冬の停電で暖房が使えないときの備え|電気なしで体を温める道具と、火を使うときの安全

冬の停電で暖房が使えないときの備えのイメージ画像 季節の悩み

冬に停電すると、エアコンやファンヒーター、こたつ、電気毛布はもちろん、多くのガス給湯器や床暖房も止まります。備えの中心は、電気がなくても体温を保てる道具を、平時にそろえておくことです。重ね着できる衣類、毛布や寝袋、アルミシート、使い捨てカイロ、湯たんぽと湯を沸かす手段があれば、火を使わなくても寒さをしのぎやすくなります。電源の要らない石油ストーブなどを使う場合は、換気と一酸化炭素への注意が欠かせません。この記事では、止まる暖房と動く暖房の整理、火を使わない備え、火を使うときの安全、電気が戻るときの注意を順にまとめます。

停電で止まる暖房と、電気がなくても動く暖房

まず、家の暖房が停電時に動くかどうかを確かめます。燃料がガスや灯油でも、点火や送風、制御に電気を使う器具は止まります。

暖房・給湯 停電時 平時に確かめること
エアコン、電気ストーブ、こたつ、電気毛布、ホットカーペット 使えない 代わりに体を温める道具があるか
石油・ガスのファンヒーター、FF式ストーブ コンセントにつなぐ機種は使えない 取扱説明書の停電時の項目
床暖房、ガス・石油の給湯器 多くは動かず、お湯も出ない 機種ごとの停電時の動き
電源の要らない石油ストーブ 使える 灯油、点火用の乾電池、試し運転
屋内用のカセットガスストーブ 使える 屋内用の表示、ボンベの本数

見落としやすいのが石油ファンヒーターです。灯油で燃えていても、コンセントが要る機種は停電で止まります。寒くなる前に取扱説明書を開き、電気に頼らない手段を1つ決めておきます。

停電したら、熱を出す電気器具のプラグを抜く

電気が戻った瞬間、スイッチが入ったままの電気ストーブやこたつ、アイロン、ドライヤーが再び熱を持ち、近くの布団や衣類に火がつくことがあります。消費者庁も、停電時は電気ストーブなどの電熱器具の電源プラグを抜き、避難で家を離れるときは、時間に余裕があれば分電盤のブレーカーを切るよう呼びかけています。復旧後は、器具やコードに異常がないかを見てから、1台ずつプラグを差してください。

コンセントから抜いた電気ストーブのプラグ

火を使わずに体を温める備え|着る・包む・部屋を絞る

火を使わない方法は、一酸化炭素の心配がなく、夜中の停電でもすぐに始められます。暖を取る手段は、まずここから整えます。

着るもの・包むものを人数分

  • 重ね着:肌着、フリースやセーター、風を通さない上着の順に重ねる。帽子、ネックウォーマー、厚手の靴下、手袋で、首・手首・足首を覆う
  • 毛布・寝袋:冬用の寝袋は、布団の中に入れても使える
  • アルミシート(保温シート):体に巻くほか、敷布団の下に敷いて床からの冷えを減らす
  • 使い捨てカイロ:有効期限を見て、冬の前に入れ替える
  • 湯たんぽ:湯を沸かす手段(カセットこんろとボンベなど)と一緒に用意する
  • 着替え:汗や雪で湿った服のままだと体が冷えるので、すぐ替えられるようにする

水や食料の備蓄は、最低3日分、できれば1週間分が目安とよく言われます。カイロやボンベ、乾電池も同じ日数で数えると、足りないものが見えてきます。

一部屋に集まり、窓と床の冷気を断つ

  • 家族は日当たりのよい一部屋に集まり、ドアやふすまを閉める
  • カーテンは、日が落ちる前に閉める。丈が足りなければ、毛布やバスタオルを足す
  • 床に段ボールやラグ、マットを重ね、その上で過ごす。寝るときも敷布団の下に敷く
  • 室内に小型のテントを張り、その中で過ごす方法もある。テントの中で火は使わない
  • 温かい飲み物や食事をとる。保温ボトルに湯を入れておくと、沸かす回数を減らせる

カイロと湯たんぽは低温やけどに注意

心地よい温度でも、同じ場所に長く当たると低温やけどになります。カイロは肌に直接当てず、つけたまま眠らないこと。湯たんぽはカバーや厚手のタオルで包みます。政府広報オンラインでも、湯たんぽは寝る前に布団を温めるのに使い、寝るときは布団から取り出すよう案内されています。乳幼児や高齢の人は、とくに気をつけてください。詳しい使い方は「湯たんぽ 低温やけど 対策|寝る前に温めて寝るときは出す使い方」にまとめています。

