電気ストーブの片方がつかないときは、故障を疑う前に、切り替えスイッチが弱になっていないかを確かめてください。ヒーター管が2本ある機種には、弱では1本、強では2本が点くものが多く、弱で片方だけ光るのは正常な動きです。強に切り替えても片方が点かない場合は、ヒーター管の断線や内部の接触不良が考えられます。そのときは分解せず、電源プラグを抜いて使うのをやめ、メーカーや販売店に相談しましょう。この記事では、確かめる順番と、すぐに使うのをやめるべきサインをまとめます。
電気ストーブの片方がつかない原因と、最初に確かめること

ヒーター管が2本並んだ電気ストーブには、点く管の本数で暖かさを切り替える機種が多くあります。たとえば「400W/800W」と切り替える機種なら、弱(400W)では1本だけ、強(800W)では2本とも点くのが基本の動きです。弱で片方が暗いままなのは、壊れているのではなく、設定どおりに動いているだけということがよくあります。
3本の管を1本・2本・3本と切り替える機種もあり、どの設定で何本点くかは機種によって違います。取扱説明書の仕様や各部の名前のページに、消費電力の切り替えとヒーターの点き方が載っていることがあるので、手元にあれば一度目を通しておくと判断が早くなります。
見え方ごとに、考えられることとまずすることを整理しました。
| 見え方 | 考えられること | まずすること |
|---|---|---|
| 弱で片方だけ点く | 設定どおりの正常な動き | 強に切り替えて、2本とも点くかを見る |
| 強にしても片方が点かない | ヒーター管の断線、ガラス管の割れ、内部の接触不良など | 電源プラグを抜いて使うのをやめ、メーカーや販売店に相談する |
| 2本とも消える、点いたり消えたりする | 転倒時自動オフや過熱防止の安全装置の作動。故障のこともある | 置き場所と、前や上をふさいでいる物がないかを見直す |
| 焦げ臭い、異音がする、コードが熱い | 本体内部や電源コードの異常 | すぐに電源を切ってプラグを抜き、使うのをやめる |
まずは故障ではない理由から順につぶしていくのが近道です。ただし、焦げ臭さや異音があるときは、確かめるより先に使うのをやめてください。次の章で、設定と置き場所の確かめ方を見ていきます。
故障を疑う前に、設定と置き場所を見直す

切り替えスイッチを強にして、少し待つ
最初に、スイッチやダイヤルを強の位置に合わせます。表示は「強・弱」のほか、「400W・800W」のようなワット数や、「1・2」のような数字のこともあります。ダイヤル式なら、目盛りの位置をよく見て合わせ直してください。切り替えたら、すぐに判断せずしばらく様子を見ます。ヒーターの種類によって、点くまでの時間が違うためです。
ヒーターの種類で、点くまでの時間と光り方が違う
電気ストーブの発熱体には、おもに次の4つがあります。ここでの説明は一般的なもので、細かな特徴はメーカーや機種によって異なります。
| 種類 | 発熱体のつくり | 点き方の目安 |
|---|---|---|
| ハロゲンヒーター | 発熱体にハロゲンランプを使う | 電源を入れるとすぐ明るく光る |
| カーボンヒーター | ガラス管の中に炭素繊維の発熱体 | すぐ点き、ハロゲンよりやわらかいオレンジ色に光るものが多い |
| グラファイトヒーター | ガラス管の中に黒鉛(グラファイト)の発熱体 | すぐ点き、暖まるまでの速さを特長にした機種が多い |
| シーズヒーター | 金属のパイプの中に電熱線 | 赤くなるまで少し時間がかかり、光は控えめ |
ガラス管のタイプは、点いているかどうかがひと目で分かります。シーズヒーターは点けた直後は光らず、暖まるにつれて赤くなっていくので、強にしたあと数分待ってから判断してください。
自動で出力を下げる機能が働いていないか
室温センサーや人感センサー、エコ運転などの機能がある機種は、部屋が暖まったときや人がいないと判断したときに、自動で出力を下げたりヒーターを止めたりすることがあります。強にしたはずなのに途中から片方が消えるなら、こうした機能がオンになっていないかを確かめます。機能の名前や表示ランプの意味は機種ごとに違うので、取扱説明書で確認してください。
2本とも消えるなら、転倒時自動オフと過熱防止を疑う
多くの電気ストーブは底に転倒時自動オフのスイッチがあり、本体が倒れたり持ち上がったりすると電源が切れます。毛足の長いじゅうたんや傾いた床の上ではこのスイッチがきちんと押されず、2本とも消えたり、点いたり消えたりすることがあります。首振り運転のときだけ止まるなら、本体ががたついていないかも見てください。硬く平らな床に置き直すと直ることがあります。
前面や上に洗濯物や布がかかっていると、内部が熱くなって過熱防止の装置が働き、運転が止まることがあります。周りの物をどけて様子を見て、それでも止まるのを繰り返すなら故障も考えられるので、使うのをやめて相談してください。機種によっては、一度働くと部品の交換が必要になる安全装置もあり、その場合は電源を入れ直しても点きません。
強でも片方が点かないときは、故障を疑って使うのをやめる

