セラミックヒーターの温風がぬるい原因|設定・フィルター・コンセントの順に確かめる直し方

セラミックヒーターの温風がぬるい原因のイメージ画像 トラブル解決

セラミックヒーターの温風がぬるいと感じても、すぐに故障と決めつける必要はありません。メーカー各社のよくある質問や取扱説明書で、まず確かめるよう挙げられているのは、吸気フィルターのほこり詰まりと、弱運転や室温センサーによる自動の切り替えです。もともと部屋全体より近くをすばやく暖めるのが得意な暖房なので、広い部屋では物足りなく感じることもあります。この記事では、セラミックヒーターの温風がぬるい原因を確かめる順番、フィルターの掃除のしかた、延長コードを使わない理由、点検を頼む目安を順にまとめます。

セラミックヒーターの暖まり方と、ぬるく感じる主な原因

部屋全体より、近くを暖めるのが得意な暖房

セラミックヒーターは、電気で熱くしたセラミックの発熱体に風を通して温風を出す暖房です。すぐに暖かい風が出る反面、使える電力には上限があり、NITE(製品評価技術基盤機構)の資料では消費電力の目安は1,200Wです。

シャープのHX-LS1形(1,200W)の取扱説明書では、強運転での暖房の目安は、断熱材のない木造住宅で約3畳、断熱材50mmの木造住宅でも約6畳です(日本電機工業会の統一基準)。灯油を燃やす石油ファンヒーターは、たとえばダイニチのFW-3225NE(暖房出力3.20kW)で木造9畳までが目安です。広い部屋で使うと、本体から離れるほど温風がぬるく感じられます。

広いリビングの床に置いた、小さなセラミックヒーター

原因と、確かめる順番

手間のかからないものから並べると、次のようになります。

順番 考えられる原因 こんなときに疑う
1 弱運転・設定温度 弱にしている、運転を始めた直後、設定温度が低め
2 室温センサー・人感センサー 部屋が暖まると弱まる、じっとしていると止まる
3 吸気フィルター・吹出口のほこり 風の勢いが前より弱い、途中で止まる
4 部屋の広さ・置き場所 離れると暖かくない、本体が傾いている
5 延長コード・タコ足配線 延長コードやテーブルタップにつないでいる
6 本体の不具合 1〜5を確かめても、買ったころより明らかにぬるい

こんなときは、原因探しより先に使うのをやめる

  • 焦げたようなにおいや、いつもと違う音がする
  • 電源プラグや電源コードが、素手でさわれないほど熱い
  • コードを動かすと、ついたり消えたりする
  • 本体や操作部が異常に熱い

当てはまったら運転を止めて電源プラグを抜き、販売店かメーカーの窓口に点検を頼みます(パナソニック・シャープの案内)。分解して内部をいじらないでください。

運転モードとセンサーの自動制御を確かめる

弱運転と、切り替えた直後

弱運転では温風の温度が下がります。パナソニックは、弱運転中はヒーターへの通電を制御して温度を下げているため、吹出口の一部から冷たい風が出ることがあり、故障ではないとしています。同社によると、強弱を切り替えた直後も、温度はすぐには変わらず徐々に切り替わります。シャープのHX-LS1形は、ブレーカーを落ちにくくするために少しずつ能力を上げるので、強運転になるまで約20秒かかります。

室温センサーと設定温度

室温センサーの付いた機種は、部屋が暖まると自分で温風を弱めます。パナソニックの案内では、室温が上がると強から弱に切り替わり、さらに暖まると約10分間送風してから止まります。日立の「温風おまかせ運転」も、室温が上がりすぎると約10分間送風したあとで止まります。山善のDHF-K123のように、室温センサーで一定の温度に保ち、暖めすぎを防ぐ機種もあります。設定温度が低すぎないか、室温に合わせて自動で調整する運転になっていないかを確かめ、手動の強運転にして様子を見てください。

人感センサーと、加湿だけの運転

人感センサーの付いた機種は、人の動きを検知できないと止まります。シャープのHX-LS1形では、人が静止しているとセンサーが検知しなくなり、設定時間のあとに運転を停止します。室温と体温の差が小さいと検知しにくい、とも書かれています。机でじっと作業していると止まりやすいのはこのためです。

加湿機能付きの機種で加湿だけの運転にしているなら、温風運転に切り替えます。パナソニックによると、加湿だけの運転のあたたかさは温風の「弱」と同じくらいで、水が気化するときに熱を奪うため、使う環境によっては冷たい風が出ることもあります。

机の下に置き、足元に向けたセラミックヒーター

フィルターの掃除と、置き場所・コンセントの見直し

吸気フィルターと吹出口のほこりを取る

設定に問題がないのに風が前より弱いなら、吸気フィルターを見ます。シャープは「温風の吹き出しが弱い」とき、日立は「風量が少ない」ときの確認として、吸気フィルターのほこり詰まりを挙げています。詰まると安全装置が働いて運転が止まることもあります(シャープ・パナソニック・アイリスオーヤマ)。

