遠足のお弁当は、子どもが外で、短い時間に、自分ひとりで食べきれることを基準に考えると迷いません。おかずは、手やフォークでつまめて、汁気が少なく、一口で食べられる大きさのものを3〜4品。詰めるときは、ごはんを先に入れ、次に大きいおかず、最後に小さいおかずですき間を埋めると、リュックの中で揺れても崩れにくくなります。凝った飾りは要りません。この記事では、遠足のお弁当のおかずと簡単な詰め方を、おかずの選び方、前日のうちに済ませる段取り、詰める順番の3つに分けてまとめます。
遠足のおかずは「自分で食べきれるか」で選ぶ
遠足のお昼は、レジャーシートに座り、ひざの上や地面に弁当箱を置いて、決められた時間のうちに食べます。先生がそばで一人ずつ手伝ってくれるとは限りません。おかずは、好物かどうかに加えて、次の3つを満たすかで選びます。
手でつまめる・汁気が少ない・一口大の3条件
- 手やフォークでつまめる:不安定な場所では、ふだん箸を使える子でもつかみにくくなります。フォークで刺せる固さか、手で持てる形にします
- 汁気が少ない:汁やソースは、弁当箱が傾くとごはんやほかのおかずへ流れます。たれは煮からめ、ケチャップは薄く塗る程度にします
- 一口で食べられる:かじって残した半分は、転がったり崩れたりします。唐揚げは半分に、卵焼きは2cm幅ほどに切っておきます
品数は3〜4品、量は少し控えめに
主食は手で持てる小さめのおにぎりにして、おかずは、肉や魚の主菜を1品、卵のおかずを1品、野菜のおかずを1〜2品そろえれば足ります。茶色(唐揚げ)、黄色(卵焼き)、緑(ブロッコリー)、オレンジ(にんじん)が入れば、蓋を開けたときに十分明るく見えます。キャラクターの形に仕上げる必要はありません。細かい飾りは揺れで崩れやすく、朝の時間も取られます。
量は、家で食べるときより少し控えめにします。歩いた疲れや興奮で食が進まない子もいれば、早く遊びたくて急ぐ子もいるからです。初めての食材や苦手な野菜は、この日は入れないでおきます。

丸い食材は4等分にし、ピックは年齢に合わせる
ミニトマト、ぶどう、うずらの卵、丸い形の個装チーズのように、丸くてつるんとした食材は、小さな子が丸ごと口に入れるとのどに詰まるおそれがあります。こども家庭庁の「こどもの事故防止ハンドブック」は、食事中の窒息(0歳から6歳くらい)の注意点として、こうした球形の食材は4等分して形や大きさを変える、皮を取り除くなどの工夫をするよう呼びかけています。消費者庁も、ミニトマトやぶどうなどの球状の食品について、乳幼児には4等分する、調理してやわらかくするなどして、よくかんで食べさせるよう注意喚起をしています。
遠足は、座る姿勢が安定せず、おしゃべりをしながら急いで食べがちな場面です。園児のお弁当なら、ミニトマトは4等分に切り、種のまわりの水分をキッチンペーパーで軽く押さえてからカップに入れます。ぶどうは皮をむいて4等分にします。小学校の低学年でも、同じように切っておくと安心です。ナッツや硬い豆も、消費者庁が5歳以下の子どもには食べさせないよう呼びかけているので、入れないでおきます。
飾りのピックも、小さくて先がとがっています。年齢の低い子は、口にくわえたまま動いたり、誤って飲み込んだりするおそれがあるので、使わないか、持ち手の大きいものを1〜2本にとどめます。ピックやデザートを入れてよいか、おかずを交換してよいかは、園や学校によって決まりが違います。食物アレルギーへの配慮から約束事が書かれていることもあるので、遠足のおたよりをもう一度読んでおきましょう。
定番おかずは前日に仕込み、朝は加熱して詰めるだけにする
当日の朝にすべてを一から作ると、おかずを冷ます時間が足りなくなります。前日の夕食づくりのついでに下ごしらえを済ませ、朝は火を通す作業と詰める作業だけを残します。出番の多いおかずを、前日と当日の作業に分けて整理しました。
| おかず | 前日にできること | 当日朝の作業 | 詰めるときのコツ |
|---|---|---|---|
| 鶏の唐揚げ | 鶏肉を小さめの一口大に切り、下味をつけて冷蔵庫へ | 粉をまぶして揚げ、中まで火を通す。網にのせて油を切る | 大きいものは半分に切る。主菜として先に置く |
| 卵焼き | 調味料を計り、卵焼き器を出しておく | 卵を割って焼く。半熟を残さず、中までしっかり火を通す | 2cm幅に切り、黄色い切り口を上に向ける |
| ウインナー | 斜め半分に切るか、切り込みを入れて冷蔵庫へ | フライパンで転がしながら焼き、キッチンペーパーで油を押さえる | 小さな子には縦半分に切る。すき間を埋める役に向く |
| ブロッコリー | 小房に分けて塩ゆでし、水気を切って冷蔵庫へ | 電子レンジで温め直して冷まし、水気をもう一度押さえる | つぼみを上にして、すき間に差し込む |
| にんじんの甘煮 | 5mm厚の輪切りにし、砂糖と塩少々でやわらかく煮る | 電子レンジで温め直し、汁気を切って冷ます | カップに入れ、色が足りない場所に置く |
前日に火を通したおかずは、朝にもう一度中まで温め直し、冷ましてから詰めます。市販の冷凍食品を1〜2品使っても構いません。表示どおりに加熱し、凍ったまま入れるのは、自然解凍できると書かれた商品だけにしてください。
下ごしらえのほかに、前日の夜に済ませること
- 弁当箱、フォークや箸、おかずカップ、保冷バッグをまとめて出し、保冷剤を冷凍庫に入れる
- ごはんを冷ます時間を取るため、炊飯器の予約をいつもより少し早くする
- 空の弁当箱を見ながら、どこに何を入れるかを決めておく
- 水筒、おしぼり、レジャーシートなど、一緒に持たせる物をおたよりで確かめる
弁当箱の蓋や水筒を、子どもが自分で開け閉めできるかも試しておきます。新しい弁当箱はパッキンが固く、外でひとりでは開けられないことがあります。
当日の朝は「加熱する→冷ます→詰める」の順に動く
- ごはんが炊けたらおにぎりを握り、皿に並べて冷ます
- 揚げ物や卵焼きなど、火を使うおかずを作る
- 前日に作ったおかずを温め直す
- できたおかずをバットや皿に重ならないように広げ、湯気が出なくなるまで冷ます
- 冷めたものから弁当箱に詰める
急ぐ日は、保冷剤の上にバットをのせるか、うちわであおぐと早く冷めます。

