味噌汁を冷凍するときは、どの具を入れるかで解凍後の仕上がりがほぼ決まります。きのこ・油揚げ・ねぎ・薄く切った根菜は凍らせても食感が変わりにくく、豆腐・じゃがいも・こんにゃくは、すが入ったり、ぼそぼそしたりしやすい具です。変わりやすい具は凍らせる分から外しておき、食べるときに足すのが確実です。この記事では、汁ごと・具だけ・味噌玉という3つの凍らせ方と、それぞれに向く具の一覧、湯を注ぐだけで1杯になる味噌玉の作り方、凍らせたものを解凍して温め直す手順までを、順にまとめます。
凍らせ方は3通り。汁ごと・具だけ・味噌玉で向く具が変わる
味噌汁を冷凍保存するときの具材の選び方は、まず「何を凍らせるか」で変わります。凍ると具の中の水分が氷になって組織を傷め、解凍でその水分が抜けるので、水分を多く抱えた具ほど食感が変わりやすくなります。これはどの方法でも同じで、違うのは火を通すタイミングです。
| 凍らせ方 | 向いている場面 | 食べるときの手間 | 気をつけること |
|---|---|---|---|
| 汁ごと | 作りすぎた分を後日に回したいとき | 温め直すだけ | 凍らせる前に向かない具を外す |
| 具だけ | 毎朝のように味噌汁を作る家庭 | だしで煮て味噌を溶く | 1回分ずつ小分けにしておく |
| 味噌玉 | 一人分だけほしい朝や、職場で飲みたいとき | 湯を注いで混ぜるだけ | 湯を注ぐだけで食べられる具に限る |

汁ごと凍らせる:残った味噌汁を後日に回す
鍋に残った分は、温かいまま置かずに早く冷まします。厚生労働省の家庭でできる食中毒予防の6つのポイントでも、残った食品は浅い容器に小分けして早く冷やすよう案内されています。冷めたら1杯分ずつ保存容器か保存袋へ。汁は凍るとふくらむので容器は8分目まで、袋は空気を抜いて平らに凍らせ、日付と具を書いておきます。冷蔵で何日もつかは「作り置きした味噌汁の日持ちと保存方法|冷蔵2〜3日を目安に、味を落とさず回すコツ」にまとめています。
具だけ凍らせる:切った具を1回分ずつストックする
毎日のように味噌汁を作るなら、具を凍らせておくほうが使い回しがききます。きのこ・油揚げ・ねぎ・薄切りの大根などを1回分ずつ保存袋に入れておけば、朝は沸かしただしに凍ったまま入れて煮るだけ。火を通すのは食べるときの1回なので、煮詰まる心配もありません。
きのこメーカーのホクトは冷凍きのこで毎日菌活という記事で、石づきを取って小房に分けてから冷凍すること、解凍すると水分が抜けて食感とうま味が失われるので凍ったまま調理することを勧めています。袋に入れる具の組み合わせに迷うときは「相性のいい味噌汁の具材の組み合わせ|定番・旬の具と味噌の種類、具を入れる順番まで」も参考にしてください。
味噌玉にする:湯を注ぐだけの1杯分を作っておく
味噌にだしと具を混ぜて1杯分ずつ丸め、ラップで包んで凍らせたものが味噌玉です。湯を注げば味噌汁になるので、一人分だけほしい朝や職場で重宝します。火にかけないぶん、入れられる具は限られます。
冷凍に向く具・向かない具を、凍らせ方ごとに選ぶ
よく使う具を3つの凍らせ方に分けて整理しました。◎はそのまま使える、○は切り方や下ごしらえしだい、△は色や食感が落ちやすい、×は凍らせる分から外して食べるときに足す、という目安です。
| 具材 | 汁ごと | 具だけ | 味噌玉 | 扱い方 |
|---|---|---|---|---|
| 油揚げ | ◎ | ◎ | ◎ | 短冊に切ってから凍らせる |
| しめじ・まいたけなどのきのこ | ◎ | ◎ | × | 石づきを取り小房に。生では湯を注ぐだけで火が通らない |
| 長ねぎ・青ねぎ | ◎ | ◎ | ◎ | 小口切りにして水気をふく |
| 玉ねぎ・にんじん | ◎ | ○ | × | 薄切りにする |
| キャベツ | ○ | ○ | ○ | 細切りに。味噌玉なら5mm幅ほど |
| 大根 | ○ | ○ | × | 厚いと水っぽいので薄いいちょう切りに |
| 小松菜 | △ | ○ | ○ | 具だけならゆでて絞る。味噌玉なら3cmほどに切る |
| ほうれん草 | △ | ○ | × | あくが強いので、ゆでて水にとり、絞ってから |
| 乾燥わかめ・麩 | ○ | - | ◎ | 乾物は常温で保存できる。汁ごとなら食べるときに足す |
| 豆腐 | × | × | × | すが入り、高野豆腐に近い食感になる |
| じゃがいも・さつまいも | × | × | × | ぼそぼそした口当たりになる |
| こんにゃく | × | × | × | 固く、スポンジのような歯ざわりになる |
| 溶き卵 | × | × | × | 温め直すと固く締まる |

