豚汁を多めに作って冷凍するなら、にんじん・ごぼう・きのこ・油揚げ・長ねぎ・豚肉は入れたままで大丈夫です。一方、じゃがいも・こんにゃく・豆腐は凍らせると食感が変わりやすいので、冷凍する分からは外し、温めるときに足すほうが失敗しにくくなります。大根と里芋は切り方しだいです。この記事では、具ごとの向き不向きを一覧にしたうえで、変わりやすい具の扱い方、味噌を入れる前と後のどちらで凍らせるか、解凍して温め直す手順までを順にまとめます。具だくさんで作った日の残りを、次もおいしく食べるための目安にしてください。
具だくさんの豚汁を冷凍するときに向く具材と、向かない具材
汁物を凍らせると、具の中の水分が氷になってふくらみ、組織を壊します。解凍するとその水分が抜けるため、水分をたっぷり抱えた具や、でんぷんの多い芋ほど、スカスカしたり、ぼそぼそしたりしやすくなります。豚汁によく入る具を、一般に言われる傾向で分けると次のとおりです。
| 具材 | 冷凍との相性 | 凍らせたときの変化 | 扱い方 |
|---|---|---|---|
| にんじん・ごぼう | 向く | 繊維がしっかりしていて、薄切りなら変化が小さい | そのまま |
| きのこ・油揚げ | 向く | 食感の変化が小さく、うまみが汁に残る | そのまま |
| 長ねぎ | 向く | くたっとするが、煮込んだねぎと大差ない | そのまま |
| 豚肉 | 向く | 薄切りなら気になりにくい。赤身は少し固くなることがある | そのまま |
| 大根 | 切り方しだい | 厚いと水っぽく、筋っぽく感じやすい | 薄いいちょう切りにする |
| 里芋 | 切り方しだい | じゃがいもよりは変わりにくいが、やわらかく崩れやすくなる | 小さめに切る |
| じゃがいも | 向かない | 水分が抜けて、ぼそぼそした口当たりになる | 外すか、つぶす |
| こんにゃく | 向かない | 水分が抜けて固くなり、スポンジのような歯ざわりになる | 外して後入れ |
| 豆腐 | 向かない | すが入り、高野豆腐に近い食感になる | 外して後入れ |
「向かない」とした具も、食べられなくなるわけではありません。変わるのは食感なので、小さく切ってあれば気にならない人もいます。ただ、具の多い豚汁は一口にいろいろな具が入るぶん、食感の変わった具がひとつあると目立ちます。冷凍するつもりで多めに作る日は、にんじん・ごぼう・きのこ・油揚げを増やしてかさを出しておくと、解凍後も食べごたえが残ります。

食感が変わりやすい具は「外す・小さく切る・つぶす」で対処する
食感が変わりやすい具の扱いは、どこに手間をかけるかで3通りあります。
冷凍する分から外して、温めるときに足す
いちばん確実なのは、凍らせる分に入れないことです。保存容器に移すときにお玉と箸でよけて、その日のうちに食べる方法がひとつ。もうひとつは、冷凍向きの具だけで煮て冷凍する分を先に取り分け、鍋に残った当日分にじゃがいもや豆腐を加えて仕上げる方法です。
後から足す具は、温め直しの鍋に入れるだけで済みます。豆腐は切って入れ、中まで温まれば十分です。じゃがいもは小さく切って電子レンジでやわらかくしてから加えると、煮る時間を短くできます。こんにゃくはアク抜き済みのものをちぎって入れ、数分煮て味をなじませます。
入れたまま凍らせるなら、小さく薄く切る
よけるのが面倒なときは、切り方で変化を目立たなくします。大根は厚さ3mmほどのいちょう切り、里芋は一口の半分くらいが目安です。厚みがあるほど中に水分を抱えるので、解凍後に水っぽさや筋っぽさが出やすくなります。こんにゃくも薄くそぐか細かくちぎっておけば、固さが気になりにくくなります。
じゃがいもはつぶして汁になじませる
じゃがいもを入れたまま凍らせたいなら、容器に移す前にお玉の背で粗くつぶします。形が残っているとぼそぼそしますが、つぶして汁に溶かせばとろみになるだけで、口当たりは気になりません。里芋が崩れたときも、軽く混ぜてなじませれば同じように食べられます。
豆腐は、凍らせると汁をよく吸う高野豆腐のような食感になります。これが好みなら、入れたままで構いません。

