延長コードが熱いときの危険とタコ足配線の目安|W数の足し算と、使うのをやめるサイン

延長コードが熱いときの危険とタコ足配線の目安のイメージ画像 トラブル解決

延長コードやテーブルタップが触って熱いと感じたら、そのまま使い続けず、つないでいる機器のスイッチを切って電源プラグを抜いてください。NITE(製品評価技術基盤機構)も、異常に熱くなることを使用をやめるサインの一つに挙げています。熱を持つ原因として注意したいのは、同時に使う機器の消費電力の合計がタップの上限を超えている、コードを束ねたまま使っている、プラグのまわりにほこりがたまっている、といった使い方です。この記事では、延長コードが熱いときの危険とタコ足配線の目安を、消費電力の足し算、熱を持たせない使い方、買い替えの目安の順にまとめます。

延長コードが熱いと感じたら、まず確かめること

熱さは温度の数字で判断しないでください。埼玉県消費生活支援センターの「テーブルタップの発熱等に関するテスト」(2023年)でも、同じ消費電力をかけたときの温まり方は製品によって大きく違いました。触って「熱い」と感じたら、それだけで使うのをやめる理由になります。

すぐに使うのをやめたいサイン

NITEや埼玉県消費生活支援センターは、次のような状態を使用中止のサインに挙げています。

  • コードやプラグ、タップ本体が触って熱い。コードの一部だけが熱い
  • 焦げたようなにおいがする
  • 差し込み口やプラグが変色している、焦げ跡がある
  • プラグの抜き差しがゆるい、がたつく
  • コードを動かすと、つないだ機器がついたり消えたりする
  • プラグの刃が曲がっている、コードにひび割れや傷がある

当てはまったら、機器のスイッチを切ってプラグを抜き、そのタップは使わずに新しいものに替えます。テープで補修したり、分解して直したりはしないでください。家電側のプラグが変形しているときは、その家電も使わずにメーカーや販売店に相談します(NITE)。煙や火が出ていれば近づかずに119番へ。壁のコンセント側が熱い、変色しているときは、電気工事店(賃貸なら管理会社)に点検を頼みます。

熱を持つ主な原因

注意したいのは、消費電力の合計が上限を超えている、コードを束ねている、家具の下敷きや踏みつけでコードやプラグが傷んでいる、プラグのまわりにほこりがたまっている、といった使い方です。長年使って中が傷んでいることもあります。

NITEの注意喚起「ホコリも積もれば事故となる」(2024年11月)によると、2019年度から2023年度の5年間に、コンセント・マルチタップ・延長コード・テーブルタップの事故は153件あり、調査が終わったもののうち約4割は使い方や設置のしかたが関係していました。NITEの以前の集計(2015〜2019年度)では、使い方や設置状況による配線器具の火災でいちばん多かったのが、ほこりや水分によるトラッキング現象です。

差しっぱなしのプラグのすき間にほこりがたまり、湿気が加わると、刃の間で小さな火花が繰り返し飛びます。やがて樹脂が炭のようになって電気の通り道ができ、異常に発熱して発火します(NITE)。

電源プラグ(刃の付け根に変色や焦げ跡がないか確かめる)

タコ足配線の目安は、同時に使う機器の合計W数で決まる

上限はタップ本体に書いてある

テーブルタップや延長コードには、つないでよい消費電力の上限(最大消費電力)か定格電流が決まっていて、本体やパッケージに書かれています(NITE)。テーブルタップの定格は一般的に15A・1,500Wですが(埼玉県消費生活支援センター)、延長コードには7Aや10Aのものもあるので、表示を確かめてください。家庭の電気は100Vなので、100Wで約1A、1,000Wで約10Aと換算できます(NITE)。差し込み口の数だけ機器を使ってよいわけではありません。

主な家電の消費電力の目安

NITEがまとめた目安です。実際の値は機種で違うので、本体の表示や取扱説明書で確かめます。

家電 消費電力の目安
電子レンジ(30Lクラス) 1,500W
電気ケトル、アイロン 1,200〜1,400W
ホットプレート、オーブントースター 1,300W
ヘアドライヤー 600〜1,200W
電気温風暖房機 600〜1,200W
電気カーペット 250〜750W
電気こたつ 500W
液晶テレビ(50インチ) 120〜160W
ノートパソコン 30〜50W
スマートフォン用充電器 3〜10W

足し算の例

  • 1,200Wの電気ケトルと500Wの電気こたつ:合計1,700Wで、1,500Wのタップでは上限を超える
  • 150Wのテレビ、50Wのノートパソコン、10Wの充電器:合計210Wで、範囲に収まる

数えるのは「同時に使う機器」の合計です。

壁のコンセントも二口で1,500Wまで

一般的な二口の壁のコンセントは、二口の合計で1,500Wまでです。片方に1,000Wの機器をつないだら、もう片方は500Wまでしか使えません(NITE)。タップ側で1,400W使っているときに、もう一口で1,000Wの掃除機を使えば合計2,400Wです(埼玉県消費生活支援センターの例)。ブレーカーは作動するまでに時間がかかる場合があるので、落ちないから大丈夫とも言えません(NITE)。

