入浴剤を入れたお湯を追い焚きしても大丈夫かどうかは、入浴剤の種類で決まります。お湯に完全に溶けて浴槽の底が見えるような一般的な入浴剤なら、たいていは問題ありません。気をつけたいのは、白くにごるタイプ、硫黄や塩を含むもの、炭酸ガスの泡が出るもの、とろみ系や牛乳・ゆずなどの食品系です。追い焚きでは浴槽のお湯が給湯器の中を通るため、成分によっては部品の傷みや詰まりにつながります。この記事では、給湯器メーカーと入浴剤メーカーの案内をもとに、種類ごとの扱いと、手元の入浴剤の見分け方を紹介します。
追い焚きで入浴剤が問題になる理由と、種類ごとの目安
多くの家庭の追い焚きは、浴槽のお湯を循環口から吸い込み、給湯器で温めて浴槽へ戻す仕組みです(ノーリツのコラム)。入浴剤を入れたお湯も、そのまま給湯器の中を通ります。
アース製薬は、一般に売られている入浴剤のほとんどは中性や弱アルカリ性で、浴槽や風呂釜を傷めることはないとしています(入浴剤を入れたお湯は、沸かし直しても問題ない?)。困るのは一部の種類だけで、理由は「金属を傷める」「機器の中にたまる・詰まる」「泡が循環をじゃまする」「かすが雑菌のえさになる」の4つに分かれます。
リンナイのFAQ「お風呂に使用できる入浴剤は?」とノーリツのFAQ「使用できる入浴剤の種類」を並べると、次のとおりです。リンナイは「使用しない」、ノーリツは「追いだき・保温のときは控える」と、書き方が違うものがあります。
| 入浴剤の種類 | リンナイのFAQ | ノーリツのFAQ |
|---|---|---|
| お湯に溶けて透明になるもの | バスクリン、バスロマン(にごりタイプ・パウダー配合タイプを除く)は使用可能 | お湯に完全に溶けて、浴槽の底が見える程度の透明感があるものは使用できる |
| にごり湯(乳白色・白濁)、パウダー配合 | 使用しない | 追いだき時・保温時は控える |
| 硫黄(湯の花など)、塩(バスソルト) | 硫黄・酸・アルカリ・塩分を含むものは使用しない | 追いだき時・保温時は控える |
| 炭酸ガスなどの発泡系、バスバブル | 使用しない | ガスが出ている間は追いだきしない |
| とろみ系、ミルク配合のもの | 使用しない | FAQに項目なし |
| 生薬など葉や茎の入ったもの、牛乳・お茶・お酒・ゆずを入れる場合 | 生薬など(葉、茎などの固形のもの)は使用しない | 使っている間は追いだき・保温をしない |
表の「保温」は、お湯の温度を保つために自動で温め直す機能です。入れたままだと、ボタンを押さなくても入浴剤入りのお湯が温め直されることがあります。

にごり湯・硫黄と塩・炭酸・食品系は、それぞれ何が困るのか
にごり湯タイプ:フィルターの詰まりと、機器内部の傷み
乳白色や白く濁る入浴剤には「無機系酸化チタン」が含まれている場合があり、これが研磨剤のように働いて、繰り返し使うと給湯機器やふろがまの内部を劣化させるおそれがある、とノーリツは説明しています。アース製薬は「バスロマン」のQ&Aで、にごり成分が循環口のフィルターを目詰まりさせたり、自動停止センサーが働いて追焚き機能が止まったりすることがあるとしています。
見落としやすいのが、スキンケア用の入浴剤です。花王は「キュレル 入浴剤」や「エモリカ 薬用スキンケア入浴液」を、お湯に入れると乳化して白濁する入浴剤だとしたうえで、風呂釜の取扱説明書に「白濁する入浴剤は使用しないでください」とある機種もあるので確かめるよう案内しています。粉末のにごり湯に限らず、お湯が白く濁るものは同じ扱いと考えておくと迷いません。
硫黄・塩を含むもの:金属の腐食
ノーリツは、硫黄成分が入ったもの(温泉地などで売られている「湯の花」など)や、ソルト(塩)系の入浴剤は金属を腐食させる場合があり、故障の原因になりうるとしています。アース製薬も、イオウ入りの入浴剤や一部のバスソルトは、沸かし直すと配管や風呂釜を傷めるおそれがあるとしています。温泉みやげの湯の花や、贈り物のバスソルトを使う日は、追い焚きをしない前提にしておきましょう。
炭酸ガスの泡が出るもの:循環の不調
ノーリツは、炭酸ガスの泡が循環経路に入ると、異音が出たり、エアがみ(配管に空気をかみこむこと)を起こして循環がうまく働かなくなったりするおそれがあるとして、ガスが出ている間は追いだきをしないよう案内しています。花王も透明タイプの「バブ」のQ&Aで、追いだきの最中や直後に入れると炭酸ガスが循環パイプに入って誤作動を起こす場合があるとし、追いだきをしていないときに入れるよう書いています。リンナイは発泡系を使用しないものに挙げているので、炭酸系を使いたいときほど取扱説明書の確認が欠かせません。
とろみ系・食品系:詰まりと雑菌
とろみ系やミルク配合のもの、葉や茎の入った生薬などは、リンナイが使用しないものに挙げています。牛乳やお茶、お酒、ゆずなどを浴槽に入れる場合、ノーリツは、かすが細菌や微生物のえさになって繁殖しやすくなるとして、使っている間は追いだきと保温をせず、使い終わったらすぐに排水して追いだき配管を洗うよう勧めています。冬至のゆず湯の日は、追い焚きをしない段取りで入ると安心です。

