冷凍パイシートで作るアップルパイの簡単な作り方|失敗しやすい6つの原因と焼き時間の目安

冷凍パイシートで作るアップルパイの簡単な作り方のイメージ画像 料理・食材保存

アップルパイは、冷凍パイシートを使えば生地作りを省いて家庭のオーブンで焼けます。失敗を減らすには作業の順番が大切です。まずりんごを煮て水分を飛ばし、しっかり冷まします。次にオーブンを200℃に予熱し、パイシートは半解凍で止め、蒸気を逃がす切り込みを入れて手早く包みます。あとは卵液を表面だけに塗り、焼き色を見ながら焼くだけです。底が生焼けになる、層がふくらまない、焼いている途中で中身があふれるといった失敗の多くは、りんごの水分と生地の温度に原因があります。この記事では、原因を先回りしてつぶす手順と、初めてでも扱いやすい形の選び方を紹介します。

冷凍パイシートのアップルパイが失敗する6つの原因と作業の順番

冷凍パイシートは、冷たさが残っているうちに手早く作業するほど扱いやすく、層もきれいに出ます。そこで、時間のかかるりんごの準備を最初に済ませ、パイシートはいちばん最後に冷凍庫から出す段取りにします。

  1. りんごを煮て水分を飛ばし、バットに広げて冷ます
  2. オーブンを200℃に予熱し始める
  3. パイシートを冷凍庫から出し、半解凍にする
  4. 切り込みを入れた生地でフィリングを包み、縁を閉じる
  5. 表面に卵液を塗り、予熱が終わったオーブンで焼く

うまくいかないときの原因は、主に次の6つです。どれも手順の途中で防げます。

  • パイシートを解凍しすぎる:生地のバターがゆるんでべたつき、層がきれいに出にくくなります
  • りんごの水分が多い:汁気が底の生地にしみ込み、生焼けやべちゃつきにつながります
  • フィリングを熱いままのせる:熱で生地のバターが溶け出し、サクサクした食感が損なわれます
  • 切り込みや空気穴がない:中の蒸気の逃げ場がなくなり、閉じ目が開いて中身があふれやすくなります
  • 卵液が切り口に付く:卵が付いた部分は、層の厚みが出なくなることがあります
  • 予熱が足りない:庫内が温まりきる前に入れると、ふくらむより先にバターが溶け出してしまいます

このあとは、6つの原因をどの工程でつぶすのかを順に見ていきます。

冷凍パイシートとりんご、砂糖、レモンを並べたアップルパイの材料

りんごのフィリングは水分を飛ばして冷ます

材料の目安と、品種に合わせた砂糖の加減

1枚約100gのパイシートを4枚使う場合、りんご大きめ2個、砂糖60g、レモン汁小さじ2、バター15gが目安です。好みでシナモンを少量加えます。

アップルパイに使うりんごは、酸味が強く煮崩れしにくい紅玉が定番とされています。とはいえ時期や店によっては手に入りにくいので、ふじなど身近な品種で作ってかまいません。甘みが強く果汁も多い品種は、次のように加減します。

  • 紅玉:砂糖は皮と芯を除いた重さの15〜20%前後
  • ふじなど甘みの強い品種:砂糖を10〜12%ほどに控え、レモン汁を多めにする。りんごはやや厚めに切る

大きめのりんご2個は、皮と芯を除くと500〜600gほどになります。500gなら紅玉で75〜100g、ふじで50〜60gという計算です。先ほどの砂糖60gはふじ向きの量にあたるので、紅玉なら少し増やし、煮ている途中で味を見て調整してください。

鍋で煮る場合

  1. りんごは皮と芯を除き、厚さ1cmほどのいちょう切りにする
  2. 鍋にりんご、砂糖、レモン汁を入れ、中火で10〜15分ほど煮る
  3. 水分がほぼなくなり、りんごが透き通ってきたら火を止め、バターとシナモンを混ぜる

時間はあくまで目安です。鍋を傾けても汁がほとんど流れてこない状態まで煮詰めてください。ここで水分を残すと、底の生焼けにそのままつながります。

電子レンジで作る場合

鍋を出したくないときはレンジでも作れます。耐熱容器に一口大に切ったりんご、砂糖、レモン汁、バターを入れて混ぜ、ふんわりラップをかけて600Wで7分ほど加熱します。いったん取り出して混ぜ、今度はラップを外して3〜5分。これはりんご約600gの場合の目安なので、量が少なければ短めにして様子を見ましょう。加熱後に汁が残っていたら、切ってから使います。

冷ますところまでがフィリング作り

煮上がったらバットや平らな皿に広げ、触っても温かさを感じなくなるまで冷まします。鍋に入れたままにするより、広げたほうが早く冷めます。

ただし、冷やしすぎにも注意が必要です。パイシートのメーカーは、底がサクッと焼けないときの対策のひとつに、フィリングを冷たいまま使わないことを挙げています。冷蔵庫で冷やした場合は、包む少し前に出しておくと安心です。

小鍋で煮詰めたつやのあるりんごのフィリング

解凍から焼き上がりまで:形の選び方と焼き時間の目安

パイシートは半解凍で止める

解凍は、室温に5〜10分ほど置くか、作業の10分ほど前に冷蔵庫へ移すのが目安です。包丁がすっと入り、曲げても割れないけれど、触るとまだ冷たい。このくらいが扱いやすい状態といえます。室温や季節で進み方が変わるため、時間よりも手触りで判断しましょう。解凍時間も、パイシートのパッケージの表示を優先してください。

