ドアクローザーが閉まらない・閉まるのが早いときの調整|速度調整ネジを少しずつ回す手順と、油漏れなら交換の見分け方

ドアクローザーが閉まらない・閉まるのが早いときの調整のイメージ画像 トラブル解決

ドアがバタンと閉まる、最後まで閉まりきらない。こうしたドアクローザーの不調は、本体の側面にある速度調整ネジをドライバーで少しずつ回せば、自分で直せることが多いトラブルです。ただし、本体やアームから油が漏れているときは調整では直らず、本体ごとの交換になります。ネジをゆるめすぎると油が漏れて使えなくなるおそれもあるので、回す量はほんの少しずつが基本です。この記事では、症状ごとの原因の見分け方、ネジの位置と回し方、調整しても直らないときに確かめる場所、交換や依頼の目安を順に紹介します。

閉まらない・閉まるのが早い|症状から原因の見当をつける

ドアクローザーは、ドアの上部に付いた箱型の本体と、枠につながるアームでできた装置です。本体の中のばねがドアを閉め、油の抵抗がその勢いにブレーキをかけています。閉まり方がおかしいときは、このブレーキの効き具合がずれているか、油が抜けているか、ドアクローザー以外に原因があるかのいずれかです。まずは症状から見当をつけます。

玄関ドアの上部に付いたドアクローザーの本体とアーム
症状 考えられる原因 最初に確かめること
バタンと勢いよく閉まる 速度調整のずれ(暑い時期に出やすい)、油漏れ 本体やアーム、ドアの表面に油のにじみがないか
ゆっくりすぎる、最後の数センチで止まって閉まりきらない 速度が遅すぎる(寒い時期に出やすい)、ラッチや隙間テープの抵抗、風や換気扇の影響 どこかがこすれていないか、窓を開けると変わるか
毎回同じ角度で止まる 開けたままにできるストップ機能 少し押すと閉まり始めるか
大きく開けると途中から重い 風でドアがあおられるのを抑える機能、丁番(ちょうつがい)のゆがみ 以前からか、急に重くなったのか

油のにじみがあれば、調整より先に交換を考える

いちばん先に見たいのは油漏れです。本体の下側やアームの付け根、ドアの表面に、黒っぽい油のにじみや垂れた跡がないかを確かめます。油が抜けたドアクローザーはブレーキが効かず、調整ネジを回しても速度を抑えられません。油を足して直すこともできないため、本体ごとの交換になります。勢いよく閉まるドアは指をはさむ危険があるので、早めに手配してください。

季節で閉まり方が変わるのは故障ではない

中の油は、気温が高いとさらさらになり、低いと粘りが出ます。そのため同じ設定のままでも、夏は速く、冬は遅く閉まるようになります。季節の変わり目に閉まり方が変わっただけなら、故障ではなく調整で直せる見込みが高いといえます。

ドアクローザーの速度調整ネジの回し方

ここからは、ドアクローザーを自分で調整する手順です。ドアの上部に箱型の本体が見えている一般的なタイプを前提にしています。本体がドアや枠、床に埋め込まれたタイプは構造が違うので、メーカーの案内に従ってください。

始める前の準備と、けがを防ぐ確認

  • 安定した踏み台を使う:高い位置の作業です。ぐらつく椅子は避け、ドアが動いても体が押されない位置に立ちます。
  • ネジの溝に合うドライバーを選ぶ:大きさの合わないドライバーで回すと溝がつぶれ、それ以降は調整できなくなります。
  • 指をはさまない:丁番側のすき間やアームの折れ曲がる部分に手を置きません。作業中は子どもを近づけないようにします。
  • 取扱説明書を用意する:ネジの数や位置、区間の呼び方は機種で違います。本体のラベルの品番から、メーカーのサイトで説明書を探せることもあります。
踏み台に乗り、ドアクローザー側面のネジをドライバーで回す手元

速度調整ネジの位置と、受け持つ区間

速度調整ネジ(速度調整弁)は、本体の側面にあります。「1」「2」のように番号が振られていることもあり、それぞれ受け持つ区間が違います。

  • 第1速度:大きく開いた状態から、閉まる少し手前までの全体の速さ
  • 第2速度:閉まる少し手前から、枠に収まるまでの速さ
  • ラッチング(第3速度):閉まる直前にわずかに勢いをつけ、ラッチ(ドアの側面から出ている三角の金具)を確実にかける働き。付いていない機種もあります

ネジが1本だけの機種や、開けるときの重さを調整するネジが別に付いた機種もあります。どのネジが何を受け持つかは、必ず説明書で確かめてください。

少しずつ回し、そのたびに開け閉めして確かめる

  1. いまの閉まり方を見る:ドアを大きく開けて手を離し、どの区間が速い(遅い)のかを見ます。
  2. その区間のネジを、ほんの少しだけ回す:多くの機種では、右(時計回り)に回すと遅く、左(反時計回り)に回すと速くなります。逆の機種もあるので、本体の表示や説明書を優先してください。一度に回すのは、溝の向きがわずかに変わる程度にとどめます。
  3. 開け閉めして変化を確かめる:足りなければ、同じだけ回してもう一度確かめます。思った向きと逆に変わったら、元の位置に戻します。
  4. 第1速度、第2速度の順に整える:全体の速さを決めてから、閉まりぎわを整えます。閉まりぎわは全体より少しゆっくりにすると、音が静かで指もはさみにくくなります。
  5. 最後まで閉まるか確かめる:大きく開けたときと、少しだけ開けたときの両方で手を離し、ラッチがカチャッとかかるかを見ます。