畳んだ毛布とアルミシート、カイロ、湯たんぽ

火を使う暖房は、屋内用の器具を換気しながら使う

屋内で使ってよいのは、屋内用として売られている器具だけです。電源の要らない石油ストーブや、屋内用のカセットガスストーブがこれに当たります。使い方は、取扱説明書の指示を優先してください。初めての器具を停電の夜にいきなり使うのは危険なので、明るいうちに点火と消火を試しておきます。

換気をして、寝るときは消す

換気が足りないと不完全燃焼が起き、一酸化炭素が出ます。色もにおいもないので、気づかないうちに濃くなります。停電中は換気扇が回りません。寒くても、1時間に1〜2回を目安に窓を開けてください。器具は布団・カーテン・洗濯物から離して置き、寝るときと部屋を離れるときは必ず消します。給油も、火を消してから行います。換気の目安や警報器については、「石油ストーブ 換気 頻度 一酸化炭素|換気の目安と中毒の初期症状・CO警報器の選び方」で詳しく扱っています。

一酸化炭素中毒につながる、やってはいけない使い方

  • 七輪、練炭、木炭、バーベキューこんろ:室内、玄関、車庫、車内、テント内で使わない
  • カセットこんろ:調理や湯沸かしのための器具。換気しながら使い、暖房代わりにつけっぱなしにしない
  • 屋外専用と表示されたストーブやランタン:室内に持ち込まない
  • 発電機:屋内では絶対に動かさない。車内やテント内も同じように危険で、屋外でも窓や出入口から離す

車で暖を取るとき

雪でマフラー(排気口)のまわりが埋まると、排ガスが車内に入り込みます。エンジンをかけるなら、マフラーのまわりをこまめに除雪してください。窓を少し開けるだけでは防ぎきれないことがあるので、眠るときや雪が降り続くときはエンジンを切ります。車庫の中ではエンジンをかけないでください。

頭痛・吐き気・めまいを感じたら

風邪や疲れと決めつけず、すぐに窓を開けて器具を止め、全員で屋外へ出ます。ためらわず119番に通報してください。症状が軽くなっても、換気が済むまで部屋には戻りません。

無理をせず、暖の取れる場所へ移る

高齢の人、乳幼児、持病のある人がいる家庭は、寒さをがまんしないでください。停電が長引きそうなら、自治体の避難所や、電気の通っている親族・知人の家へ早めに移ります。暗くなってからの移動は危ないので、明るいうちに判断します。避難所の場所と開設の状況は、自治体の防災情報で確かめてください。

周りに物を置かずに据えた石油ストーブと少し開けた窓

よくある質問

石油ファンヒーターは、ポータブル電源があれば動かせますか?

動く場合もありますが、点火のときに大きな電力を使う機種があります。ヒーターの消費電力と電源の定格出力を、双方の取扱説明書で確かめてください。消費電力の小さい電気毛布のほうが、ポータブル電源では使いやすい暖房です。

停電中、ガスこんろで湯を沸かせますか?

乾電池で点火するガスこんろは、ガスが止まっていなければ使えます。IHこんろは使えないので、カセットこんろとボンベを備えておきます。火を使う間は、窓を開けて換気します。

灯油やカセットボンベは、どのくらい用意すればいいですか?

必要な量は、機種や火力、部屋の広さ、何時間使うかで大きく変わるため、一律には言えません。取扱説明書に書かれた燃焼時間をもとに、使う時間を決めて計算します。灯油は前のシーズンから持ち越したものを使わず、新しいものを用意してください。

棚に並べた懐中電灯と乾電池、取扱説明書

まとめ|電気に頼らない暖を1つ決め、禁止事項を家族で共有する

冬の停電で暖房が使えないときの備えは、寒くなる前に次の5つを済ませておけば形になります。

  1. 家の暖房と給湯器が停電時に動くかを、取扱説明書で確かめる
  2. 重ね着、毛布、アルミシート、カイロ、湯たんぽと、湯を沸かす手段をそろえる
  3. 火を使う暖房は屋内用だけを選び、燃料と乾電池を確かめて試し運転をする
  4. 七輪や練炭は室内で使わない、カセットこんろを暖房代わりにしない、発電機は屋内で動かさない、と家族で確認する
  5. 停電したら電熱器具のプラグを抜き、家を空けるときはブレーカーを切ると決めておく

まずは今週、いちばん長く過ごす部屋の暖房の取扱説明書を開き、停電時にどうなるかを確かめてみてください。

玄関の収納にまとめた毛布と防災リュック

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