ぶりのあらの下処理と臭みの取り方|塩・熱湯・冷水の3段階で血のかたまりとうろこを落とす

ぶりのあらの下処理と臭みの取り方のイメージ画像 料理・食材保存

ぶりのあらは、塩を振って10〜20分おき、熱湯をかけて表面が白くなったら冷水に取り、血のかたまり・残ったうろこ・ぬめりを指で洗い落とすと、生臭さがぐっと減ります。切り身と違って、あらには血合いや骨まわりの血、取り残しのうろこが多く付いています。ここを落とさずに煮ると、煮汁ごと生臭くなります。この記事では、ぶりのあらの下処理と臭みの取り方を手順どおりに説明し、湯の温度とくぐらせる時間、かま・頭・中骨それぞれの洗いどころ、ぶり大根・あら汁・あら煮での使い分け、使い切れない分の保存までまとめます。

ぶりのあらが生臭くなる理由と、買うとき・買った日に見るところ

あらは、魚を三枚におろして身を取ったあとに残る、頭・かま・中骨・腹骨などの部分です。うまみが強く値段も手ごろですが、切り身と同じ扱いでは生臭さが残ります。においや口当たりを悪くするものが、切り身よりずっと多く付いているためです。

  • 血合いと血のかたまり:ぶりのあらは血合いの部分が多く、骨の間や背骨沿いには血のかたまりが残っています。三重県の水産研究所は、この血のかたまりを生臭さのもととして、よく取り除くよう案内しています
  • うろこ:おろすときに取り切れなかったうろこが、皮やひれの付け根に残っています
  • ぬめり:皮の表面のぬめりも、においの原因になります
  • えらや内臓の残り:頭や腹骨のまわりに付いていることがあります

魚の生臭さには、大きく2つの原因があるとされています。ひとつは、時間がたつにつれて増えるトリメチルアミンという成分で、水に溶けやすい性質があります。もうひとつは、血合いや内臓に多い脂質が酸化して出るにおいです。血合いの多いあらは、この2つ目の元をたくさん抱えています。水でよく洗って血を落とすことが効くのは、そのためです。

ボウルに入れたぶりのあらと、下処理に使う塩・やかん・氷

売り場で見るところ

  • 血合いの色が鮮やかで、身に透明感があるもの。鮮度が落ちると、身が白くにごってきます
  • パックの底や吸水シートに、赤い汁(ドリップ)がたまっていないもの
  • 頭・かま・中骨・腹骨が偏りなく入っているもの。ぶり大根やあら煮は、いろいろな部位が混ざった状態で炊くのがよいとされています
  • パックが重ねて並んでいるときは、重みのかかる下のほうを避ける

下処理は買った当日に済ませる

においの成分は魚が死んだあとから増え始め、日がたつほど強くなります。パックのまま冷蔵庫に置くと、にじみ出た血や汁にあらが浸かったままになります。買った日のうちに下処理まで済ませるのが基本です。その日に煮ない場合も、次に説明する塩と熱湯の工程だけは先に済ませておきます。

塩・熱湯・冷水の順に進める、霜降りのやり方

あらの下ごしらえの中心は「霜降り」です。熱湯で表面の脂・血・ぬめりを落とす方法で、湯をかけると表面が白くなることからこう呼ばれます。用意するのは、ざる、あらがすっぽり入るボウル、塩、たっぷりの湯、冷水です。

  1. 流水で洗う:パックから出して流水でざっと洗います。大きいものは食べやすい大きさに切ります。骨の間に見えている血のかたまりは、この段階で指でこすって落としておきます
  2. 塩を振っておく:ざるやバットに重ならないように並べ、両面に塩を振って10〜20分おきます
  3. 熱湯をかける:ざるをシンクに置き、沸かした湯を全体に回しかけます。量が多いときはボウルに入れて湯をたっぷり注ぎ、箸でひと混ぜします。表面が白くなれば十分です
  4. 冷水に取って洗う:すぐに水を張ったボウルへ移します。手が入る温度になったら、流水を当てながら指でこすり、血のかたまり、血合いの汚れ、残ったうろこ、皮のぬめりを落とします
  5. 水気を拭く:きれいになったものから取り出し、キッチンペーパーで水気を押さえます
ざるに並べて塩を振ったぶりのあらと、湯気の立つやかん

塩の量と置く時間

塩の量と置く時間は、レシピによって幅があります。調味料メーカーや料理番組のレシピでは、あら250〜400gに対して塩が小さじ1〜大さじ1、置く時間は10〜20分です。料理誌には5分ほどとする案内もあります。料理番組のレシピには「あらには切り身より強めに塩を振る」という注意書きがあり、水産メーカーは、ぶりは脂が多いので少し長めに置くことをすすめています。迷ったら、全体にまんべんなく振って10〜15分を基準にしてください。塩は洗い流さず、そのまま熱湯をかけてかまいません。あとの水洗いで落ちます。

湯の温度と、くぐらせる時間

切り分けたあらには、沸騰した湯をそのまま使えます。丸ごとの魚は皮が破れやすいため、沸騰より少し低い90〜95℃くらいがすすめられていますが、あらでそこまで気にする必要はありません。

湯をかける代わりに、鍋に沸かした湯へくぐらせる方法もあります。時間は10秒ほどで、表面が白くなったらすぐ引き上げます。目的は表面の汚れを落とすことなので、中まで火を通す必要はありません。

やけどと湯のはね返りに注意

ざるはシンクの底に安定させて置き、湯は低い位置からゆっくり回しかけます。高いところから勢いよく注ぐと、はね返った湯が手や腕にかかります。湯をかけた直後は、あらもざるも熱くなっています。水を足して冷めてから手を入れてください。

