栗きんとんは、さつまいもと市販の栗の甘露煮があれば、家庭でも1時間ほどで作れます。皮を厚くむいたさつまいもをやわらかくゆで、熱いうちにつぶして、砂糖と甘露煮のシロップで練り、最後に栗を混ぜるだけです。澄んだ黄金色に仕上げる決め手は、皮を厚めにむいて水にさらすことと、ゆでるときにクチナシの実を入れること。この記事では、さつまいもで作る栗きんとんの簡単な作り方を、さつまいも500gと甘露煮1瓶の分量、鍋で作る基本の手順、電子レンジや裏ごしを省く方法、おせち用に作り置くときの日持ちの目安の順に紹介します。
材料はさつまいもと栗の甘露煮が中心。分量の目安と選び方

栗きんとんは、さつまいもで作る黄色いあんに、栗の甘露煮を混ぜた料理です。特別な道具はいらず、鍋と木べら、つぶすためのマッシャーがあれば作れます。甘露煮の瓶に入っているシロップも、甘みとつやを足す調味料として使うので、捨てずに取っておきます。
材料の目安(4〜6人分)
| 材料 | 分量の目安 | メモ |
|---|---|---|
| さつまいも | 2本(皮をむいて正味500gほど) | 皮を厚めにむくので、買うときは600〜700gを目安に |
| 栗の甘露煮 | 1瓶(栗10〜12粒ほど) | 瓶の大きさで粒数は変わる |
| 甘露煮のシロップ | 大さじ4〜5 | 瓶に入っている分を使う |
| 砂糖 | 120〜150g | 甘さ控えめなら100gほどから |
| みりん | 大さじ2 | つやが出る。なければ省いてよい |
| 塩 | ひとつまみ | 甘みが引き締まる |
| クチナシの実 | 1個 | あれば。黄色く色付けるために使う |
さつまいもは、ホクホク系でもねっとり系でも作れる
紅あずまや鳴門金時のようなホクホクした品種は、練るとぽってりとまとまります。紅はるかや安納芋のようなねっとり系は、甘みが強くなめらかに仕上がりますが、水分が多いぶん練り上げに少し時間がかかります。どちらでも作れるので、手に入るもので大丈夫です。買ってきたさつまいもの甘みをもう少し引き出したいときの寝かせ方は、「さつまいもを甘くする追熟と保存のコツ|常温で寝かせて低温で焼く甘さの作り方」で紹介しています。
おせちでは「金団」と書く縁起物
おせちに入る栗きんとんは、漢字で「金団」と書きます。農林水産省の「おせちは一年の幸を願う料理。おせちを知って作ってみよう!」でも、黄金色をしていることから金運上昇を願う料理として紹介されています。おせち用は、とくに色よく仕上げたいところです。同じページでは、黒豆には、まめに(まじめによく)働けるようにとの願いが込められているとされています。黒豆も一緒に用意するなら、「黒豆がしわにならない煮方のコツ|煮汁から出さず冷めるまで浸けておく」が参考になります。
鍋で作る基本の手順と、澄んだ黄色に仕上げるコツ

- 皮を厚くむいて切る:さつまいもを1.5cmほどの厚さの輪切りにし、皮を3〜5mmほど厚めにむく。
- 水にさらす:たっぷりの水に10分ほどさらし、途中で1回水を替える。
- クチナシの実と一緒にゆでる:鍋に水気を切ったさつまいもと、かぶるくらいの水、お茶パックに入れたクチナシの実を入れて火にかける。沸いたら弱めの中火にし、竹串がすっと通るまで10〜15分ほどゆでる。
- 熱いうちにつぶす:クチナシを取り出してゆで湯を捨て、熱いうちにマッシャーでつぶす。なめらかにしたいときは裏ごしする。
- 砂糖とシロップで練る:鍋に戻して砂糖の半量、甘露煮のシロップ、みりん、塩を加え、弱火で木べらを鍋底から動かして練る。なじんだら残りの砂糖を加え、つやが出るまで練る。
- 栗を混ぜて冷ます:火を止める直前に甘露煮の栗を加えてさっくり混ぜ、バットなどに広げて冷ます。
皮を厚くむいて水にさらすのは、色と口当たりのため
さつまいもを輪切りにすると、皮から数mm内側に輪のような線が見えます。この線より外側は繊維が多く、残すとあんに筋や黒っぽい点が混ざり、口当たりもざらつきます。皮だけを薄くむくのではなく、その輪の内側までむくつもりで厚めにむくと、黄色が澄んで仕上がります。むいた皮は、きんぴらやかき揚げに回せば無駄になりません。
切ったあとに水にさらすのは、アクを抜いて切り口の黒ずみを防ぐためです。変色する仕組みとさらす時間の目安は、「さつまいもを切った後の変色を防ぐ方法|水にさらす時間と冷蔵・冷凍の使い分けで断面を白いまま保つ」で詳しく紹介しています。
クチナシの実は、割ってお茶パックに入れる
クチナシの実は、栗きんとんの色付けによく使われる、乾燥させた実です。年末が近づくと、スーパーの乾物売り場などで見かけることがあります。使うときは、1個を半分に割るか、麺棒で軽くたたいてつぶし、お茶パックやキッチンペーパーに包んでゆで湯に入れます。殻や種がさつまいもにくっつかず、取り出すのも簡単です。好みの色が付いたら、ゆでている途中で引き上げてもかまいません。
練り上げは「少しやわらかい」ところで火を止める
あんは冷めると固くなります。鍋の中で好みの固さまで練ってしまうと、冷めたときにぼそぼそした仕上がりになりがちです。木べらですくって落としたとき、ぽってりと山になり、ゆっくり形がくずれるくらいが火を止める目安です。練っている間は熱いあんがはねやすいので、弱火を守り、手元に気をつけてください。鍋底が焦げると色がくすむので、木べらは底をこするように動かします。甘露煮の栗はくずれやすいので、練り終わってから加え、混ぜすぎないのがきれいに仕上げるコツです。
もっと手軽に作るコツと、作り置き・保存の目安

