スマホの充電が遅い原因は、多くの場合「充電器かケーブルの出力不足・劣化」「充電しながらの使用や本体の発熱」「端子の汚れ」のどれかです。故障を疑う前に、まず別の充電器とケーブルの組み合わせで、壁のコンセントから充電してみてください。それで速くなれば、原因はスマホ本体ではなく充電する側にあります。変わらなければ、端子や熱、ワイヤレス充電の置き方、バッテリーの状態へと順に見ていきます。この記事では、手軽な順に8つの確認を並べ、端子を掃除するときの注意と、充電をやめて相談したほうがよいサインもあわせて紹介します。
スマホの充電が遅い原因は、充電器・ケーブル・差し込み口から切り分ける
充電の速さは、「充電器が出せる電力」「ケーブルが通せる電力」「スマホが受け取れる電力」のうち、いちばん小さいものに合わせて決まります。どれか1つが弱いと、ほかが十分でも速くなりません。そこで、交換して試しやすい外側の3つから確かめます。先に、症状ごとの見当を表にまとめました。
| 症状 | 考えられる原因 | 試すこと |
| 同じ充電器で、前からずっと時間がかかる | 充電器の出力が小さい、急速充電に対応していない | 充電器本体の出力表示を見て、機種に合うもので試す |
| 最近遅くなった、角度によって充電が途切れる | ケーブルの傷み、端子のほこり | 別のケーブルに替える、端子の中を目で確かめる |
| パソコンや車、電源タップのUSBポートだと遅い | 差し込み口の出力が小さい | 充電器を壁のコンセントに直接差して比べる |
| 充電中に本体が熱く、途中から増えなくなる | 熱による充電の制限 | ケースを外し、操作をやめて涼しい場所に置く |
| 置くだけの充電のときだけ遅い | 位置のずれ、ケースの厚み | 置き直す、ケースを外す、有線と比べる |
| 80%あたりから急にゆっくりになる | 電池を守るための仕様、充電の最適化機能 | 設定のバッテリーの項目を確かめる |
| 減りも早く、残量の表示が不安定 | バッテリーの劣化 | 設定で状態を確かめ、メーカーや販売店に相談する |
1. 充電器(アダプター)の出力と、急速充電への対応を見る
充電器の本体には、小さな文字で「出力(OUTPUT)」が書かれています。何年も前の機種に付いていた充電器を使い続けていると、今のスマホには力不足のことがあります。また、急速充電は、スマホと充電器の両方が同じ方式(USB PDなど)に対応していて初めて働きます。何ワットまで受けられるか、どの方式に対応するかは機種によって異なるので、取扱説明書やメーカーの案内で、対応する充電器を確かめてください。出力の小さい充電器をつなぐと、「低速充電」といった表示で知らせてくれる機種もあります。
コンセントに差す充電器を買い足すときは、PSEマークの表示も確かめます。
2. ケーブルを別のものに替えてみる
ケーブルは見た目が同じでも、通せる電力に差があります。急速充電に対応した充電器を使っていても、ケーブルが対応していなければ速度は上がりません。さらに、毎日の抜き差しや根元の折れ曲がりで中の線が傷むと、充電が遅くなったり途切れたりします。手持ちの別のケーブルに替えて速くなるなら、原因はケーブルです。
被覆が破れている、根元がぐらつく、コネクターが変形・変色している、といったケーブルや充電器は、テープで補修して使い続けず、交換してください。買い替えるときは、価格だけで良し悪しを決めつけず、対応するワット数や規格の表示を見て選びます。なお、差してもまったく反応しないのは、速度とは別の「認識しない」トラブルです。
3. 差し込み口を壁のコンセントに変える
同じ充電器とケーブルでも、どこから電気を取るかで速さが変わります。
- パソコンのUSB端子:データのやり取りが主な役目で、取り出せる電力が充電器より小さいものが多い
- 電源タップや家具に付いたUSBポート:出力が小さいものや、複数のポートで電力を分け合うものがある
- 車のシガーソケット用の充電器:製品によって出力の差が大きく、ナビを動かしながらだと消費に追いつかないことがある
充電器を壁のコンセントに直接差して比べてみてください。それで速くなるなら、スマホにもケーブルにも問題はありません。1つの充電器で2台を同時に充電しているときは、1台だけにして変化を見ます。