バタンと閉まるなら、速すぎる区間のネジを遅くなる向きへ。閉まりきらないなら、第2速度かラッチングのネジを速くなる向きへ、少しだけ回します。メーカーの案内では、ドアを90度ほど開けた位置から閉まりきるまで5〜8秒ほどを目安とするものが多く見られます。ただ、ちょうどよい速さはドアの大きさや重さでも変わるので、「バタンと鳴らず、最後まで閉まる」ことを優先してください。

調整でやってはいけない3つのこと

  • ネジを回しすぎない・ゆるめすぎない:ゆるめる方向に回し続けると、ネジが本体から飛び出して抜け、中の油が噴き出したり漏れたりすることがあります。こうなると本体は使えません。ネジの頭が本体の面より出てきたら、それ以上はゆるめないでください。締める方向も、止まったところから力まかせに回さないようにします。
  • 区間ごとの速度に極端な差をつけない:全体は速く、閉まりぎわだけ極端に遅く、といった設定は故障のもとになります。
  • 本体を分解しない:中には強いばねが入っています。ふたを外して中を開けるのは危険です。

調整しても直らないときに確かめる場所と、交換・依頼の目安

ネジを回しても変化がない、数日で元に戻る。そんなとき、原因は速度の設定以外にあります。

ドアクローザーの下側とドアの表面に残った油のにじみ

ドアクローザー側で確かめること

  • 油漏れ:にじみや垂れた跡があれば調整では直らず、本体ごとの交換になります。
  • 取付ネジのゆるみ:本体をドアに留めるネジ、アームを枠に留めるネジ、アームのつなぎ目がゆるむと、ガタついて最後まで閉まらなくなります。ゆるんでいればドライバーで締め直します。速度調整ネジと取り違えないよう注意してください。
  • ストップ機能:決まった角度で止まるのは、開けたままにできる機種の仕様で、故障ではありません。

ドアや枠の側で確かめること

  • ラッチと受け金具のずれ:手で押し込まないとラッチがかからないなら、丁番のネジがゆるんでドアが下がり、枠側の受け金具と位置がずれていることがあります。丁番のネジを締め直してみます。
  • 隙間テープやパッキンの抵抗:隙間風対策のテープを貼ってから閉まりにくくなったなら、テープの厚みが原因かもしれません。選び方と貼り方は「玄関ドア 隙間風 対策 テープ|隙間の場所と幅で選び、閉まらない失敗を防ぐ貼り方」で紹介しています。
  • 風や換気扇による気圧の差:気密性の高い住まいでは、換気扇を回すと室内と外の気圧に差ができ、ドアが勢いよく閉まったり、閉まりきらなかったりします。換気扇を止めるか窓を少し開けて、閉まり方が変わるかを比べてください。変わるなら、ドアクローザーの故障ではありません。

交換や依頼を考えたいサイン

  • 油が漏れている、漏れた跡がある
  • 調整ネジを回しても速度が変わらない、溝がつぶれて回せない
  • 本体やアームが曲がっている、締め直してもガタつく

取り替え用の製品で自分で交換できることもありますが、ドアの重さや開き方に合わないものを選ぶとうまく閉まりません。迷うときは、建具店や工務店、ドアの修理を扱う業者に相談するのが確実です。費用は本体の種類や依頼先で大きく変わるため、作業の前に見積もりを確認しておきましょう。

賃貸住宅では、ドアクローザーは建物の設備です。調整ネジに触る前に、管理会社か大家さんへ連絡してください。分譲マンションでも玄関ドアは共用部分として扱われることが多いので、交換は管理組合や管理会社に確認してから進めます。

よくある質問

冬になるとドアが閉まりきらなくなるのはなぜですか

寒さで中の油に粘りが出て、閉まりぎわの勢いが足りなくなるためです。第2速度かラッチングのネジを、速くなる向きへ少しだけ回すと収まることがあります。暖かくなると今度は速くなりすぎるので、季節の変わり目に閉まり方を見直すと安心です。

冬の朝、室内側から見た玄関ドア

ネジを回していたら油が出てきました。どうすればいいですか

それ以上は回さず、作業をやめてください。油は足せないので、出てしまったら基本的に本体の交換になります。交換までのあいだはドアが勢いよく閉まるおそれがあるので、手を添えてゆっくり閉めます。床に落ちた油は滑りやすいので、すぐに拭き取っておきましょう。

室内ドアでも同じ方法で調整できますか

ドアの上部に箱型の本体が付いていれば、考え方は同じです。丁番やドアの中に閉まる仕組みを組み込んだタイプは、調整する場所も方法も違うので、ドアのメーカーの説明書を確かめてください。

まとめ|ドアクローザーの調整は「少しずつ回す」「油漏れなら交換」

ドアクローザーを調整するときのポイントを、最後に整理します。

  • 最初に油のにじみを確かめる。油漏れは調整で直らず、本体ごとの交換になる
  • 速度調整ネジは本体の側面にある。回す向きや区間は機種で違うので、説明書を優先する
  • 回すのはほんの少しずつ。そのたびに開け閉めして確かめ、ゆるめすぎない
  • 直らないときは、取付ネジのゆるみ、ラッチや隙間テープ、換気扇による気圧の差を確かめる
  • 賃貸は管理会社や大家さんへ、分譲マンションは管理組合へ先に確認する
静かに閉まった玄関ドアと片付けた踏み台

まずは本体とアームに油のにじみがないかを見て、なければ取扱説明書で調整ネジの位置を確かめるところから始めてください。

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