タップにタップをつながない

タップの先にさらにタップをつなぐと、それぞれは上限内でも、壁に近い元のタップには全部の合計が流れて発熱するおそれがあります(NITE)。

差し込み口を2つ空けて使っている、白い4口のテーブルタップ

熱を持たせない使い方と、買い替えの目安

消費電力の大きい家電は、壁のコンセントに直接

暖房器具や電気ケトル、電子レンジのように消費電力の大きい家電は、タップを通さず壁のコンセントから直接電源をとります(埼玉県消費生活支援センター)。延長コードやテーブルタップの使用を禁止している家電もあり、パナソニックはオイルヒーター・食器洗浄機・エアコンを、国民生活センターは炊飯器を例に挙げています。エアコンは動き始めに一時的に大きな電流が流れるため、上限内でもタップを使うと異常に発熱するおそれがあります(NITE)。つなぐ前に取扱説明書を確かめてください。

コードを束ねない、巻いたまま使わない

束ねたまま使うと熱が逃げにくくなり、コードの温度が上がります(NITE)。NITEの再現実験では、定格7Aの延長コードを束ね、それを超える1,300W(13A)のホットプレートを使ったところ、約25分後に束ねた部分から発火しました。電気用品安全法でも、テーブルタップ(延長コードセット)には「束ねて使用しない」旨の表示が求められています。コードリールは、巻いたままと全部引き出したときで上限が違う製品があります。

家具の下敷きにしない、踏まない

机や椅子の脚で踏む、家具の下やドアに挟む、ステープルや釘で留めるといった使い方は、中の銅線を少しずつ傷めます(NITE、埼玉県消費生活支援センター)。銅線が一部切れると、そこだけ電気の通り道が細くなって発熱します。NITEには、強く折り曲げられ、布団の下に挟まれていたコードが断線して出火した事例も報告されています。プラグはコードではなく本体を持って抜きます。

ほこりと水分を取り除く

プラグは奥までしっかり差し込み、定期的にほこりを取ります。掃除は必ずプラグを抜いてから、乾いた布でから拭きします。アルコールスプレーなどの液体を差し込み口にかけると、かえってショートやトラッキング現象の原因になります(NITE)。水槽や台所の近くでは、水のかからない位置に置いてください。

何も差していないテーブルタップの差し込み口を、乾いた布でから拭きしているところ

買い替えの目安は3〜5年

パナソニックは、日本配線システム工業会の推奨として、テーブルタップの交換の目安を3〜5年としています(保証期間や耐用年数ではありません)。コードが硬くなった、熱い、電気が途切れるといった状態なら、年数に関係なく取り替えます。使い始めた日をタップに書いておき、1年に一度を目安に掃除と点検をすると管理しやすくなります(埼玉県消費生活支援センター)。

買い替えるなら、消費電力の大きい家電をつなぐ場所には差し込み口の少ないもの、ずっと差しておく場所にはブレーカーや差し込み口のシャッターが付いたものが向いています(同センター)。コードは、束ねずに済み、引っ張らずに届く長さを選びます。

よくある質問

ほんのり温かい程度でも、使うのをやめたほうがいいですか?

電気を流せばコードやプラグはある程度温まり、つなぐ消費電力が大きいほど温度は上がります(埼玉県のテスト)。温かい程度なら、まず同時に使っている機器の合計と、コードを束ねていないかを見直してください。熱いと感じる、一部だけ熱い、においがするときは、使うのをやめて取り替えます。

コードが長くて余るときは、まとめておいてもいいですか?

輪にして束ねたまま使うのは避けます(NITE)。置き場所に合った長さのものに替えるのがいちばん確実です。替えるまでは束ねずに伸ばし、家具の下や人の通る場所を避けて通します。

輪にして束ねたまま床に置かれた白い延長コード(このまま使うのは避ける)

ブレーカー付きのテーブルタップなら安心ですか?

上限の超過や異常な発熱を検知して電気を止める製品は、NITEも買い替えの参考に挙げています。ただ、束ねる、踏む、ほこりをためるといった使い方をしてよい理由にはならないので、ほかの注意はそのまま守ってください。

コンセントが足りないときは、どうすればいいですか?

使っていない機器のプラグを抜き、消費電力の大きい家電を同時に使わないだけでも負担は減ります。コンセント自体を増やす工事は電気工事士の資格が必要なので、電気工事店に相談します。賃貸なら、先に管理会社や大家さんに確認してください。

まとめ

延長コードやタップが触って熱いと感じたら、熱いこと自体を使用中止のサインと考えます。見直すポイントは次のとおりです。

  • 同時に使う機器の消費電力の合計が、タップの上限(一般的に1,500W)と、壁のコンセントの二口合計1,500Wを超えていないか
  • タップにタップをつないでいないか。大きな家電は壁のコンセントに直接つないでいるか
  • コードを束ねたり、家具の下敷きにしたりしていないか
  • プラグのまわりにほこりがたまっていないか(掃除はプラグを抜いてから、から拭き)
  • 焦げたにおい、変色、プラグのゆるみや変形がないか。使い始めて3〜5年たっていないか
壁のコンセントに直接つないだ電気ケトル

まずは、いちばん大きな家電をつないでいるタップの表示を見て、同時に使っている機器の消費電力を足してみてください。

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