冷ましてから温め直すまでの手順と、味噌を入れるタイミング
粗熱を早く取り、1食分ずつ汁ごと小分けにする
鍋のまま常温に長く置くのは避けます。汁物や煮込み料理では、加熱しても生き残る種類の菌が、ゆっくり冷める間に増えることがあるためです。残った分は次の順で冷凍庫へ移します。
- 鍋底を氷水に当てるか、浅い容器に移して、手で触れるくらいまで冷ます
- 1食分ずつ、冷凍用の保存袋か保存容器に入れる。具が汁から出ると乾きやすいので、汁も一緒に入れる
- 保存袋は空気を抜いて口を閉じ、金属のトレーにのせて平らに凍らせる。容器は凍ると中身がふくらむので、8分目までにする
- 日付を書き、冷めたらすぐ冷凍庫に入れる
保存袋は、コップやどんぶりにかぶせて口を広げると注ぎやすくなります。平らに凍らせた袋は立てて並べられ、解凍も早く済みます。保存は2〜3週間を目安に、早めに食べ切ってください。家庭の冷凍庫は開け閉めのたびに温度が上がるので、長く置くほど霜がつき、風味が落ちていきます。
味噌を入れる前に凍らせるか、入れてから凍らせるか
豚汁は、味噌を溶く前の「具をだしで煮た状態」でも冷凍できます。どちらにも利点があります。
| 比べる点 | 味噌を入れる前に冷凍 | 味噌を入れてから冷凍 |
|---|---|---|
| 温めるときの手間 | 沸かしてから味噌を溶く | 沸かすだけ |
| 香り | 溶きたての香りが立つ | やや弱くなる |
| 味の調整 | その場で濃さを決められる | 温め直しで煮詰まり、濃くなりやすい |
| 向いている場面 | 冷凍用に多めに作る日 | 食べ残した分を保存する日 |
冷凍用に多めに作る日は、味噌を入れる直前に鍋から取り分けておくと、香りよく仕上がります。しょうゆ味の汁物にしたり、カレールウを溶いたりと、味つけを変えて使うこともできます。味噌を入れて凍らせたものは、香りが物足りなければ火を止める直前に味噌を少し足すと整います。
解凍して温め直す
解凍は、前の晩に冷蔵庫へ移しておくのが確実です。急ぐときは袋の外から流水を当て、中身が袋からはがれる程度にゆるんだら、かたまりのまま鍋に入れて弱めの中火にかけます。焦げつきが心配なら水を大さじ2〜3足してください。常温に出したまま溶かすのは避けます。
温め直しは鍋が向いています。全体を混ぜながら、ぐつぐつ沸くところまでしっかり火を通せるからです。後入れの豆腐やじゃがいもはここで加えます。電子レンジを使うなら耐熱の器に移し、途中で一度かき混ぜて、中心まで熱くなったか確かめます。解凍したものをもう一度凍らせることはせず、温めた分は食べ切ってください。

よくある質問
じゃがいもを入れたまま冷凍してしまいました。食べられますか?
食べること自体に問題はありません。解凍するとぼそぼそ、ざらっと感じることがありますが、温め直すときにお玉の背でつぶして汁になじませると気にならなくなります。
冷凍した豚汁はどのくらいもちますか?
2〜3週間を目安に、早めに食べ切るのがおすすめです。凍らせていても、少しずつ霜や冷凍庫のにおいがつき、味は落ちていきます。袋に日付を書いて古いものから使い、解凍して変なにおいがするときは食べないでください。
解凍したら味が薄く、水っぽく感じます
具から出た水分で汁が薄まっていることがあります。ふたをせずに少し煮て水分を飛ばすか、味噌を少量足して整えます。
冷蔵と冷凍、どちらで保存すればいいですか?
翌日か翌々日までに食べ切れる量なら冷蔵で足ります。その場合も鍋のまま置かず、冷まして保存容器に移し、食べる前にしっかり沸かします。それより先になりそうな分は、作った日のうちに冷凍へ回してください。

まとめ
- 入れたまま凍らせやすいのは、にんじん・ごぼう・きのこ・油揚げ・長ねぎ・豚肉
- じゃがいも・こんにゃく・豆腐は外して、温め直すときに足すのが確実
- 大根と里芋は小さく薄く切れば気になりにくい。じゃがいもはつぶせば入れたままでもよい
- 粗熱を早く取り、1食分ずつ汁ごと小分けにして、2〜3週間を目安に食べ切る
- 冷凍用に作る日は、味噌を入れる前に取り分けると香りよく仕上がる
- 温め直しは鍋でしっかり沸かし、再冷凍はしない
次に豚汁を多めに作るときは、冷凍する分だけじゃがいも・こんにゃく・豆腐をよけて、保存袋に小分けするところから試してみてください。