ゆでる代わりに電子レンジで加熱する
鍋でゆでる手間を省きたいときは、電子レンジでも作れます。皮を厚くむいて輪切りにし、水にさらしたさつまいもを耐熱ボウルに入れ、水大さじ2〜3をふって、ふんわりとラップをかけます。600Wで5〜6分加熱したら上下を返し、竹串がすっと通るまで1〜2分ずつ足して加熱します。加熱時間はさつまいもの量や機種で変わるので、様子を見ながら調整してください。熱いうちにつぶしたら、あとは鍋で練る手順と同じです。
レンジではクチナシの実で色を付けにくいので、仕上がりはさつまいもそのままの淡い黄色になります。黄色をはっきり出したいときは、鍋でゆでる方法が向いています。
裏ごしを省くなら、熱いうちにしっかりつぶす
裏ごしは、なめらかな口当たりにするための工程です。省いても十分おいしく、粒が少し残る素朴な家庭の味になります。省く場合は、ゆで上がった直後の熱いうちにマッシャーでつぶすのがコツです。冷めると繊維がほぐれにくくなり、つぶし残しが増えます。もう少しなめらかにしたいときは、つぶしたあとに目の粗いざるに入れ、木べらで押しつけるだけでも、口に残る繊維がかなり減ります。
甘露煮がなければ、むき甘栗でも作れる
栗の甘露煮が手に入らないときは、市販のむき甘栗でも作れます。甘露煮のようなシロップがないので、砂糖を少し増やすか、水あめを大さじ1〜2加えてつやを補います。香ばしさがあり、甘露煮で作るのとはまた違った風味になります。
おせち用は年末の1〜2日前に作る
家庭で作った栗きんとんは、市販品ほど日持ちしません。清潔な保存容器に平らに入れ、表面にラップを密着させてからふたをして冷蔵庫へ入れます。元日に食べるなら、12月30日か大みそかに作るとちょうどよいタイミングです。それより前に作っておきたい場合は、冷凍しておきます。
| 保存方法 | 日持ちの目安 | ポイント |
|---|---|---|
| 冷蔵 | 3〜4日 | 表面にラップを密着させ、取り分けは清潔なスプーンで |
| 冷凍 | 1か月ほど | 1回に食べる分ずつラップで包み、保存袋に入れて空気を抜く |
| 解凍後 | 2日ほど | 前日に冷蔵庫へ移し、ゆっくり解凍する |
日持ちは家庭での一般的な目安で、作ったときの衛生状態や砂糖の量、冷蔵庫の状態で変わります。酸っぱいにおいがする、糸を引く、カビが生えているといった変化があれば、食べずに処分してください。
栗きんとん作りでよくある質問

クチナシの実がないと作れませんか?
なくても作れます。色はさつまいもそのままの淡い黄色になりますが、皮を厚めにむいて水にさらすだけでも、くすみの少ない色に仕上がります。黄色をはっきり出したいときに足す材料と考えてかまいません。
あんがゆるい、または固くなりすぎたときは?
ゆるいときは、もう一度弱火にかけて、水分を飛ばすように練ります。冷めてから固く感じたときは、甘露煮のシロップかぬるま湯を小さじ1ずつ加えて混ぜ、好みの固さに戻します。一度に多く足すとゆるくなりすぎるので、少しずつ加えるのがコツです。
砂糖を減らしても大丈夫ですか?
甘さは好みで減らせます。ただし、砂糖は甘みだけでなく、つやとまとまりも生むので、減らすとぼそっとした仕上がりになりやすくなります。甘露煮のシロップやみりんでつやを補い、甘さを控えたぶん、冷蔵で早めに食べ切ってください。
さつまいも1本だけで作るときの分量は?
さつまいも1本(正味250gほど)なら、この記事の分量をすべて半分にします。甘露煮は栗とシロップを半分ずつ使い、残りは瓶の表示に従って保存して、栗ご飯などに回すとよいでしょう。
まとめ:皮を厚くむき、熱いうちにつぶすのが近道

- 材料は、さつまいも(正味500g)と栗の甘露煮1瓶、砂糖、甘露煮のシロップが基本
- 皮は輪の線の内側まで厚くむき、水にさらしてからゆでると、黄色が澄んで仕上がる
- クチナシの実はお茶パックに入れてゆで湯へ。なくても作れる
- 練り上げは冷めると固くなるので、少しやわらかいところで火を止める
- 手軽にするなら電子レンジで加熱し、裏ごしは熱いうちにしっかりつぶして代える
- 冷蔵は3〜4日、冷凍は1か月ほどが目安。おせち用は年末の1〜2日前に作る
残った栗きんとんは、ひと口分をラップで包んで上をねじれば茶巾しぼりになり、お茶うけにもなります。まずはさつまいも2本と栗の甘露煮1瓶を用意して、年末の予定に合わせて作る日を決めておきましょう。