崩れない詰め方は「ごはん→大きいおかず→すき間」の順
子どものリュックは歩くたびに揺れ、置くときに横倒しになることもあります。お弁当が崩れるのは、中身が動けるすき間が残っているからです。動かないものから順に入れていけば、飾りつけの腕がなくても、きれいなまま届きます。
詰める順番は5段階
- ごはんやおにぎりを先に入れる:弁当箱の片側に寄せ、全体の半分ほどを主食にあてるのが目安です。おにぎりは弁当箱の深さに合わせて握ると、蓋に軽く押さえられて動きません
- 大きくて形のしっかりしたおかずを置く:唐揚げや卵焼きを、ごはんに寄りかからせるように並べます
- カップに入れるおかずを置く:味や水分が移りやすいものはカップへ。角に置くと安定します
- 小さいおかずですき間を埋める:ブロッコリー、にんじん、切ったウインナーを、残ったすき間に差し込みます。指で軽く押しても動かなければ十分です
- 蓋を閉めて確かめる:蓋でおかずがつぶれていないか、軽く傾けても中身が寄らないかを見ます
ふんわり詰めるより、少しきついくらいのほうが崩れません。おかずが足りずにすき間が残ったら、おにぎりを1個足すか、一回り小さい弁当箱に替えて調整します。

カップとピックの使いどころ
カップや仕切りの役目は、味と水分を隣に移さないことです。
- シリコンカップ:形がしっかりしていて、おかずを支える壁にもなる。捨てずに持ち帰るよう子どもに伝えておく
- 紙やアルミのカップ:油の多いおかずに向く。食べ終わったら弁当箱に戻して持ち帰る
- レタスなどの生野菜:時間がたつと水分が出るので、仕切りには使わない
ピックは飾りというより、つかみにくいおかずを食べやすくする道具です。切ったウインナーやミートボールなど、フォークから逃げやすいものに刺しておくと、手を汚さずに食べられます。蓋に当たらない高さに刺し、数は控えめにします。年齢の低い子には、無理に使わなくて構いません。
蓋をする前に、冷めているか・汁気がないかを見る
温かいまま蓋をすると、こもった湯気が水滴になり、ごはんやおかずがべたついて傷みやすくなります。手で触れて温かさを感じなくなってから蓋をしてください。カップの底にたまった汁気は、キッチンペーパーで吸い取ります。
気温が高い日や、お昼まで時間が空く日は、保冷剤を蓋の上にのせ、保冷バッグか巾着に入れて持たせます。秋の遠足でも、日なたに置いたリュックの中は思ったより暖かくなります。
よくある質問
前日の夜に詰めておいてもいいですか?
下ごしらえや加熱は前日にできますが、詰めるのは当日の朝にします。詰めてからの時間が長いほど、おかずから水分が出て味が移り、傷みやすくもなります。前日に用意するのは「あとは温め直して詰めるだけ」の状態までにとどめてください。
おにぎりは、どんな形や大きさが食べやすいですか?
園児なら、2〜3口で食べられる小さめの丸形か俵形が持ちやすく、弁当箱にも収まります。海苔を全体に巻くと噛み切りにくいことがあるので、細い帯にして巻くか、ふりかけやごまをまぶします。1個ずつラップで包んでおけば、手が汚れていても食べられます。

果物やデザートは入れてもいいですか?
まず、園や学校のおたよりで可否を確かめます。入れてよい場合は、汁気がおかずに移らないよう、蓋つきの小さな容器に分けます。ぶどうやさくらんぼは、小さな子には皮や種を除いて4等分にしてください。
まとめ
遠足のお弁当づくりの要点は、次の5つです。
- おかずは、手でつまめる・汁気が少ない・一口大の3条件で選び、3〜4品に絞る
- 丸い食材は4等分にし、ピックを使うかどうかは年齢と園の決まりで決める
- 下味や下ゆでは前日に済ませ、朝は加熱して冷ます時間を確保する
- ごはん、大きいおかず、カップ、小さいおかずの順に詰め、すき間を残さない
- 冷めてから蓋をし、保冷剤を添えて持たせる

まずは今夜、弁当箱とおたよりを出して、入れるおかずを3つ決めるところから始めてください。

