに出る

空気圧は、タイヤが冷えているときに測るのが基本です。走ったあとのタイヤは熱を持ち、中の空気がふくらむので、実際より高い数値が出ます。温まった状態で指定の値ちょうどに合わせると、冷えたときには指定の値を下回ってしまいます。

いちばん確実なのは、出かける前、まだ走っていないうちに測ることです。ガソリンスタンドで点検するなら、TOYO TIRESの解説にあるように、なるべく近くの店を選んでゆっくり走って向かいましょう。

点検の手順

  1. タイヤが冷えていることを確かめ、ラベルで指定空気圧を確認する
  2. エアバルブのキャップを外す。小さな部品なので、なくさないようポケットなどに入れておく
  3. エアゲージの先をバルブにまっすぐ押し当てて、今の空気圧を読む
  4. 足りなければ、指定の値まで空気を補充する
  5. バルブから空気が漏れていないことを確かめて、キャップをしっかり締める

1本だけで終わりにせず、4本とも同じように測ります。

手袋をした手で、エアバルブにキャップを締めているところ

冬の点検は2週間に1回が目安。スタンドでの入れ方と注意点

寒い時期は点検の間隔を詰める

ふだんの点検は、ダンロップが呼びかけているように最低でも月に1回が目安です。冬場について、JAF Mate Onlineの記事は2週間に1回をめどに、給油のついでに点検するよう勧めています。こまめに測っていると、小さな穴からゆっくり空気が抜けていく「スローパンクチャー」にも気づきやすくなるそうです。

1本だけ極端に下がっている、補充してもまたすぐ下がる、というときは、くぎなどが刺さっているかもしれません。そのまま乗り続けず、タイヤ販売店やガソリンスタンドで見てもらいましょう。

ガソリンスタンドでの入れ方

空気の補充は、ガソリンスタンドの空気入れを使うのが手軽です。給油のついでに無料で使える店も多くあります。よく見かける据え置き型の機械は、TOYO TIRESの解説によると次の流れで使います。

  1. 車を機械の近くまで寄せる
  2. ボタン(デジタル式)かダイヤル(ダイヤル式)で、指定空気圧を設定する
  3. エアバルブのキャップを外し、ホースの先をバルブに押し当てる
  4. 自動で調整され、完了の音が鳴ったらキャップを締める

据え置き型は今の空気圧を測ることはできませんが、設定した値まで自動で合わせてくれます。店によって機械の種類が違うので、使い方が分からないときは店のスタッフに声をかけてください。

入れる量は「指定空気圧〜+20kPa」の範囲で

ブリヂストンは、車両指定空気圧を基準に0〜+20kPaの範囲で調整・管理するのがおすすめだとしています。指定が230kPaの車なら、230〜250kPaの間です。冬に下がるからといって、それ以上に多く入れておくのは避けましょう。足りなくても入れすぎても、タイヤには次のような影響が出ます(ダンロップ、TOYO TIRES、JAF Mate Onlineの解説から)。

空気圧の状態 起きやすいこと
低すぎる 燃費が悪くなる、両肩が片減りしてタイヤの寿命が縮む、熱を持って傷みやすい、最悪の場合は高速走行中のバースト(破裂)
高すぎる タイヤの中央だけがすり減る、トレッド面が傷つきやすい、段差の突き上げが強く乗り心地が悪くなる

スタッドレスタイヤに履き替えたら、その場で測る

JAFの「スタッドレスタイヤの使用限度と正しい保管方法とは?」では、ホイールに付けたまま保管するタイヤは、負担を減らすために空気圧を指定の半分程度に下げておくのがよいとされています。そのぶん次に使う前には適正な空気圧に戻す必要があり、JAFはディーラーや整備工場、ガソリンスタンドなどでの交換を勧めています。自分で付け替えたときは、走り出す前に4本とも測り、指定の値まで入れておきましょう。

ガソリンスタンドの柱に掛けてある空気入れのホース

よくある質問

冬は空気圧を高めにしておいたほうがいいですか?

季節で指定空気圧そのものが変わるわけではありません。下がるのを見越すなら、ブリヂストンがすすめる「指定空気圧〜+20kPa」の範囲の上のほうに合わせ、こまめに測るのが現実的です。それ以上入れると、入れすぎによる片減りや乗り心地の悪化を招きます。

スタッドレスタイヤの空気圧は、夏タイヤと違いますか?

ブリヂストンの「スタッドレスタイヤの空気圧はどれくらい?」によると、スタッドレスタイヤだからといって空気圧を変える必要はなく、基本はノーマルタイヤと同じ車両指定空気圧に合わせます。ただし、純正より大きなホイールに付けている(インチアップしている)場合は指定値より高くする必要があるので、購入したお店で合わせる値を確かめてください。

窒素ガスを入れておけば、冬でも空気圧は下がりませんか?

窒素ガスは、ふつうの空気より分子が大きく、タイヤから抜けにくいとされています(ブリヂストン タイヤオンラインストア)。ただ、抜けにくくなるだけで、気温が下がれば空気圧は下がりますし、まったく抜けなくなるわけでもありません。窒素を入れたタイヤでも、点検はふつうの空気と同じように続けましょう。

見た目でつぶれていなければ、測らなくても大丈夫ですか?

見た目だけでは分かりません。JAFのユーザーテスト「見た目や運転でわかる? タイヤの空気圧低下の検証」(2015年)では、空気圧を適正値の半分にしたタイヤを見比べてもらったところ、3人全員が正しく見分けられたのは偏平率65のタイヤだけで、偏平率45・50や80のタイヤでは全員が判断を誤りました。見た目に頼らず、エアゲージで数値を確かめましょう。

物置に平積みしたスタッドレスタイヤ

まとめ

冬に車のタイヤの空気圧が下がる目安は、気温10℃で約7〜10kPaです。これに、1か月で約5%の自然な抜けが加わります。寒くなる前に合わせたきりにせず、次の点を押さえておきましょう。

  • 合わせる値は、運転席ドアの開口部のラベルにある車両指定空気圧(前後で違う車もある)
  • 測るのはタイヤが冷えているとき。走った直後は高めに出る
  • 入れるのは指定空気圧から+20kPaまでの範囲。それ以上は入れすぎ
  • 点検はふだん月1回、冬は2週間に1回をめどに
  • スタッドレスタイヤに履き替えたら、その場で4本とも測る
  • 最後にバルブのキャップをしっかり締める

まずは次に給油へ寄るとき、運転席ドアのラベルで指定空気圧を確かめてから、4本とも測ってみてください。

新雪にタイヤの跡が続く冬の朝の道

あわせて読みたい

タイトルとURLをコピーしました