凍らせても変わりにくいのは、うま味と繊維のある具
きのこ・油揚げ・ねぎ・にんじんは、凍らせても食感の変化が小さく、うま味も汁に残ります。冷凍する前提で作る日はこれらを多めにしてかさを出すと、解凍後も食べごたえが残ります。大根やキャベツはやわらかくなりますが、薄く細く切っておけば気になりにくくなります。
豆腐・いも・こんにゃくは「凍らせる分から外す」
豆腐はすが入り、いもはぼそぼそ、こんにゃくはスポンジのような歯ざわりになります。食べられなくなるわけではありませんが、なめらかさや弾力が持ち味の具ほど違いが目立ちます。凍らせる分を先に鍋から取り分けてから当日分に加えるか、温め直すときに足すと、どちらの食感も守れます。具の多い汁物での外し方は「具だくさんの豚汁を冷凍するときに向く具材|にんじん・ごぼうはそのまま、じゃがいも・こんにゃく・豆腐は後入れに」で詳しく書いています。
ただ、すが入った豆腐は汁をよく吸います。高野豆腐のような食感が好きなら、あえて入れたまま凍らせるのもひとつの選び方です。
味噌玉の作り方と、凍らせた味噌汁の解凍・温め直し
味噌玉は、味噌20gほどに、だしと湯で食べられる具を合わせる
味噌メーカーのマルコメが紹介している冷凍みそ玉のレシピは、味噌80gにだしパック1袋(8g)の中身を混ぜ、具を合わせて4等分し、ラップで包んで保存袋に入れて凍らせるものです。1個あたり味噌20gほどが1杯分の目安。だし入りの味噌なら、だしを足さなくてかまいません。
- 味噌に、だしパックの中身か顆粒だしを混ぜる
- 具を加えて混ぜ、1杯分ずつに分ける
- 1個ずつラップで包んで丸め、保存袋に入れて冷凍庫へ

