家庭用消火器の使用期限と処分方法|期限の見方と、ごみに出せない古い消火器の手放し方

家庭用消火器の使用期限と処分方法のイメージ画像 未分類

家にある消火器の使用期限は、住宅用ならおおむね5年、業務用ならおおむね10年が目安です。まずは本体のラベルや裏側で、製造年と期限を確かめてください。期限が過ぎた消火器や、さび・へこみのある消火器は、ふつうのごみには出せません。メーカーの団体が運営するリサイクルの仕組みを使い、指定引取場所への持ち込み、特定窓口への依頼、ゆうパックでの回収のどれかで手放します。この記事では、家庭用消火器の使用期限と処分方法を、表示の見方、窓口ごとの費用、処分の手順、古い消火器を扱うときの注意の順にまとめます。

消火器の使用期限は、本体の表示で確かめる

期限を知る手がかりは、消火器そのものに書かれています。消火器リサイクル推進センターによると、すべての消火器には本体に製造年が表示されていて、耐用年数の目安は住宅用が5年、業務用が10年です。製品によっては使用期限(または品質保証期間)も書かれているので、その場合は書かれた日付に従います。

住宅用と業務用で、目安が違う

種類 見分け方 使用期限の目安
住宅用消火器 ラベルに「住宅用消火器」と書かれている。軽く、色やデザインが豊富なものが多い 製造からおおむね5年。薬剤の詰め替えはできないので、本体ごと交換する
業務用の消火器 「住宅用消火器」と書かれていない、赤い消火器。お店や事務所に置いてあるものと同じ 製造からおおむね10年。自治体によっては8〜10年と案内している(鹿児島市など)

家庭にも、業務用の赤い消火器を置いていることはよくあります。2011年以降の新しい規格の業務用消火器には、設計上の使用期限と、加圧式か蓄圧式かの区別が本体に書かれています。古いものは製造年から数えてください。表示は正面のラベルや本体の裏側にあることが多いので、本体を回して探します。

期限内でも交換を考えたい状態

  • 本体やキャップ(首の部分)、底にさびや腐食がある
  • 本体がへこんでいる、変形している
  • ホースやノズルにひび割れがある、ホースが外れている
  • 黄色い安全栓が抜けている、操作レバーが曲がっている
  • 圧力計が付いているものは、針が緑色の範囲から外れている

鹿児島市は、期限内でも容器が腐食していれば新しいものに交換するよう案内し、半年に1回の自主点検を勧めています。

玄関の靴箱の横に置いた、赤い住宅用消火器

ごみには出せない。消火器を手放す3つの方法と費用

消防庁の「住宅用消火器」のページは「消火器は一般廃棄物として出せません」と明記しています。横浜市・札幌市・堺市なども、消火器をごみとして収集していません。燃えないごみや粗大ごみの日に出すのではなく、消火器メーカーの団体(日本消火器工業会)が運営するリサイクルの仕組みを使います。国内メーカーの消火器であれば、どこのメーカーのものでも対象です。ただし、ごく古い型の一部など対象外の品目もあるので、迷ったら窓口に確かめます。

方法 どこで・どうする かかる費用
指定引取場所に持ち込む 消火器メーカーの営業所などで、全国に約200か所。自分で運ぶ リサイクルシール代だけ。シールが貼ってあれば、持ち込み時の追加費用はかからない
特定窓口に持ち込む・引き取りを頼む 消火器の販売店や防災設備の業者で、全国に約5,000か所。引き取りに来られない窓口もある シール代に加え、持ち込みなら保管費など、引き取りなら収集運搬費などがかかる
ゆうパックで送る 事前に申し込むと専用の箱と伝票が届き、箱に詰めて発送する。薬剤量3kg(3L)以下が対象 1本6,270円(税込)。箱が届いたときに代金引換で払う

特定窓口の費用は窓口ごとに違い、運ぶ距離でも変わるので、頼む前に金額を確かめます。販売店が特定窓口になっていれば、買い替えと処分を一緒に相談できます。

ゆうパックの料金は、受付をしている初田製作所の案内ページに載っている価格(2020年1月改定)です。申し込みは専用コールセンター(0120-822-306)か受付ページからで、申し込んだ後のキャンセルや変更はできません。据え置き型や、薬剤量が3kgを超える消火器はゆうパックでは送れないため、持ち込みにします。

リサイクルシールが要るかどうか

2010年以降に製造された消火器には、リサイクル費用を前払いした「新品用リサイクルシール」が最初から貼られています。この場合、シールを買い足す必要はありません。2009年以前に作られた消火器にはシールが無いので、窓口で「既販品用リサイクルシール」を買って貼ります。シールの無い消火器は引き取ってもらえません。

シールはオープン価格で、値段は窓口ごとに違います。家庭向けには、推進センターから小型用シールを1枚600円(送料と代引手数料は別、1回5枚まで)で取り寄せることもできます。シール自体にも有効期限があり、2010〜2013年ごろに作られた消火器のシールには、すでに期限が過ぎているものがあります。その場合は、窓口に扱いを確かめてください。