強に切り替えて待っても片方が点かない場合は、本体の故障が考えられます。おもな原因は次の3つですが、外から見ただけでどれかを見分けるのは難しく、どれも家庭で直せるものではありません。
- ヒーター管の断線:長く使ううちに管の中の発熱体が切れると、その管だけが点かなくなります
- ガラス管のひびや割れ:ぶつけたり倒したりした衝撃で、ガラス管が割れることがあります
- 内部の接触不良:配線のつなぎ目やスイッチが傷むと、片方の管に電気が流れなくなります
確かめるときは、電源を切ってプラグを抜き、本体が十分に冷めてから、前面のガードの外から目で見るだけにします。点かない管にひびや割れがある、管の中の線が途中で切れて見える、といった様子があれば故障です。見た目に変わりがなくても、強で点かないなら故障と考えて相談します。ガードを外す、管に触る、ねじを開けて中を見る、といったことはしないでください。感電やけがのほか、組み直したあとの発熱や発火につながるおそれがあります。
すぐに使うのをやめたほうがいいサイン
- 焦げ臭いにおいがする、煙が出る
- パチパチ、ジーといった、いつもと違う音がする
- 電源コードやプラグが熱くなる、変色している
- 叩いたり揺らしたりすると、点いたり消えたりする
- ガラス管にひびや割れがある
こうしたサインがあるときは、もう片方が点いているからといって使い続けず、電源を切ってプラグを抜いてください。
問い合わせる前に控えておくこと
メーカーや販売店に相談するときは、本体の背面や底の表示で型番と製造年を確かめ、保証書と一緒に用意しておくと話が早く進みます。「強にしても下の管だけ点かない」「首振りのときだけ止まる」のように、どの設定でどう点かないかも伝えます。
ヒーター管の交換を受け付けるかどうか、修理できる期間がいつまでかは、メーカーや機種によって違います。年数がたった機種では、修理より買い替えをすすめられることもあります。交換用の管を自分で取り寄せて付け替えるのは、組み付けが不十分なまま使うことになりかねないので避けましょう。
点検のついでに、普段の使い方も見直す
NITE(製品評価技術基盤機構)は、電気ストーブによる火災について、布団や洗濯物など燃えやすい物の近くでの使用や、就寝中の使用に注意するよう呼びかけています。寝ているあいだに布団がずれてヒーターに触れたり、近くに干した洗濯物が落ちたりすると、火が出るおそれがあります。ストーブの前や上に物を置かない、寝るときや部屋を離れるときは電源を切る、といった基本もあわせて確かめておきましょう。
よくある質問

片方だけ点く状態で使い続けても大丈夫ですか?
弱の設定で片方だけ点いているなら、正常な動きなのでそのまま使えます。強にしても片方が点かない場合は、内部に何らかの異常がある状態です。暖かさが足りるからと使い続けず、電源プラグを抜いてメーカーや販売店に相談してください。
叩いたり揺すったりすると点くのはなぜですか?
内部の接触不良や、ヒーター管の発熱体が切れかけていることが考えられます。使っている途中で片方が点いたり消えたりを繰り返すときも同じです。点いたから直ったわけではなく、接触の悪い部分は熱を持つおそれがあります。叩いて直そうとせず、使うのをやめて相談しましょう。
ヒーター管だけ買って、自分で交換できますか?
多くの取扱説明書には、使う人が分解や修理をしないよう注意書きがあります。管の交換が必要かどうかも含めて、メーカーの修理窓口や販売店に相談するのが安全です。
弱で使うと、電気代はどのくらい変わりますか?
電気ストーブの電気代は、消費電力と使った時間でほぼ決まります。400W/800Wの機種なら、弱は強の半分の電力なので、同じ時間使ったときの電気代もおよそ半分です。実際の消費電力は、本体の表示や取扱説明書で確かめてください。
まとめ

- ヒーター管が2本の機種は、弱で1本・強で2本が点くものが多く、弱で片方だけ光るのは正常な動き
- 強にしたら少し待つ。シーズヒーターは赤くなるまで時間がかかる
- 2本とも消える、点いたり消えたりするなら、転倒時自動オフや過熱防止が働いていないかを見る
- 強でも片方が点かないなら、ヒーター管の断線や内部の接触不良が考えられる。分解せず、プラグを抜いて使うのをやめる
- 焦げ臭い、異音、コードの発熱があれば、すぐに使用を中止する
ストーブを直したり買い替えたりしても部屋がなかなか暖まらないときは、空気の流れや、窓から逃げていく熱にも原因があるかもしれません。部屋が暖まらないときに確かめる順番は、下の関連記事にまとめています。
まずはスイッチを強に合わせて2本とも点くかを確かめ、点かなければ型番を控えて、メーカーか販売店に問い合わせてください。