手元の入浴剤を見分ける手順と、使う日の段取り
1. パッケージの表示を探す
ノーリツは、パッケージに次のような記載があるものを、追いだきに使える入浴剤としています。
- 「ふろがまや浴槽をいためません。」
- 「全自動強制循環式ふろがまにもお使いいただけます。」
- 「ふろがまや浴槽をいためるイオウは入っていません。」
アース製薬の製品では「本品には浴槽・風呂釜をいためるイオウは入っておりません。」といった書き方です。ただし同社は、イオウを含まない「バスロマン」のQ&Aでも、にごりタイプの入浴剤は給湯器の機種によって使えない場合があると注意しています。にごりや泡のタイプは、次の確認も行いましょう。
2. お湯に溶かしたときの見た目を見る
ノーリツの目安は、お湯に完全に溶けて、浴槽の底が見える程度に透けるかどうかです。色がついていても、底が見えれば透明なタイプです。白く濁って底が見えない、溶け残りが沈む、といった場合は、その日の追い焚きは控えます。塩や硫黄を含むものは、お湯が透明でも注意が要ります。
3. 給湯器の取扱説明書で入浴剤のページを開く
決め手になるのは、自宅の給湯器の取扱説明書です。花王は、機種によって「白濁する入浴剤は使用しないでください」と書かれていたり、炭酸ガス入りの入浴剤を使えなかったりするとして、確認を勧めています。手元にないときは、本体のラベルなどで型番(型式名)を確かめ、メーカーの公式サイトで探します(ノーリツやパロマは取扱説明書を公開しています)。
4. 分からなければメーカーに問い合わせる
表示のない入浴剤は入浴剤のメーカーに問い合わせるよう、ノーリツは案内しています。アース製薬は、にごりタイプで分からない点は給湯器のメーカーに確かめるよう勧めています。成分は入浴剤のメーカーに、機器で使えるかは給湯器のメーカーに聞くと、話が早く進みます。なお、バスクリンは2026年1月にアース製薬と合併し、「バスクリン」「きき湯」などの製品はアース製薬が引き継いでいます。
入浴剤を使う日の追い焚きと、使ったあとの手入れ
- 温め直してから入れる:家族が時間をずらして入る日は、追い焚きで温め直したあとに入浴剤を入れる順番にすると、入浴剤入りのお湯を機器に通さずに済みます。
- 保温を切っておく:にごり湯系や塩・硫黄を含むもの、牛乳やゆずなどを入れる日は、自動の保温も止めます。
- 使ったら早めに抜いて、循環口を洗う:花王とアース製薬は、にごりタイプを使ったあとは循環口のフィルターなどに残った白濁成分を洗い流すよう、ノーリツは使用後に追いだき配管を洗浄するよう案内しています。
- 異常が出たらやめる:追いだきができない、異音がするといったときは、すぐに使用を中止するようノーリツは書いています。
入浴剤をやめても追い焚きが効かない、リモコンにエラー表示が出る、というときは、入浴剤以外の原因も考えられます。確かめ方は、記事の最後の関連記事にまとめています。

よくある質問
エコキュートでも同じ考え方でいいですか?
機種ごとに確かめるのは同じです。花王は「バブ」とエコキュートについてのQ&Aで、Panasonic、三菱電機、日立、DENSO、CORONA、ダイキン、ノーリツのエコキュートでは「バブ」シリーズの使用を勧めてもらっているとしつつ、「バブ ミルキーアロマ」など、にごりタイプ・パウダー配合タイプの5製品は使えないとしています。各メーカーの取扱説明書でも確かめるよう添えています。
バスソルトやバスオイルは、追い焚きしても大丈夫ですか?
バスソルトは、ノーリツが塩系を腐食性のある入浴剤に挙げ、リンナイも塩分を含むものを使用しないとしているので、追い焚きと保温は控えるのが安全です。バスオイルは、リンナイが使用可能なものとして2つの商品名を挙げているだけで、バスオイル全般の可否は書いていません。ノーリツのFAQにも項目がないので、取扱説明書を確かめ、書かれていなければメーカーに尋ねてください。
にごり湯の入浴剤を入れたまま、うっかり追い焚きしてしまいました
入浴が終わったら早めにお湯を抜き、循環口のフィルターなどに残った白い成分を水で洗い流します。そのあと追い焚きができない、いつもと違う音がするといった場合は、入浴剤の使用をやめ、給湯器のメーカーや販売店に相談してください。

まとめ
追い焚きに使える入浴剤の種類と見分け方を、最後に整理します。
- お湯に完全に溶けて、浴槽の底が見えるような入浴剤は、追い焚きに使えるものが多い
- にごり湯・パウダー配合、硫黄や塩、炭酸ガスの泡、とろみ系・食品系は注意が要る。どこまで避けるかは、メーカーによって書き方が違う
- パッケージの表示、溶かしたときの見た目、給湯器の取扱説明書の順に確かめる
- 使う日は、温め直してから入れ、保温を切り、使ったら早めに抜いて循環口を洗う
今夜入浴剤を使う前に、給湯器の取扱説明書で入浴剤のページを開き、手元のパッケージの表示と照らし合わせてみてください。