作業の途中で生地がやわらかくなってきたら、無理に続けず、いったん冷蔵庫に入れて冷やし直します。

初めてならスティック型が扱いやすい

同じ材料でも、形によって難しさが変わります。代表的な3つを比べました。

形 作り方 つまずきやすい点 向いている人
スティック型(長方形) 長方形の生地にフィリングをのせ、切り込みを入れた同じ大きさの生地を重ねて縁を閉じる 少ない。まっすぐ切って閉じるだけで、型もいらない 初めて作る人
三角折り 正方形に切った生地を対角線で折って包む フィリングを入れすぎると、角や閉じ目からはみ出しやすい 小さめのおやつをいくつも作りたい人
ホール型 パイ皿に敷いてフィリングを詰め、帯状に切った生地を格子に組む パイ皿が必要。底に火が通りにくく、焼き時間も長め 何度か作って慣れた人

スティック型は底が天板にじかに当たるので火が通りやすく、焼き上がりを裏返して確かめるのも簡単です。まずはこの形で、解凍の加減と焼き色の感覚をつかむとよいでしょう。

包むときのポイント

  • フィリングは縁を1cmほど残してのせる。のせすぎると閉じ目が開きやすい
  • 縁に水を薄く塗って貼り合わせ、フォークの背で押さえてしっかり閉じる
  • 底になる生地には、フォークで全体に穴をあけておく。穴あき加工済みの商品ならそのままでよい
  • 上にかぶせる生地には、先に切り込みを数本入れておく。これが蒸気の逃げ道になる
  • 卵液(卵黄に少量の水を混ぜたもの)は上面だけに薄く塗り、切り口や側面には付けない
切り込みを入れて天板に並べた焼く前のスティック型アップルパイ

オーブンの温度と時間

オーブンは200℃に予熱し、予熱が終わってから天板を入れます。最初は200℃で15〜20分。表面に焼き色がついてきたら180℃に下げ、さらに10〜20分焼きます。全体では25〜40分が目安で、小さく作ったものは短め、りんごをたっぷり詰めたホール型は長めです。

この数字は、パイシートのメーカーや製菓材料店が公開しているレシピに共通する範囲をまとめたものです。オーブンの機種やパイの大きさで変わるので、温度と時間はパイシートのパッケージの表示を優先し、最後は焼き色で判断してください。

  • 焼き上がりの目安は、表面だけでなく底にもしっかり焼き色がついていること
  • 表面が先に色づいたら、アルミホイルをかぶせて焼き続ける
  • 温度を下げるときは、なるべく扉を開けない
  • 焼けたら網にのせ、冷めてから切る。そのほうがきれいに切れる

よくある質問

オーブントースターでも焼けますか?

小さく成形したものなら焼けます。ただ、トースターは熱源が近く、中まで火が通る前に表面が焦げやすいのが難点です。レシピサイトでは「200℃または1000Wで15〜20分」を目安に、焼き色が濃くなったらアルミホイルをかぶせる方法が紹介されています。機種による差が大きいため、そばを離れずに様子を見てください。大きなホール型は、オーブンで焼くほうが確実です。

焼く前の状態で冷凍しておけますか?

包んでから冷凍すると、一度解凍したパイシートをもう一度凍らせることになります。再冷凍してよいかどうかは、まずパッケージの表示で確認してください。表示が見当たらなければ、成形後の冷凍は避けるのが無難です。

作り置きしたいなら、フィリングだけ前日に作って冷蔵しておき、当日に包んで焼く方法が手軽です。焼いたアップルパイを冷凍する場合は、粗熱を取って1個ずつラップで包み、冷凍用の保存袋に入れます。2週間ほどを目安に、早めに食べきりましょう。

翌日にサクサク感を戻すには?

食べきれない分は、粗熱が取れたら1個ずつラップで包み、冷蔵庫に入れます。常温に置いたままにせず、翌日から2日ほどを目安に早めに食べてください。

温め直しはオーブントースターが向いています。アルミホイルをふんわりかぶせて2〜3分ほど温めると、生地の表面が乾いて食感が戻りやすくなります。電子レンジだけで温めると、蒸気で生地がしんなりしがちです。

卵がないときはどうすればいいですか?

卵液はつやと焼き色を出すためのものなので、塗らなくても焼けます。仕上がりは、つやが控えめで素朴な見た目になります。つやを足したいときは、焼き上がりにアプリコットジャムを薄く塗る方法があります。

半分に切って断面を見せたスティック型のアップルパイ

まとめ

冷凍パイシートのアップルパイは、難しい技術よりも段取りで仕上がりが決まります。

  • りんごは汁気がほぼなくなるまで煮詰め、冷ましてから使う
  • パイシートは半解凍で止め、やわらかくなったら冷蔵庫で冷やし直す
  • 切り込みで蒸気を逃がし、卵液は上面だけに塗る
  • 200℃に予熱して焼き始め、色づいたら180℃へ下げる。底の焼き色まで確かめる
  • 温度と時間は、パイシートのパッケージの表示を優先する

初めてなら、型のいらないスティック型から試してみてください。まずはりんごを2個用意して、フィリングを煮て冷ますところから始めましょう。

網の上で冷ましている焼きたてのスティック型アップルパイ

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