  1. 運転を止め、電源プラグをコンセントから抜く
  2. 本体が冷めるまで待つ(パナソニックは停止後約15分が目安)
  3. 吸気フィルターを外し(外し方は説明書で確かめる)、掃除機でほこりを吸い取る
  4. 落ちにくいときは、説明書で水洗いできるとされている機種だけ水で軽く洗い、日陰で十分に乾かす(洗剤は使わない)
  5. 吹出口まわりのほこりも掃除機で吸い取り、フィルターを元どおりに付ける

水洗いの可否は機種で分かれ、パナソニックのDS-FKX1206などの吸気フィルターは水洗いできません。掃除の目安は、パナソニックもシャープも1週間に1回程度です。外したまま運転すると、ほこりが内部に入って故障の原因になります。本体は水洗いせず布で拭き、分解して内部を掃除するのはやめてください。

背面の吸気口に灰色のほこりがうっすら積もったセラミックヒーター

置き場所を見直す

  • 吹出口の前をあける:物でふさがれていると温風が届きません。シャープは「温風の吹き出しが弱い」ときの確認に吹出口がふさがれていないかを挙げ、カーテンや壁・家具から離して置くよう案内しています
  • 水平な場所に置く:傾いていると、転倒したときに止まる装置が働いて運転しないことがあります(シャープ・パナソニック)
  • 暖めたい場所の近くで使う:足元や机の下など、体の近くに置きます。NITEは布団や衣類などの燃えやすい物が暖房器具にふれて起きる火災に注意を呼びかけているので、周りに物を置かないでください

延長コードやタコ足配線につながない

パナソニックは延長コードを使わないよう案内し、タコ足配線などで定格を超えると発熱による火災の原因になるとしています。シャープも、延長コードやタコ足配線はコンセント部が異常発熱して火災の原因になると注意しています。アイリスオーヤマは「ヒーターが温かくならない」ときの確認の一つに延長コード・タコ足配線を挙げています。NITEも、配線器具の定格を超えて使い、電源コードが異常に熱くなった事故を報告しています。壁のコンセントに直接つないでください。

それでもぬるいときは、点検を頼む

国民生活センターが公表した事例では、購入当初に比べて生ぬるい風が出るようになったセラミックファンヒーターを調べたところ、何らかの原因でヒーターの抵抗が大きくなり、新品のときより発熱量が落ちていたと考えられました。見た目では分からない変化なので、自分で直そうとせず、販売店かメーカーの修理窓口に相談します。

よくある質問

買ったばかりなのに温風がぬるいのは、不良品ですか?

強運転になっているか、室温センサーで弱まっていないかを先に確かめます。暖房の目安は木造で3〜6畳ほど(シャープHX-LS1形)なので、広い部屋の離れた場所ではぬるく感じます。近くで強運転にしても温かい風が出ないなら、保証書を用意して購入した販売店に相談してください。

弱運転にすると、電気代はどれくらい違いますか?

電気代は「消費電力(kW)×時間(h)×単価(円/kWh)」で計算します。全国家庭電気製品公正取引協議会の目安単価31円/kWh(税込、2022年7月改定)で計算すると、1,200Wで1時間なら1.2×1×31=約37円、弱で600Wの機種なら0.6×1×31=約19円です。弱の消費電力は機種で違い、シャープのHX-LS1形は550Wです。実際の単価は契約によって変わります。

焦げたようなにおいがします。使い続けて大丈夫ですか?

いったん運転を止めて電源プラグを抜いてください。パナソニックによると、吸気フィルターが目詰まりすると本体の温度が上がり、焦げたようなにおいがすることがあります。冷めてからフィルターを掃除し、それでもにおう、異音がする、コードやプラグが熱いときは、使わずに点検を頼みます。

コンセントが遠くて、延長コードを使いたいときは?

延長コードは使わず、ヒーターをコンセントの近くに置き直します。シャープのHX-LS1形は、100V15A(1500W)以上のコンセントを使い、ほかの電気製品と同時に使わないよう求めています。洗面化粧台や学習机のコンセントは容量が足りない場合がある、とも書かれています。

壁のコンセントに直接つないだセラミックヒーター

まとめ

セラミックヒーターの温風がぬるい原因は、故障だけではありません。次の順に確かめます。

  • 強運転になっているか。室温センサーや人感センサーで弱まっていないか
  • 吸気フィルターと吹出口にほこりが詰まっていないか(掃除は電源プラグを抜き、冷めてから)
  • 部屋が広すぎないか。吹出口がふさがれたり、本体が傾いたりしていないか
  • 延長コードやテーブルタップにつないでいないか
  • 焦げたにおい・異音・コードやプラグの異常な熱があれば、使うのをやめて点検を頼む
水洗いしたあと、日陰でタオルの上に置いて乾かしている吸気フィルター

まずは運転を止めて電源プラグを抜き、本体が冷めたら、吸気フィルターにほこりがたまっていないかを見てみてください。

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