指定引取場所へ持ち込むため、車の荷室に立てて積み、段ボール箱で挟んで固定した消火器

古い消火器を処分する手順と、安全のための注意

次の順に進めると、窓口で断られる二度手間を防げます。

  1. 本体の表示を確かめる。製造年、住宅用か業務用か、薬剤量、リサイクルシールの有無と有効期限を見ます。
  2. 傷み具合を見る。さび・へこみ・変形がないか、黄色い安全栓が差さっているかを確かめます。安全栓が無いときは、レバーが動かないようテープで固定します(消防庁)。
  3. 窓口を選ぶ。推進センターのリサイクル窓口検索で近くの指定引取場所や特定窓口を探し、受付時間と費用を電話で確かめます。どこに出せばよいか迷ったら、同じサイトの「消火器処分診断」も使えます。
  4. シールを用意する。2009年以前に作られた消火器は、既販品用リサイクルシールを買って本体に貼ります。
  5. 持ち込むか、回収を申し込む。車で運ぶときは転がらないよう固定します。運べないときは、特定窓口の引き取りかゆうパックを申し込みます。

破裂事故を防ぐために、やってはいけないこと

腐食が進んだ消火器を操作したときに容器が破裂し、けがをする事故が起きています(消防庁の「老朽化した消火器の取扱いについて」)。容器に腐食や変形があると、レバーを握って中の圧力が上がったときに、その部分が耐えきれずに破裂することがあります。2009年に大阪市で起きた老朽化消火器の破裂事故などを受けて、2011年からは本体に安全上の注意を書くことが義務づけられました。

  • 「最後に使い切ろう」と放射しない。中身が残っていても、そのまま引き取ってもらえる
  • 分解しない。キャップをゆるめたり、ホースを外したりもしない
  • さびや変形があるものはレバーを握らず、落としたりぶつけたりしない
  • 消火の練習に使わない

とくに注意したいのは、古い「加圧式」の消火器です。推進センターは、加圧式は蓄圧式より経年劣化の危険が高いとしていて、消防庁も、腐食が進んだ加圧式は速やかに廃棄を頼むよう呼びかけています。住宅用消火器は蓄圧式で、破裂の心配はほとんどないとされていますが(消防庁)、傷んだものを放射しないのは同じです。ベランダや軒下、洗面所など湿気の多い場所に置いていた消火器は、底からさびやすいので念入りに見てください。

「消防署の方から来ました」という訪問販売に注意

消防署や消防団を名乗り、「消火器の期限が切れているので交換が必要」と言って高い値段で売りつける訪問販売が各地で報告されています。消防庁がまとめた2018年の事例には、住宅で期限切れを理由に消火器1本を16,000円で買わされた例や、消防署職員を名乗る男性から2万円で買わされた例が載っています。静岡市は、消防署では消火器の販売や回収を一切していないと案内しており、さいたま市によると、一般の家庭には消火器の設置や点検の義務もありません。その場で書類にサインせず、はっきり断ります。契約してしまったときは、クーリング・オフで取り消せる場合があるので、消費生活センター(消費者ホットライン188)に相談してください。

物置の床に置かれた古い消火器。底の近くの塗装にさびが出ている(このまま放射したり分解したりしない)

よくある質問

使い切って空になった消火器も、同じ方法で処分できますか?

できます。推進センターによると、使用済みの消火器もそのままの状態で回収してもらえます。残った粉を出そうとして振ったり、分解したりする必要はありません。ほかの消火器と同じく、シールの有無を確かめてから窓口に連絡します。

スプレー式の簡易消火具も引き取ってもらえますか?

エアゾール(スプレー)式の消火具は消火器ではないため、このリサイクルの対象外です。自治体のルールに従ってスプレー缶として出します。中身の出し方は製造元か販売元に問い合わせ、製造元が分からないときは日本消防検定協会の消費者相談(0422-44-8451)に相談できます。横浜市は、破裂事故が起きている一部の製品について、スプレー缶として出さずに製造業者へ問い合わせるよう案内しています。

期限が切れた消火器を、いざというときに使ってもいいですか?

頼りにしないほうが安全です。期限は、メーカーが設計上の目安として決めたもので、過ぎたものは見た目がきれいでも中が劣化しているおそれがあります。柏市は、耐用年数を過ぎた消火器には破裂のおそれがあるとしています。消防庁も、期限が切れたものは新しいものに交換するよう呼びかけています。

使い終わって中身が空になった消火器。ノズルの先と床に白い粉が少し残っている

まとめ

家庭用消火器の使用期限と処分方法で押さえたいのは、本体の表示で期限を確かめることと、ごみに出さずリサイクルの窓口に渡すことの2つです。期限は住宅用がおおむね5年、業務用がおおむね10年が目安です。期限が過ぎたものや、さび・へこみのあるものは、指定引取場所への持ち込み、特定窓口への依頼、ゆうパックのどれかで手放します。

  • 費用をおさえるなら、指定引取場所への持ち込み。2010年以降の製品はシールが貼ってある
  • 2009年以前の消火器は、既販品用リサイクルシールを買って貼る
  • 古い消火器は放射も分解もせず、安全栓を確かめてそのまま運ぶ
  • 交換や点検を迫る訪問者には、その場で応じない

まずは家にある消火器の製造年と期限を確かめ、過ぎていたら近くのリサイクル窓口を検索して、受付時間と費用を電話で聞いてみてください。

居間の出入り口近く、棚の横に置いた新しい住宅用消火器

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