部位ごとの洗いどころ

  • 中骨:骨と骨の間や背骨沿いに、血のかたまりが入り込んでいます。指で取れないものは、爪楊枝でつついて出します
  • かま:皮とひれが付いているので、うろこが残りやすい部位です。ひれの付け根を指先でなぞって確かめ、取れにくいものは包丁の先でこそげます
  • 頭:えらが残っていたら取り除きます。凹凸が多いので、水の中で向きを変えながら血と汚れを洗います
  • 腹骨:内側に内臓の残りが付いていれば取り除きます

洗い終わると、ボウルの底に血のかたまりやうろこがたまります。これを一緒に煮るかどうかで、仕上がりの味に差が出ます。

ぶり大根・あら汁・あら煮での使い分けと、下処理後の保存

下ごしらえの流れはどの料理でも同じですが、どこまで念入りにするかは料理で変わります。

料理 下ごしらえ 調理のポイント
ぶり大根・あら煮 塩、霜降り、水洗いまで行う 煮る料理は、においが煮汁に移りやすい。酒を多めに入れ、煮立って出てきたアクをすくう。生姜を加えるレシピが多い
あら汁 霜降りまで行う。味つけが薄く、生姜を入れない汁ほど念入りに洗う ぶりは味が強いので、味噌仕立てが合う。大根などを先に煮て、あらはあとから加えて火を通す
かまの塩焼き うろこと血のかたまりを落として洗い、塩と酒を振る。霜降りは省ける 焼く調理では、においの元になる脂や血合いが焼け落ちやすい
器に盛ったぶり大根

水産研究所の案内には、きちんと下処理した鮮度のよいあらなら、生姜を入れずに炊いても魚そのものの香りを楽しめる、とあります。生姜や酒はにおいを抑える助けになりますが、先に血とうろこを落としておくことが前提です。

霜降りしたあらは、その日のうちに煮るか保存する

霜降りで白くなるのは表面だけで、中は生のままです。そのままでは食べられません。煮物や汁物にして、中まで火を通してください。水産メーカーのあら汁のレシピでは、霜降りしたあらを鍋に加えてから、火が通るまで7〜8分煮ています。

その日に使い切れない分は、冷凍します。

  • キッチンペーパーで水気をしっかり拭き取る。水分が残ると霜が付きやすい
  • 1回分ずつラップでぴったり包み、冷凍用保存袋に入れて空気を抜く
  • 金属製のバットやトレイにのせて冷凍庫に入れると、早く凍る

家庭で冷凍した魚の保存期間は、食品メーカーや自治体の案内で2週間から1か月ほどと幅があります。あらに限った目安ではないので、2〜3週間を目安に早めに使い切ってください。使うときは冷蔵庫に移して解凍し、出てきた水分を拭いてから煮ます。冷蔵庫に置く場合も、水気を拭いてラップで包み、できるだけ早く火を通してください。

よくある質問

氷水を張ったボウルに取った、霜降り後のぶりのあら

塩を振る時間がないときは、熱湯をかけるだけでもよいですか?

塩を省いても下処理はできます。水産メーカーのあら汁のレシピは、あらを水でよく洗い、ざるに入れて熱湯を回しかけるだけです。湯にさっとくぐらせて冷水で洗うだけの、すし店主のレシピもあります。塩を振ると余分な水分が出てくるので、時間のある日は塩の工程も足す、という使い分けで十分です。どちらの場合も、冷水の中で血とうろこを落とす作業は省かないでください。

氷水を用意できないときはどうすればよいですか?

水道の水で足ります。熱湯をかけたボウルにそのまま水を流し入れて冷まし、流水を当てながら洗う方法が、料理研究家のレシピで紹介されています。氷水は早く冷やせるのが利点です。氷があれば使う、というくらいで考えてください。

下処理をしたのに、煮たらまだ生臭いのはなぜですか?

まず考えられるのは洗い残しです。中骨の間や背骨沿いの血のかたまりは、表面を流しただけでは落ちません。次に煮方です。酒を入れた煮汁をしっかり煮立てると、アルコールが蒸発するときににおいも一緒に飛ぶとされています。浮いてきたアクはすくってください。買ってから日がたったあらは、においそのものが増えています。次は買った日に下処理をしてみてください。

切り身のぶりでも、同じ下ごしらえが必要ですか?

切り身は血のかたまりやうろこが少ないので、あらほど手をかけなくても済みます。煮魚の下処理は、水で洗って水気を拭き取るだけでも十分とする食品メーカーの案内があります。ぶり大根のような煮物にするときは、切り身でも霜降りをしておくと、臭みと余分な脂が抜けます。

まとめ

ぶりのあらの下処理と臭みの取り方は、「塩を振る」「熱湯をかける」「冷水で洗う」の3つに分けて考えると迷いません。要点は次のとおりです。

  • 落としたいのは、血合いの汚れ、骨の間の血のかたまり、残ったうろこ、ぬめり
  • 買うときは、血合いの色が鮮やかで、ドリップの少ないパックを選ぶ
  • 買った日に、塩を振って10〜20分おく
  • 沸騰した湯をかけ、表面が白くなったらすぐ冷水に取る
  • 中骨は血のかたまり、かまはうろこを重点的に落とす
  • 霜降りのあとも中は生。その日のうちに煮るか、水気を拭いて冷凍する
器に盛ったぶりのあら汁

あらを買ってきたら、冷蔵庫にしまう前に、まず湯を沸かして塩を振るところから始めてください。

あわせて読みたい

タイトルとURLをコピーしました