端子のほこり・本体の熱・ワイヤレス充電の置き方を確かめる
外側の3つを替えても変わらないなら、次はスマホ側です。ここも手軽な順に見ていきます。
4. 充電端子にほこりが詰まっていないか
ポケットやバッグに入れて持ち歩くうちに、充電端子の奥には繊維くずやほこりがたまっていきます。ケーブルが奥まで入らない、少し触れただけで充電が切れる、というときはここを疑い、明るい場所で端子の中をのぞいてみてください。
掃除をするときは、次の点を守ります。
- 電源を切ってから行う
- 針・クリップ・安全ピンなど金属のものは使わない(中の接点を傷つけたり、ショートさせたりするおそれがある)
- 乾いた柔らかいものを使い、水やアルコールなどの液体を端子に入れない
- 奥へ押し込まない。無理にこじらない
使ってよい道具や方法は機種ごとに案内が違うため、取扱説明書やメーカー、携帯電話会社の案内に従ってください。固まって取れないときは、そこでやめて店舗や修理窓口に任せるのが安全です。
水に濡れた端子にケーブルを差すのも避けます。水濡れを検知して警告を出す機種もあるので、表示が出たらケーブルを抜き、十分に乾くまで充電を待ってください。
5. 本体が熱くなっていないか
スマホは本体の温度が上がると、電池を守るために充電の速度を落としたり、一時的に止めたりします。充電しながらのゲームや動画、ビデオ通話、ナビは、電気を使いながら熱も出すので、充電が進みにくい使い方です。
- 充電中は操作をやめ、画面を消しておく
- 厚手のケースや手帳型のケースを外す
- 直射日光の当たる窓際や車のダッシュボード、布団や枕の上を避け、硬く平らな場所に置く
熱いからといって、冷蔵庫に入れたり保冷剤を当てたりして急に冷やすのは避けてください。内部に結露が起きることがあります。真夏に熱で充電が止まるときや、冬の寒さで電池の減りが早いときは、常温の場所で温度が落ち着いてから充電し直します。
6. ワイヤレス充電は位置とケースの厚みを見る
置くだけの充電は、スマホと充電台の中にあるコイルの位置が合っていないと、効率が落ちて時間がかかります。置き直して中心を合わせ、ケースを外して比べてみてください。厚いケースやリング、金属のプレート、カード類が間にあると、遅くなるだけでなく発熱の原因にもなります。有線に比べて時間がかかることが多い方式なので、急ぐときは有線に切り替えるのが確実です。

80%から遅いのは仕様。バッテリーの劣化と、充電をやめるサイン
ここまでで変わらないときは、仕様による遅さなのか、バッテリーの問題なのかを見分けます。
7. 80%前後からゆっくりになるのは故障ではない
スマホに使われているリチウムイオン電池は、残量が少ないうちは勢いよく充電し、満充電に近づくと電流を絞っていく方式で充電されます。そのため、後半になるほど1%増えるのに時間がかかります。電池を守るための動きで、異常ではありません。
加えて、電池を長持ちさせるために、80%前後でいったん充電を止めて使い始める時刻に合わせて満充電にする機能や、充電の上限を決めておける機能を備えた機種があります。「朝見たら80%で止まっていた」というときは、設定アプリのバッテリーの項目を確かめてみてください。名称や設定の場所は機種によって異なります。
8. バッテリーの状態を確かめる
バッテリーは消耗品で、充電を繰り返すうちに蓄えられる量が少しずつ減っていきます。劣化が進むと、充電の遅さよりも「減りが早い」「残量の数字が急に飛ぶ」「残量があるのに電源が落ちる」といった形で現れやすくなります。ここまでの確認で改善せず、こうした症状も重なるなら、バッテリーを疑う段階です。
設定アプリのバッテリーの項目で、状態や最大容量の目安を確認できる機種があります。表示がない機種や、交換の時期が分からない場合は、メーカーや購入した販売店、携帯電話会社の窓口に相談してください。本体を分解して確かめたり、自分でバッテリーを交換したりするのはおすすめしません。電池を傷つけると発熱や発火につながるおそれがあり、防水性能や保証にも影響します。
すぐに充電をやめて相談するサイン
- 本体の背面が膨らんでいる、画面が浮いてきた
- 触っていられないほど熱くなる
- 焦げたようなにおいがする
- 充電器やコネクターが変色・変形している
1つでも当てはまるときは充電をやめ、使用を中止してメーカーや販売店に相談してください。様子を見ながら充電を続けるのは避けます。

よくある質問
電源を切って充電すると速くなりますか?
画面の表示や通信に使う電気がなくなるぶん、同じ条件なら早く終わりやすくなります。電源を切れないときは、画面を消して触らずに置いておくだけでも違います。ただし、充電器やケーブルの出力が足りていない場合は、電源を切っても大きくは変わりません。
モバイルバッテリーからの充電だけ遅いのはなぜですか?
モバイルバッテリーの出力が小さいか、つないでいるケーブルが急速充電に対応していない可能性があります。壁のコンセントからは普通に充電できるなら、スマホ本体の問題ではありません。モバイルバッテリー側の出力表示を確かめてください。
寝ている間に充電するとき、気をつけることはありますか?
布団や枕の上、毛布の下など、熱がこもる場所に置かないことです。硬く平らな場所に置き、傷んだケーブルは使わないでください。充電の最適化機能がある機種なら、オンにしておくと満充電のままつながっている時間を減らせます。

まとめ
充電に時間がかかるときは、替えやすいところから1つずつ試していくと、どこに問題があるのかがはっきりします。
- 充電器・ケーブル・差し込み口を替え、壁のコンセントから試す
- 端子のほこり、本体の熱、ワイヤレス充電の置き方を確かめる(端子に金属は使わない)
- 80%前後からの遅さは仕様。減りの早さも気になるなら、設定でバッテリーの状態を見る
- 膨らみ・異常な熱・焦げたにおいがあれば、充電をやめて使用を中止し、メーカーや販売店へ相談する
まずは今日、いつもと違う充電器とケーブルの組み合わせで壁のコンセントから充電し、残量の増え方を比べてみてください。