具は、乾燥わかめ・麩・とろろ昆布などの乾物、油揚げ、小口切りのねぎのように、湯を注ぐだけで食べられるものが向きます。同じレシピでは細切りのキャベツや小松菜、小口切りのオクラを生のまま混ぜていますが、どれも小さく切っています。きのこや根菜を入れるなら、先に加熱しておきます。
マルコメは味噌の保存方法で、味噌は冷凍庫に入れても凍らず、少し固くなる程度でそのまま使えると案内しています。日持ちの目安はレシピに書かれていないので、冷凍庫のにおいが移る前に、2週間ほどで使い切れる数にとどめると安心です。
味噌玉の食べ方:器に入れて熱湯を注ぐ
同じレシピでは、凍ったままの味噌玉を器に入れ、ラップをかけて電子レンジ(600W)で10〜20秒温めてから、熱湯130〜150mlを注いでよく混ぜて溶かします。濃さは湯の量で加減してください。
汁ごと凍らせた分は、沸騰するまで温め直す
凍った味噌汁は、前の晩に冷蔵庫へ移して解凍するか、凍ったまま鍋で温めます。厚生労働省は同じ案内で、冷凍した食品を室温に置いたまま解凍せず、冷蔵庫の中や電子レンジで解凍するよう呼びかけています。
鍋では水を少し足し、弱めの中火でほぐしながら温めます。同じ案内には「味噌汁やスープ等は沸騰するまで加熱しましょう」とあります。煮立てると味噌の香りが飛ぶので、沸いたら火を止め、物足りなければ味噌を少し溶き足します。外しておいた豆腐はここで加え、じゃがいもは別にやわらかくしてから加えます。
食べきれなかった分をもう一度凍らせることはしません。厚生労働省も、冷凍と解凍を繰り返すのは危険だとしています。1杯ずつ小分けにしておくのは、このためでもあります。
具だけ凍らせた分は、解凍せずにだしへ入れる
凍らせた具は、沸かしただしに凍ったまま入れて煮ます。凍った具でだしの温度が下がるので、もう一度煮立って具がやわらかくなったのを確かめてから、火を弱めて味噌を溶き入れてください。
よくある質問
凍らせた具や味噌汁は、どのくらいで使い切ればいいですか?
家庭で凍らせた汁物は、2〜3週間ほどで食べ切るのが一般的な目安です。きのこは、ホクトが冷凍庫で2週間保存できるとしています。開け閉めのたびに霜や冷凍庫のにおいが移り、風味が落ちていくので、日付を書いて古いものから使ってください。
味噌玉は冷蔵庫で保存してもいいですか?
冷蔵でも作れますが、生の野菜を混ぜた味噌玉は、味噌の塩分で野菜から水分が出やすくなります。何日分か作り置きするなら冷凍が向いています。冷蔵にするなら、乾物とねぎのような水分の少ない具だけにして、早めに使い切ってください。
味噌そのものも冷凍庫で保存できますか?
できます。前の見出しで触れたマルコメのほか、ひかり味噌も味噌の保存方法で冷凍保存できるとしたうえで、冷凍庫から出すと結露が起きるので、使うときだけ出すよう勧めています。使う分を取ったら、すぐ冷凍庫へ戻しましょう。

電子レンジで温め直すときに気をつけることは?
電子レンジ対応と書かれていない保存袋は、そのまま加熱せず、耐熱の器に移してラップをふんわりかけます。凍ったままだと外側だけ先に熱くなりやすいので、途中で一度かき混ぜ、全体がしっかり沸くまで温めます。加熱時間は量と機種で変わるので、様子を見ながら足してください。
まとめ
味噌汁を冷凍保存するときの具材の選び方を振り返ります。
- 凍らせ方は、汁ごと・具だけ・味噌玉の3通り。使う場面に合わせて選ぶ
- きのこ・油揚げ・ねぎ・にんじんは凍らせても変わりにくい。大根やキャベツは薄く細く切る
- 豆腐・いも・こんにゃく・溶き卵は凍らせる分から外し、食べるときに足す
- 味噌玉は、味噌20gほどにだしと湯で食べられる具を合わせ、ラップで包んで凍らせる
- 汁ごとの分は冷蔵庫か電子レンジ、または凍ったまま鍋で解凍し、沸騰するまで温める。再冷凍はしない
- 具だけの分は解凍せず、沸かしただしに凍ったまま入れる

次に味噌汁を作るときは、きのこと油揚げを多めに切って1回分ずつ袋に分け、冷凍庫に入れておくところから始めてみてください。

